2021年3月14日(日)午前10時30分放送 過疎を取るか 核を取るか~「核のごみ」 揺れるマチの針路は~

  • 過疎を取るか 核を取るか~「核のごみ」 揺れるマチの針路は~ 過疎を取るか 核を取るか~「核のごみ」 揺れるマチの針路は~ 過疎を取るか 核を取るか~「核のごみ」 揺れるマチの針路は~ 過疎を取るか 核を取るか~「核のごみ」 揺れるマチの針路は~ 過疎を取るか 核を取るか~「核のごみ」 揺れるマチの針路は~
  • 「世界最悪」レベルの事態に陥った福島原発事故から10年。日本の原子力政策が歴史的な転換点を迎えている。「核のごみ」の最終処分場をめぐる文献調査が、全国で初めて後志の寿都町と神恵内村で始まったのだ。ふるさとの衰退を前に「核」か「過疎」かを迫られる住民たち。その「答え」を出したマチが青森県にあった。「核のごみ」を生み出す核燃料サイクル施設が集中する下北半島を取材。かつて反対運動が繰り広げられたマチでは「ある変化」が起きていた。

    原発の「安全神話」を根底から覆した福島第一原発事故。あれから10年、様々な問題が山積する日本の原子力政策のなかで、いわば「究極の課題」となっているのが、使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物「核のごみ」だ。その最終処分場をめぐる議論が、去年、北海道で突然動き出した。

    「日本の核のごみ問題に一石を投じる」

     寿都町の片岡町長が、処分場選定の第一段階となる「文献調査」に応募を検討していると表明したのだ。住民にとってはまさに「寝耳に水」。周辺自治体や北海道知事からも懸念や反発の声が上がったが、町長は一貫して応募の姿勢を崩さなかった。念頭にあったのが、調査受け入れで国から支払われる最大20億円の交付金だ。ある住民はこう言い切った。

    「過疎を取るか、核を取るか、それだけだ」

    その1か月後。まるで足並みを揃えたかのように、同じ後志の神恵内村でも応募検討の動きが急浮上した。急速な人口減少と産業の衰退に直面するマチ。その存続をかけた地元商工会の提案に、反対の声は影をひそめた。
    過疎地域に巨額の交付金で誘致を促してきた日本の原子力政策。それを受け入れる道を選択したのが青森県の下北半島にある六ケ所村だ。核燃料サイクルの中核を担う再処理工場の建設で、村民の暮らしは一変した。

    「もう私は腹をくくっています」

    かつて建設に反対していた村議はこう話す。激しい反対運動を展開した住民たちも声を挙げなくなった。今では半数以上の世帯が、原子力施設の関連企業で働いている。村にとって「核」は「切っても切れない存在」となっている。

    歴史は繰り返されるのか。北海道の2つのマチがたどる「針路」とは。

    ナレーターは2020年11月29日(日)に放送したHTB制作『テレメンタリー2020 過疎を取るか 核を取るか~「核のごみ」処分場に揺れるマチ~』に引き続き、元NHKアナウンス室長の山根基世が担当する。

    【ナレーター】
    山根 基世
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    1948(昭和23)年、山口県生まれ。1971年、NHKにアナウンサーとして入局。最初の3年は大阪勤務。その後、東京・NHK放送センター・アナウンス室に異動。主婦や働く女性を対象とした番組、美術番組、旅番組、ニュース、ナレーション多数を担当。2005年、女性として初のアナウンス室長。2007年、NHK定年退職後、地域作りと言葉教育を組み合わせた独自の活動を続けている。テレビ朝日「徹子の部屋」、日本テレビ「世界一受けたい授業」出演をはじめTBS「半沢直樹」「ルーズヴェルトゲーム」ナレーションなど、民放の番組も担当。 東京大学客員教授、女子美術大学特別招聘教授等を歴任し、現在は学校法人順心広尾学園理事、公益財団法人 文字・活字文化推進機構評議委員、シチズン・オブ・ザ・イヤー 選考委員会委員長を務める。2000年・放送文化基金賞、2008年・前島賞(逓信協会)、2009年・徳川夢声市民賞受賞。「感じる漢字」「ことばで『私』を育てる」他、著書多数。


    【制作スタッフ】
    ディレクター 雲戸 和輝
    編集 角田 朋美
    撮影 滝本 真実
    音響効果 前村 あづさ
    プロデューサー  金子 陽