2011年12月02日(金)
峠うどん
今年も、ゆっくりペースではあったけれども
やっぱり本は、かかせなかったな。
結構、読みました(*^^*)♪♪♪
一番、最近読んだのが
重松清さんの『峠 うどん物語』
峠の斎場の前に立つ一軒のうどん屋さんを舞台に
そこにやって来るお客さんを交えて物語がすすんでいくんだけど、
斎場の前にあるものだから、
お客さんといえば、どうしても葬儀の後にやってくる人たち、
というコトなんですね。
つまり、死に直面したお客さんたちが語りだす
人生や、絆、人の想いが描かれていて、
どの話も、あったかい話ばかり。
特に、重松さんが震災後に書いたという話が
2つ入っているのだけれど、
その中の、「柿八年」という話が
ものすごく印象的だった。
うどん屋さんのある町は、かつて
台風による水害で大きな犠牲者をだした
という歴史から振り返るストーリーで、
そこには「人は、想像以上に強い」という
人間の底力が語られてるんですね。
これは、主人公の想いというより
たぶん、重松清さんの願い。
この本の強いメッセージが感じられた話だったなぁ。
うどんみたいに、スルスルスルっと読める文体で
でも、ちゃんとお腹にたまる本。
さすがの重松さんでした。