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せっかくなのでメールマガジンの文章を転載します。

嬉野 | 2000. 5/25(THU) 14:52

さて、「カブの旅・西日本編」のはじまりである。
カブの旅といえば積み荷。これが命である。
前回の旅では高崎のだるま、新潟のこしひかり、秋田のなまはげ、青森のねぶたと、圧倒的な迫力で札幌まで北上してきた我々だったが、今回は、早春の山陰路である。
まず、第一夜では兵庫県、出石のそば粉と鳥取砂丘の砂を積んだ。

ONAIRをご覧の方の中には、ミスターのぱんぱんのそば粉に比べて、大泉くんの砂丘の砂のボリュームが中途半端じゃないかと思われた方もいらっしゃるだろうが、あれで実際はえらい重いのである。

あの日、鳥取砂丘で砂丘見物を終えた我々は、トイレタイムをもうけ、タレントさんに休息をとってもらったのだが、
売店に顔を出してみると、すでに藤村くんが「鳥取大砂丘」と書かれた大きな麻の手提げ袋を、鷲ずかみにしてレジの列に並んでいた。
「砂、積むんだね」
「積むよ」
「砂丘山芋じゃないんだね」
「じゃないよ。わかりにくいでしょ」
「そうだね」

支払いを済ませた我々は急いで砂丘まで戻って、そそくさと砂を詰めだしたが、
袋いっぱいに砂を詰め終わったところで、トイレ帰りの大泉さんと目が合った。
「なにしてるの、きみたち」
「いや、砂を」
「いや、砂をじゃないでしょう。何そんなに袋ぱんぱんにしてるのよ」
「だから砂をね」
「砂はわかってるって言ってるでしょう」
「いい年をした大人が鳥取くんだりまで来てやることかって言ってるの、ぼくは」
「そうだね」
「だいたい、そんなにぱんぱんにしたら重くて積めるわけないでしょう」
「積めないかい」
「持ってみなさいよ」
藤村くん持ってみる。
「積めないね」
「あたりまえでしょう。さっきまで雨が降ってて水吸って重くなってんだよ」
「そうだね」
「そんなことちょっと考えればわかるでしょう」
「・・・」
「捨てなさいよ。減らしなさいよ」
で、あのボリュームに落ち着いたのである。

※2007年8月16日註
文章の中段に「急いで砂丘まで戻って」とありますが、 正確に書けば「砂丘レストハウスの駐車場のカブを停めていた場所に戻って」ということになります。誤解を与える表現がありましたことをお詫びし訂正させていただきます。