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地域とともに「震災」を記憶するイベント 北海道のチカラ 今、私たちにできること_3.11とともに歩む

東日本大震災から7年が経ちました。
私たちHTBアナウンサーは、「東日本大震災を風化させない」ために、震災の翌年からこの活動を続けています。
しかし、この7年の間には、北海道を台風や暴風雪が襲い、甚大な被害をもたらしました。そこで、今回は去年に引き続き、「防災・減災」をテーマに、皆さんとともに考えるイベントを目指しました。

今、私たちにできることは何なのか。
自分や大切な人の命を守るためにはどうすべきなのか。
これからもHTBでは「今、私たちにできること」の活動を続け、震災と向き合っていきます。

HTBアナウンス部一同


後援

北海道 札幌市 札幌市教育委員会 石狩市 石狩市教育委員会

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9月に発生した北海道胆振東部地震を受け、私たちHTBアナウンサーは
「防災・減災」について皆さんと考えるイベントを、
震災から1か月となった10月に開催しました。
冬を間近に控え、災害に見舞われたらどうすべきなのか。
どんな準備をしておけばよいのかなどを紹介し、
お越しいただいた皆さんからもお話を伺うことができました。
震災から2か月となった11月には、「食の備え」をテーマに開催。
限られた飲料水を有効活用するための方法や、
備蓄しておくと良い非常食、
その非常食を活かした栄養バランスの取れたアレンジメニューなどを紹介しました。
今回は、11月にHTB1階エントランスで行ったイベントの模様をご覧ください。

2018.12.11 HTBアナウンス部

ステージ

アンサンブルグループ奏楽(そら)コンサート


オーボエ:岩崎弘昌さん ピアノ:前田朋子さん ヴァイオリン:長谷川加奈さん

楽しく、奏でる、と書いて、「奏楽(そら)」。
まるで音がダンスしているかのような奏楽の皆さんの演奏。
オーボエ、ピアノ、ヴァイオリンの調べが混然一体となり、会場に優しく響き渡りました。
演奏してくれたのは、クラシックから北海道にゆかりのある曲まで様々。
奏楽の皆さんは、震災後、年に1、2度被災地で演奏をしていて、今回も「天まで届いてほしい」と 強く願いながら奏でて下さいました。
会場で聴いていて、心の真ん中が、あたたかい気持ちに。
音に込めた想いは被災された皆さんにきっと届いていることと思います。


【アンサンブルグループ奏楽】
札幌交響楽団・首席オーボエ奏者 岩崎弘昌さんと、札幌及び近郊在住の若手演奏家によって2008年春に結成された演奏団体。

前田朋子さんより 【ピアノ】

今回初めて、このイベントに参加させて頂きました。
朗読とのコラボレーションも初めての経験でしたが、本番当日は、読み手のアナウンサーの皆さんの熱い想いとプロフェッショナルな語りに刺激を受け、いつも以上に、一音一音に想いを込めて、演奏させて頂きました。
朗読と音楽がひとつになる瞬間を何度も感じることができ、演奏しながらも感動で胸がいっぱいでした。
奏楽では、これまでに10回、岩手県沿岸部を訪問し、各地で生演奏をお届けしています。その中で、新たな絆もできております。
震災がなかったら出会うことがなかったかもしれない、新たな出会いにも感謝して、これからも、震災と共に歩んでいけたらと思っています。
たくさんの皆さんの思いが詰まった素敵なイベントに参加させて頂き、ありがとうございました。

合資会社 ホリ ホールディングス

アナウンサーによる朗読

3月11日。多くの人の命が失われました。
ただ、新しい小さな命も生まれました。
東日本大震災の日に誕生したわが子を想う「3.11に生まれた君へ」という本に収められた手記の数々。
その一部をアナウンサーが心を込めて朗読しました。


「3.11に生まれた君へ」

午前2時0分誕生  ●宮城県名取市 佐藤雛咲ちゃん
「無呼吸発作で息が止まった娘 命のリレーで助かる その神秘、重さ、ありがたみを感じ」
文●お母さん 佐藤寛美さん

『この東日本大震災で、もしも娘が生まれていなければ、私は両親と祖母を失っていたかもしれません。』
生死の境を彷徨いながら、命が繋がっていく瞬間が、ありのままに描かれていて、生きることの尊さを感じました。

午前1時53分誕生  ●岩手県盛岡市 阿部佳一郎くん
「どんな困難でも 「命」があれば きっと乗り越えられる」 文●お母さん 阿部志保さん

あの日生まれた子供たちは、小学1年生。
もう7年、それとも、まだ7年なのか、人それぞれに想いは異なるでしょう。
家族で紡いできた日々の物語は、未来に向かって歩き続ける、喜びと悲しみ、そして、生きる強さに満ち溢れています。
ぜひお手にとってみてはいかがでしょうか。

「君の椅子」プロジェクトへのアクセス

https://www.asahikawa-u.ac.jp/page/kiminoisu_project.html

トークセッション

「冬の災害時の備え」
≪大城和恵さん・小野浩二さん —インタビュアー 五十幡裕介≫

日本人初の国際山岳医の大城和恵さん、株式会社秀岳荘代表取締役社長の小野浩二さんに、「備えることの大切さ」を話して頂きました。
・水、トイレ、低体温症、持病に対するケアが特に重要
・低体温症の時は、濡れた服は脱ぐようにする
・湯たんぽは体を温めるのに便利なグッズ
・3日乗り切るための食料を準備→炭水化物などカロリーの高いものを!
・カセットコンロのガスボンベなど必要な量より1,2本多く持っておく
・レスキューシート1枚で毛布3枚分の保温効果
お話の内容を挙げればキリがないですが、「備えることは生きること」だと実感。
皆さんも「備えの一歩」踏み出してみませんか。

大城和恵さん(国際山岳医)
長野県出身で、日本人として初めて「UIAA(国際山岳連盟)/ICAR(国際山岳救助協議会)/ISMM(国際登山医学会)認定国際山岳医」の資格を取得。2011年 北海道警察山岳遭難救助アドバイザーに就任し、国内初山岳救助への医療導入制度を実現。同年 札幌市の北海道大野病院(現北海道大野記念病院)にて登山外来を新設。三浦雄一郎さんのエベレスト遠征隊にもチームドクターとして参加。

小野浩二さん(株式会社秀岳荘 代表取締役社長)

MC: HTBアナウンサー 五十幡裕介

社会医療法人 孝仁会 北海道大野記念病院
株式会社 秀岳荘

「ハマヒルガオで東北に笑顔の花を」
≪鈴木玲さん・雉子谷星亜さん・川﨑萌音さん・石岡純怜さん —インタビュアー 佐藤麻美≫

東北では、今、防潮堤などの工事により、海浜植物の生育適地が奪われてしまっています。そんな花たちを守ろうと、東北で採取した種を北海道で育て、故郷の海岸に苗植えする活動をしているのが、「北の里浜 花のかけはしネットワーク(はまひるがおネット)」です。
道内では、石狩中学校が防災への取り組みとして全校でこの活動に参加し、宮城県名取市閖上地区と交流をしています。
トークセッションでは、そんな活動の内容とともに、閖上での苗植えに参加した生徒の皆さんが感じた東北や災害時の心構えなどについてお話して頂きました。

鈴木玲さん(北の里浜 花のかけはしネットワーク[はまひるがおネット]代表)
北の里浜 花のかけはしネットワーク:海浜植物を通して、東北の人々と北海道をつなぐ「かけはし」になりたいという思いから設立。復旧工事により消失する東北の海浜植物群から今ある海浜植物の種子を集めて、北海道で育苗し、再び現地の適地、あるいは近隣小学校などに移植することを目的として活動している

雉子谷 星亜さん、川﨑 萌音さん、石岡 純怜さん(石狩中学校3年)

MC: HTB編成部 佐藤麻美

鈴木玲さんより

震災後の海岸、倒れた松林や壊れたコンクリートブロックの間から、傷跡を癒すように咲いていたハマヒルガオの可憐な花。海辺の植物たちは大きな津波に耐え、また移動して徐々に元に戻ろうとしていました。被災した方の心にも郷愁とともに勇気を与えたことと思います。
その花々の多くがその後の防災工事などで再び消えていきました。そこで採ったタネを4年前から石狩中学校で心を込めて育てて元の海岸に戻す活動は、2年目から地元の名取市立閖上(ゆりあげ)中学校と結ばれ、太い絆となってきています。
今回ステージで、これまで苗を育て、閖上の浜に植えに行って交流してきた中学生たちの想いを訊いて下さったことで、彼らがこんなにもよく考え、深く感じ、そして未来につなげていこうとしていることを知り、感激しました。閖上中学校からのメッセージビデオも流され、両校の生徒たちこそが、協力してくれたオトナたちに支えられつつも、まさに架け橋になっていることを心強く感じました。
会場でその想いを多くの方々と共有できたことをたいへん嬉しく思います。また、今後も皆さんのご協力もいただきながら、中学生たちとの花のかけはし活動を続けていきたいと思いました。ありがとうございました。

石狩中学校 雉子谷星亜さんより

この3・11のイベントで、私たちの発表に耳を傾けていただいた方やハマナスの花にメッセージを書いていただいた方など、会場に足を運んでくださった方々、本当にありがとうございました。
私たちの活動は、決して大きなものだとは思っていません。ですが、ここ北海道から被災地の方たちのためにこのような活動をしていることを知っていただき、もう一度被災地のことを考えるきっかけになればいいなと思っています。今回、多くの方の前でこの活動を紹介し、発信できたことをとてもうれしく思っています。
また、閖上小中学校にこれから送る予定のメッセージボードは、会場に足を運んでいただいた方々のお御陰で、あっという間にハマナスの花で埋め尽くすことができました。後から来た方には、カードが無くなり断らざるを得ない状況になってしまいましたが、沢山の方が被災地のみなさんへ心を寄せて貰えたことを実感できる機会となりました。
これからも、石狩中学校では私たちの後輩がこの想いを引き継ぎ、活動に取り組んでいきます。今後とも石狩中学校の活動を温かく見守っていただけると幸いです。
そして、今回ステージに立った3人は、4月からは自分の夢や目標に向かって歩んでいきます。中学校を卒業してもこの活動に賛同してもらえるよう、多くの方に伝える活動をしたいと思っています。
今回会場にお越しいただいた方々、本当にありがとうございました。

「命を守ろう!北海道の防災対策」
≪西谷内文一さん —インタビュアー 菊地友弘≫

東日本大震災から7年。北海道でも超巨大地震が発生する可能性が非常に高くなっています。十勝沖や根室沖、色丹島及び択捉島沖では地震と津波に対する備えが特に重要になります。
西谷内さんは2017年4月まで一年間、被災地である岩手県山田町で支援をされていました。まだまだ被災地は復興の途中ですが、「復興完了後の町の将来像を考えておかなければならない時期に来ているのではないか」と今後の課題も口にされていました。これは山田町だけでなく、私の故郷、岩手県釜石市も含め、被災地の抱えるこれからの課題だと感じました。
また、災害は地震や津波だけではありません。北海道では3月に入り、暴風雪や大雨による影響で、各地で甚大な被害が出ました。北海道に住んでいる私たちも、いつどんな災害に襲われるか分からない状況の中で生活を送っていることを実感した方も多かったと思います。もし今、災害が発生したら、皆さんはどんな行動をとるべきなのか。道庁では漫画を作成し、各自治体に配布しているとのことです。
命を守るためには、自分でしっかりと準備しておかなければなりません。他人事にせず、できることから始めていきませんか。

西谷内文一さん(北海道 総務部危機対策局危機対策課防災グループ 主査)
今年の4月まで1年間、岩手県山田町で被災地支援活動を行う

MC: HTBアナウンサー 菊地友弘

西谷内文一さんより

東日本大震災の発生から7年という年月が経ち、何もしなければ風化してしまうと思いますが
多くの方がイベントに参加されるのを見て、風化している様子は感じられなく、むしろ、自分事のように考えてくれているような印象を受け、安心しました。
私は、業務で防災に関わりのある仕事なので、防災・減災をテーマにお話しさせて頂きましたが、業務の話し以外に、妻の宮城県石巻市での被災体験のお話しもさせて頂くことができ、僅かですが、皆さんに伝えることができたと思います。

~KDDIスペシャルトーク~

携帯電話は、災害時に自分の居場所を知らせる、情報を把握するなど、命を守るツールになります。私が東日本大震災後に避難所を取材した際も、「携帯がないと不安になる」と、友人との唯一の通信手段となる携帯電話をお守りのように握りしめていた女子高校生の姿が印象に残っています。
災害時に宮城県で通信網の普及にあたったKDDIの齋藤充央さんには「災害時、ケータイの有効な使い方」と題して、震災後の電波復旧の裏側や、もしもの際に知っておいた方がよい携帯電話の機能について伺いました。
そして、仙台へ社員の安否確認や支援物資を届けた岩澤政行さんには、「ボランティアを身近に!」と題して、震災後から続けている被災地支援のお話を伺いました。

「災害時、ケータイの有効な使い方」
≪齋藤充央さん —インタビュアー 国井美佐≫

齋藤充央さん(KDDI株式会社 札幌テクニカルセンター)
震災時は、仙台テクニカルセンター(東北6県のKDDIの通信設備、au基地局を24時間365日守る部署)に勤務
MC: HTBアナウンサー 国井美佐

齋藤充央さんより

私も震災時に仙台にいた事もありまして、遠く離れた北海道でこのイベントに参加できた事を嬉しく思います。
情報発信はとても大切な事だと、このイベントで再認識致しました。
KDDIとしても、まだまだやれる事はたくさんあると思いますので、これからも引き続き一緒に活動できたらと考えております。


「ボランティアを身近に!」
≪岩澤政行さん —インタビュアー 国井美佐≫

岩澤政行さん(KDDI株式会社 北海道総支社)
震災時は人事部に所属し、震災の3日後から仙台に入り、社員の安否確認や支援物資の手配、受け入れなどに従事
MC: HTBアナウンサー 国井美佐

岩澤政行さんより

今回、「ボランティアを身近に」と言うテーマで、KDDIの被災地支援の取り組みや日頃のボランティア活動について紹介させて頂きましたが、KDDIにおいてもボランティア活動に対する意識が変わったのは3.11の震災であったと思います。
助け合い、思いやりの心を見つめる機会として、引き続き東北との絆を大事にして行きたいと、今回のイベントを通して気持ちを新たにしたところです。
また、本業である通信サービスにおいても、auを使ってて良かったと思って頂けるよう「つなぐのは思い、つなぐのは笑顔」を合言葉に取り組んで行きます。

KDDI株式会社

体験スペース

災害時の通信を支える使命 被災地復興の架け橋」

KDDIでは、災害が起きた際にすぐに電波が復旧できるよう、車載型の基地局やドローンで飛ばす基地局などを準備しています。これまでの災害時の取り組みや、災害時に活躍するパラボラアンテナやドローン基地局を展示し、多くの皆さんに関心を持って頂きました。

KDDI株式会社

防災グッズひろば

今回のイベントのテーマでもある「防災」「減災」。
しかし、どういう心構えが必要なのか。備えるためには何をすれば良いのか。何から始めたら良いのか。
自信を持って答えるのは難しいですし、ハードルも高いのが現状です。
会場でもそういった反応が多く見られました。
今回、防災グッズひろばに多くの方が来て、どんなものを持っているといざという時に役立つのか、見て・聞いて・触って、体験していました。私も袋型のレスキューシートに入りましたが、想像以上に暖かかったです。この薄さでこれだけの保温性能があるのかと、正直驚きました。
すぐに100%の備えをするのは難しくても、3.11をきっかけに一歩踏み出すことはできます。
皆さんと一緒に、私たちもその一歩を踏み出していきます。

株式会社 秀岳荘

つなげよう未来へ~被災地に届ける希望の種植え

会場では、東北の海浜植物を守ろうと活動している「北の里浜 花のかけはしネットワーク(はまひるがおネット)」と連携し、東北で採取したハマヒルガオの種植えをしました。
また、石狩中学校の生徒が制作したハマナスの花びらに、東北への思いを綴るひとときを作りました。
来場された皆さんに書いて頂いたメッセージは、4月に開校した宮城県名取市の新閖上小中学校に届けられました。

「暮らしと珈琲 みちみち種や」チャリティCAFE

宮城県で被災され、石狩市に移住した加藤さんご夫婦。
普段は、寡黙なご主人と、笑顔が印象的な奥さま、2人でコーヒー豆のネット販売を行なっています。
手書きのポップに、あたたかいコーヒー、そして、二人の笑顔。
コーヒーを口にした皆さんが、ホッとしたような、柔和な表情になりました。
今回のイベント用にご用意頂いた「てとてブレンド」は、早々に完売。
売り上げの一部、41775円は、はまひるがおネットの活動費として寄付されました。

加藤哲平さん ゆうこさんより

3月11日。
自分のようなものがあの日のことを言葉にしてよいものか、
ものすごく、ものすごく悩み続けました。
そんな時、佐藤麻美さんが私たちを見つけてくれて、逢いにきてくれて、
まとまりのつかない私たちの話を受け止めてくれました。
震災から3年経っていた時で、東日本大震災のニュースは、あまり北海道では放映されず
記憶から薄れつつある中で
「風化させてはいけないんです、させたくないんです!」
そう話す、麻美さんの想いに触れ、
(あぁ、もしかしたら、自分たちにできることがあるんだ)と、
2人で安堵というか、できることがあるということを見つけられて、
靴ひもを結び直して、「さぁ、行こう!」という一歩が踏み出せました。

初めてのイベントの日、
たくさんの方々が関わって下さっていて、
アナウンサーの方々が有志で、しかも、
スタッフの方々も同じ想いであの場を作って下さっていることを知り、
私たちは、ここに居る皆さん全員お一人おひとりに、お礼を言って歩き回りたい衝動に駆られました。
結局、無我夢中に心を込めて、珈琲を淹れ続けることしかできませんでしたが、
こんなにも、他人事ではなくて自分ごとのように想って下さる方々が居るのかと思い、
感激しました。

そして、私たちにとって参加する三度目の今年の3月11日。
回を重ねて行くごとに、より鮮明に、よりシンプルに
言葉が(おもいが)届いてきました。
珈琲を淹れながら聴こえてくる声に、話に胸が刺さりました。
楽しいイベントではありません。
あの日を思い出すのが怖くて仕方ない時間でもあります。
身内を捜しに行った石巻で、どこを歩いても泣いてわめいている人が居ました。
小さな子供抱えて、どこに逃げたらいいんだと喧嘩しているご夫婦。
ぐらぐらと絶えず揺れる余震におびえながら、重油まみれになりながらお父さんを探す男の子。
目をつぶらなくても見えてきます。
あんなことが、もう二度と起きないように、
今、わたしたちが備えていくべきことは、何かを用意するのではなくて、
「何か起きた時には、どう行動するか」の心構えなんだじゃないかと思っています。
生きていれば、なんだってして生きていける。
生きてさえいれば、知らない人と声を掛け合い、支え合えました。
残念な出来事もあったけれど、それよりも上回る人と人との助け合いを見ました。
避難所で1本の羊羹を5ミリぐらいの薄さに切って、それをまた半分して
46人で分けて食べたあの味は一生忘れないと言っていた友人がいました。
あの時のことを、伝え続けていくことの大切さを年を重ねるごとに感じています。

発信しなければ、無いことになる。
痛ましいあの日を未来に繋げていかなければいけない。
風化させたくない。

そう、改めて心に刻み、同じようにあの日のことを見つめ続けてくださるHTBの皆さんの存在に私たちは心の底から力をもらいました。
またあの場に立てるように、もっと何か出来ることはないのかを、またこの一年をかけて考えていきます。

暮らしと珈琲 みちみち種や

共催各社からの声

倉田康功さんより【朝日新聞北海道支社 販売チーム】

3・11の記憶を語り継ぐ大切なイベントに参加させて頂き、光栄です。
このイベントが、一人でも多くのかたに、災害に備えるきっかけとなって頂ければ幸いです。
また、震災から7年経った今でも、約7万3千人のかたが避難生活を送られています。
「私たちは忘れていないよ 今も応援しているよ」その気持ちを被災者の方に届けられればと思います。

イベントを終えて

東日本大震災から7年が経ちました。
毎年被災地を訪れてきましたが、まだまだ復興は途中です。
ただ、この7年の間に、少しずつあの未曽有の大震災についての報道が少なくなってきました。放送に関わる人間の一人として、これからも風化させない活動を続けていこうと強く思っています。
今回は去年に引き続き、「防災・減災」をテーマに、皆さんとともに考えるイベントを目指しました。3月に入り、北海道でも暴風雪や大雨、急速な融雪によって亡くなった方もいます。災害にいつ遭遇するか分からないということを強く感じている方も多いのではないでしょうか。
そして、北海道でも、十勝沖や根室沖、色丹島及び択捉島沖で超巨大地震が発生する確率が高いというお話を、道庁の西谷内さんから伺いました。

今、私たちにできることは何なのか。
自分や大切な人の命を守るためにはどうすべきなのか。
これからもHTBでは「今、私たちにできること」の活動を続け、震災と向き合っていきます。
〈 菊地 友弘 〉

3.11のことをメディアで放送する数は減り、イベントを行う団体も減り、確実に風化は進んでしまっていると感じます。
しかし年数を重ねるごとに、このイベントに協力してくださる方や会場に足を運んでくださる方は増えています。
今年は多くの企業さんと協力しあい、〝今、できること″をそれぞれのカタチで実現していただきました。優しい気持ちが持ち寄られ、輪は広がっています。
去年、大好きなものを我慢してためたという10万円を袋に入れて、 「被災地に寄付したいの。」と、みちみち種やの加藤ご夫妻に渡してくれた女性がいました。
今年もまた、「1年間だから少ないけれど、大好きな飲料を我慢して貯めたの。このイベントがあるから頑張れるのよ。」と言って、持ってきてくださったそうです。
北海道の人の気持ちを被災地に届ける広場としても、このイベントを続けていきたいと感じました。
そして、忘れないこと。
後世に活かすこと。
これからも伝え続けていきたいと思っています。
〈 国井 美佐 〉

「やっと自分も東北のために何かできる時が来たと思いました」
今回トークセッションに参加してくれた石狩中学校3年生の言葉です。
津波の影響で大きなダメージを受けたにも関わらず、その生命力の強さですぐに花を咲かせた東北の海浜植物。それが、防潮堤などの工事で、生育する場所が奪われているという現状。そんな海浜植物を守ろうと活動している団体「はまひるがおネット」に参加したのが石狩中学校でした。
自分たちで育てた苗を東北の海岸に植え、次の学年のために種を持ち帰ってきた彼らの言葉にはとても説得力がありました。子どもたちの感受性と表現力に感銘を受け、私たち大人が次の一歩へと背中を押されました。
「3.11を忘れないこと、伝え続けていくこと」を胸にスタートさせたこのイベントですが、このトークセッションを通し、震災を後世に伝えていくためには子どもたちの力がとても大切であり、そのひろばを作っていくことも私たちの役割なのだと感じた時間でもありました。
また、会場では、石狩中学校の皆さんが作ったハマナス型のメッセージカードがなくなるほど沢山の方に思いを綴って頂き、ハマヒルガオの種植えにも沢山の方が参加して下さいました。本当にありがとうございます!
「東北へ思いを寄せるひろば」として、「北海道の防災、減災を考えるひろば」として、私たちは今後もこの活動を続けていきます。
〈 佐藤 麻美 〉

3月11日のイベントにお越し頂いたみなさん、
どうもありがとうございます。
札幌のアンサンブルグループ奏楽(そら)のみなさんの音色にのせて、
朗読をしながら、会場の皆さんと、想いがひとつになったような気がしました。
そして、午後2時46分。黙祷。
まぶたの裏には、あの日のことや、家族や友人の顔が思い浮かびました。
今を大切にしよう。周りの人を大切にしたい。
そう、強く思いました。
会場で声をかけてくれた福島の女性は言います。
「このようなイベントを開いてくれて、ありがとう。これからも、どうか 伝え続けてくださいね」
握りしめてくれた両手は、力強くて、あたたかった。
忘れないこと。
伝え続けること。
あの日のことを知らない人たちにも
語り継ぐこと。
これからも、さまざまな想いを、イベントや番組などを通じて共有していきたいと、思っています。
〈 大野 恵 〉

「防災」「減災」。
口で言うのは簡単なのですが、もしもの時に備えるためには何が必要なのか。そもそも何から始めたら良いのか。
その一歩を踏み出すことのハードルが想像以上に高く、知識を身につけるのも大変なこと。
皆さんの反応を見てそう感じましたし、こう言う私自身もそうかもしれません。
東日本大震災という未曾有の災害を契機として高まった防災意識も、現実的にはまだまだ道半ばだと思います。
3月11日という日を、イベントの会場で、こちらのホームページで共有した皆さんと共に、今後も高め合っていきたいと考えています。
また、個人的には、プロジェクトメンバーになり、3回目のイベントでした。石の上にも三年と言いますが、まだ3年。
ただ、継続は力なりだと信じています。
被災地に、被災された方々に想いを寄せること、また、もしもの時に備えることが「生きること」だと感じています。
今後も地道ではありますが活動を通して、私たちにできることを続けていきます。ありがとうございました。
〈 五十幡 裕介 〉

7年を長いと感じたのか、それともあっという間だったのか。この月日が、被害に遭われた方の心を癒すのであれば幸いですが、時の流れが震災から私たちを遠ざけているのも、また事実です。
今を生きる私たちは、まさかが起こることを知っています。『何かあってからじゃ遅い。備えが大切。』と分かっていても、平和な日々を過ごしていると、なかなか行動に移せないものです。
また3月11日を迎え、胸に手を当て、皆さんと被災地に想いを馳せると、どうしても続けて欲しいと感じたことがあります。
もしもの『心の準備』をしておいてください。もちろん物理的な準備ができているのが一番ですが、まさかのとき、何をすべきなのか考えて欲しいです。その一歩が、自分や大切な人の命を守るために、とても大切だと思うからです。
〈 福田 太郎 〉