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あなたとHTB


このページは平成27年8月23日放送分から引用しています。

タイトル

オープニング

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森・遠藤両アナ

遠藤雅也アナ

おはようございます。「あなたとHTB」の時間です。

森さやかアナ

「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りや放送の在り方を目指すための番組です。

遠藤アナ

きょうの「あなたとHTB」、最初は6月19日の第475回放送番組審議会で審議いたしました「知る重み~出生前診断 家族の葛藤~」についてです。

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知る重み~出生前診断 家族の葛藤~

森アナ

この番組はテレビ朝日系列の大阪局、ABC朝日放送が制作したドキュメンタリーです。妊婦の血液からダウン症など胎児の染色体異常を調べる新型の出生前診断は2013年4月から導入されました。

これまではリスクの高い羊水検査をしなければ分からなかった胎児の染色体異常を血液検査で簡易判定が出来ることになりました。ですが、陽性陰性を判定する精度の問題もあり、また先天性異常のすべてを調べられるわけではありません。そして、お腹の赤ちゃんは先天的な病気を持っていますという確定診断を知ることで、夫婦は子どもを産む、産まないという“いのちの選択”に直面することになります。

「知る重み」は、出生前診断で「陽性」と判定された二組の夫婦の心の葛藤を真正面からとらえたドキュメンタリーで、昨年度のテレビ朝日系列24局の放送番組審議会が推す番組賞であるプログレス賞の最優秀賞を受賞しています。

遠藤アナ

それでは、放送番組審議会の委員の方々の意見を紹介します。

森アナ

始めに、評価点からです。

◇生まれてくる我が子に障がいがあることを、あらかじめ知ることの重みを視聴者に伝えたい、そして一緒に考えて欲しい。番組の狙いは、間違いなく成功しており、非常に訴えるパワーのある優れた作品だ。

◇命にかかわる重たくデリケートな問題を取り上げる場合、プライバシーへの配慮など、報道することが難しい。この番組では、実名で当事者へのインタビュー取材ができていることに感心した。産むことを選ぶ、産まないことを選択する両方の意見や考え方を伝えていた。

◇我が子の命の選択という極限の判断を強いられる二組の夫婦に肉迫していて、取材したディレクターに敬意を表したい。説明的な部分をできるだけ省いて、それぞれの夫婦をクローズアップすることで、リズムと緊張感が生まれていた。

◇多くのご両親の率直な気持ちや決断の理由。戸惑いを隠せなく苦しんで選択、決断する方々の気持ちが丁寧に描かれていた。中絶後に苦しむ方々の視点から見ても、この番組には共感を覚えた。また80%の方が中絶を選んでいる事実もきちんと伝えていた。

◇出生前診断そのものに対しては、倫理的、宗教的な問題点を指摘する批判的な声もある。出生前診断を一つの選択肢として、さらに、どのように妊婦や子どもへのケアを整備していけばよいのかを考えてなくてはならないと強く感じた。

◇知ることの意味が問われている、そして夫婦で決めたことを尊重して、それをサポートするのが私たちの役割なのだと思った。不安と闘う世の中で、いかにさまざまな人のサポートが必要かも問う優れた番組だった。

◇クリニックの医師が出生前診断を受ける夫妻に対して、冷静に、また温かく接する様子が印象に残った。「産むにせよ中絶するにせよ、夫婦2人がとことん話し合って決めることで、その是非は第三者には評価できない」という言葉が記憶に残った。

遠藤アナ

一方、疑問点・改善点として
●医学や医療の進歩に、当事者への心のケアや社会的なサポートが追いついていな現状について、出生前診断の専門医へさらに突っ込んだインタビューをしてもらいたかった。

●胎児がダウン症の可能性が高いと告知を受けた夫婦と、確定的な診断を受けた夫婦では、決定的な違いがあると思う。番組では、前者の夫婦へ、出生前診断を受けてよかったですかと問い、よかったという言葉を引き出している。ここはややミスリードで、番組として出生診断全体に肯定的な評価を与えているような印象を感じた。

●極めて優れた本格的な社会ドキュメンタリーにもかかわらず、制作局の朝日放送もHTBも深夜の編成だった。作り手が本当に世に問いたい内容であるならば、もっと多くの視聴者が見ることのできる時間帯に放送することはできないものなのだろうか。
また、今後の要望として、

森アナ

障がい者の側から考えた出生前診断の問題点、胎児の障がいを理由に中絶してもよいとする胎児条項をめぐる論議、採血だけで検査が行えるようになった新方式をめぐる状況など、「いのち」を巡る深くて重要なテーマを、これからも息長く取り上げ、追跡取材して欲しい。

というご意見を頂きました。委員の皆さんから頂いたご意見は、今後の番組作りの参考にさせて頂きます。ありがとうございました。

遠藤アナ

次に、7月23日の第476回放送番組審議会で審議いたしました、テーマ審議「地域のためにテレビができること~信頼される局になるために~」についてです。

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テーマ審議会「地域のためにテレビができること~信頼される局になるために~」

森アナ

テーマ審議はテレビ朝日系列24社の放送番組審議会が、統一のテーマについて審議し、10月23日に各局の放送番組審議会の委員長が集まる、テレビ朝日での代表者会議の場で、さらに議論を深め共有するものです。テーマ審議は、東京キー局の中でも、テレビ朝日系列だけの独自の取り組みです。

遠藤アナ

改めてHTBの放送番組審議会の委員の方々を紹介します。

平本健太委員長、作間豪昭副委員長、閔鎭京委員、渡辺淳也委員、福津京子委員、高橋留智亜委員、森田良平委員、古郡宏章委員、遠藤香織委員、喜多洋子委員、の合せて10名です。

欠席された渡辺委員以外の9名の委員の方々意見をまとめましたので、お聞きください。

喜多洋子委員(地域コーディネーター かどまーる代表)
◇HTBはドラマも作っているし、生産者も応援している。なんとか地域と結びつきたいという気持ちが表れていてよいと思う。私が考える「地域に貢献するテレビ」というのは、生活の隣に、生活と密着したテレビがあったら良いと思う。

古郡宏章委員(北海道電力 取締役常務執行役員)
◇HTBは北海道から、あるいは世界に発信しているのだと思う。今回、事前に頂いたDVDの方でも、中国の方に外国人の方向けに道内を紹介する番組を作っている話しもあった。北海道の地元のテレビ局が、こういう番組を作って世界に発信している。これは北海道道民としても誇りに思う。
     
遠藤香織委員(北海道大学病院 整形外科医師)
◇地域現場で行う活動に関してです。アナウンサーが行っていた被災者への支援活動は、迅速かつ重要な活動と感じた。報道を伝えるだけではなく、一テレビ局のスタッフが報道を伝えた中で感じとり、行動に移す姿は、視聴者にとっても心を打ち、多くの人達に影響を与えると思う。一歩進んだ解決策への活動で示せるというテレビには、共感を覚え、信頼が高まると思う。

森田良平委員(朝日新聞北海道支社報道センター長) 
◇「今、そこにある詐欺」という番組は、まさに本業とリンクした出色のCSR活動になっていると思う。「ユメミル、チカラ応援レポート」を手にする機会があったが、分かり易い言葉ときれいな写真がふんだんに使われていて、とても素晴らしいCSR報告書になっていたと思う。

福津京子委員(札幌人図鑑 主宰) 
◇例えば、「イチオシ!」の中で、一般の視聴者が発信できるレギュラーコーナーを持っていくということを。草の根的に繰り返していくと、もっと若い世代が、テレビこそが世代を超えて、各世代で情報を共有できる一番のメディアであることに気が付いてもらう、そういうきっかけになるではないかと思う。

高橋留智亜委員(日本ディスカバリー常務取締役)
◇テレビ局が地域を支援して、その地域の子どもたちが、自分で取材したテーマを見つけて、取材していくことを支援してもらえたら、地域に根差した活動ではないか。私たちも、子どもたちが何を求めているのかが分かるし、私たちが逆に未来の北海道や札幌、そして子供たちに何をしてあげたらいいのかということも見えてくるのではないかという夢を見たい。

閔鎭京委員(北海道教育大学岩見沢校 准教授) 
◇今の社会のニーズをくみとって番組を作る。または、社会的課題を解決するなど、目に見える取り組みも大事だが、公が担えない部分を補ってくれることも地域のためであり、そういうことこそ、信頼を築いていくと思う。

作間豪昭副委員長(弁護士)
◇社屋の玄関にこれだけ多くの人たちが来るというテレビ局もHTB以外ではそんなにはないのだろうと思う。その意味で、HTBはすでに開かれた放送局だと言えるのかも知れない。新社屋移転にあたっては、より視聴者が集えるような場所、その存在によって、番組の作り手が番組を見てくれている人たちを確認できるような場所が設けられれば良いと思う。そのことが、視聴者のための番組作りに活かされて、最終的には局の信頼を高めることになるのではないかと思う。

平本健太委員長(北海道大学大学院 教授)
◇地域のためにテレビができることは、地域の資源を顕在化することではないかと思う。地域の価値を高めていくことではないかと私は思追う。その際、札幌は味噌ラーメンだとか、小樽だったら寿司だというようなステレオタイプなものではない、独自の切り口で地域の資源を発掘してくことが求められるのだと思う。これまで、放送番組審議会の審議対象になったHTBの番組の多くは、こうした可能性を切り拓く挑戦的な試みなのではないか。

遠藤アナ

こうした意見に対して、HTBは「HTBは夢見る力を応援する広場です」とのHTB信条を掲げ、地域とともに歩む地域メディアであると考えている。テレビもまた地域社会の一員としてその未来に貢献しなければ生活者の信頼は得られない。2018年には札幌市中央区の新社屋に移転するが、さらに人々のコミュニティとつながる「ひろば作り」を目指し、北海道という地域の価値を高め、複雑化する生活者のニーズに応えられる、地域で一番に必要とされるメディアでありたい、と述べ、さらに議論を深めました。

森アナ

このテーマ審議で頂いた意見は、10月23日にテレビ朝日で開かれる、代表者会議で平本健太委員長が報告し、系列全体で議論を深めることにしています。

遠藤アナ

「あなたとHTB」、次回の放送は、9月24日に審議予定の、HTBノンフィクション「“狂走”の果てに 砂川5人死傷 飲酒運転の悲劇」について、放送番組審議会委員の皆さんの意見を紹介いたします。「あなたとHTB」、次回の放送は10月25日(日)午前5時5分からです。


「あなたとHTB」の次回の放送は、10月25日(日)午前5時5分から放送します。

過去の放送より