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2018年4月23日(月)深夜1時20分放送~ 聞こえない声~アイヌ遺骨問題 もう一つの150年~

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  • 【内容】
    東京大学や北海道大学など国内12の大学に、日本の先住民族アイヌの遺骨が保管されている。国の調査で、その数はおよそ1600体に上ることが明らかになった。多くは明治から昭和にかけて国内外の人類学者がこぞってアイヌ墓地を掘りおこし、研究の名目で持ち去ったものと言われている。
    「先祖の遺骨を取り戻し、故郷で弔いたい」 道内各地のアイヌたちが声をあげ、遺骨返還運動が始まった。返還に応じない大学を相手に裁判が起こされ、和解が成立して故郷に返還されるケースも出てきた。なぜ裁判を起こしてまで遺骨の返還にこだわるのか?その声に真摯に耳を傾けたとき、アイヌ民族の先祖を敬う独特の死生観と、自然と一体となった世界観が見えてきた。更に明治以降の意気盛んな北海道開拓物語とは別の、もう一つの150年史が浮かび上がってくる。
    番組はアイヌの長老から、新しいメッセージを発信し始めたアイヌの若者まで、各地を訪ねて様々な世代にマイクを向けた。旭川の長老は今も全国の大学で慰霊儀式を行い、構内に眠る先祖の霊を慰めている。アイヌを嫌い東京に逃れたアイヌの女性は、80歳を超えて海外の先住民族と交流を始め、民族の権利確立を訴える。番組のナレーションを担当した若きアイヌの女性は、自分のアイデンティを探しながら、文化振興のために日々努力を重ねている。
    長い差別の歴史に抗い、民族のあるべき姿を模索するアイヌの今を追った。

    出演者プロフィール ナレーション担当
    ◆秋辺マナさん(30)
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    阿寒町出身。家庭の事情により長らく故郷を離れて暮らしていたが二十歳をこえた時に、突然アイヌを意識するようになり、父が働く阿寒湖温泉でアイヌ古式舞踊を習い、アイヌシアターで歌や踊りを始めた。心無い観客の声に傷つけられた経験から、「もっとアイヌを理解してもらわなければ」と、白老町のアイヌ民族博物館で民族の文化を深く知るための勉強を続けている。
    アイヌとして生きる。そんな当たり前のことができる北海道の未来を信じて。
    番組内で紹介する秋辺今吉エカシ(故人)は祖父、秋辺日出男さんは実父。

    ◆佐藤良諭(HTBアナウンサー)

    【制作スタッフ】
    撮影・ディレクター 藤島保志(アウンビジョン)
    プロデューサー   沼田博光(HTB)