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あなたとHTB
このページは平成29年8月27日放送分から引用しています。
森・柳田両アナ
佐藤良諭アナ
今回は、今年6月と7月に開催されました
第495回、第496回の放送番組審議会で審議されました
「“眠れる食資源”を掘り起こせ!
~道北の小さな町・天塩町の快進撃~」と
テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議の
全国統一テーマ「テレビはなぜつまらなくなったのか
~メディアとしての存在価値を問い直す~」について
お伝えします。
森さやかアナ
おはようございます。
「あなたとHTB」の時間です。
「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りと放送のあり方を目指す番組です。
柳田知秀アナ
今回は、今年6月と7月に開催されました
第495回、第496回の放送番組審議会で審議されました
「“眠れる食資源”を掘り起こせ!
~道北の小さな町・天塩町の快進撃~」と
テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議の
全国統一テーマ「テレビはなぜつまらなくなったのか
~メディアとしての存在価値を問い直す~」について
お伝えします。
「“眠れる食資源”を掘り起こせ!
~道北の小さな町・天塩町の快進撃~」
柳田アナ
北海道出身で、中央官僚として働き、天塩町副町長として
北海道に戻ってきた人物が、海外や東京で自らが体験した
"価値ある食"の目線で、天塩町の新たな食資源を発掘し、
将来の"町の財産"に変えていく様子に密着しました。
森アナ
この番組に対して、番組審議会委員から頂いた
ご意見の中から、まずは評価点をご紹介します。
《評価点》
●「眠れる食資源」というタイトルで
天塩町に何があるのか興味を抱かせるのはとても良い
●過疎化 高齢化が進む天塩町に 人脈と行動力を持った
若くて異色の齊藤副町長がやって来たことで
かつてない動きが始まっていくさまを
限られた尺の中でテンポよく描いている佳作
●厳しい問題を抱える北海道の過疎地域であっても
まだ東京に認めてもらえる余地があるんだという
北海道民としての安堵感を伴っていた
●天塩町の良いところを発信するために
外を知る人材が 北海道にはまだまだ必要である
という私の持論を番組がわかり易く示している
●地域興しのあり方や地方創生のあるべき姿
北海道だけの枠にとどまらない人材の協力と
バックアップがあるだけで
大分違った形に着地点があるのだと感じた
柳田アナ
●実は北海道の過疎地の活性化や地方創生は
もはやその地域の知恵や力だけではできない
自力で未来を切り開けないくらい地方は疲弊している
という現実を突きつけているようにも思う
●テーマ的にありきたりだと思いましたが
実際に見ると今までに無い展開があって
非常に面白かった
●冒頭の「崖っぷちの町」という言葉が心に刺さり
次いで逆転のストーリーを予感するナレーション
期待が膨らみ 原稿もナレーションも
ドラマチックで引き込まれた
●道内各地の自治体が羨むような内容だった
サクセスストーリーが実に順序良くわかりやすく
東京の洒落た小生意気そうなセレブ達を
唸らせている表情や
イタリアンレストランのシェフのコメントなど
説得力のある構成
森アナ
●日本の政策上で何を目的とし
誰が奮闘しているかを具体的に見つつ
地域住民にも中央にもスポットがあたる点が
とても面白く感じた
●「この町では 本当においしいものは
売っていない」など共感できる言葉
視聴後も考えさせられる言葉が
いくつも引き出されていて非常によくできている
●ナレーションに岸谷五朗さんを起用したことは
そのこと自体で 潜在的に「東京の一流芸能人に
天塩町や北海道の良さを認めてもらった」というような
道民の自尊心を満たすかのような効果があった
●最も興味を引かれたのは「鮭の山漬け」だった
初めて知った食材で「漁師しか食べていなかった」と
紹介されており「なるほど道理で」と思った
柳田アナ
ここまでは、審議対象番組に対する委員のご意見のうち
評価点をお伝えしました。
このあとは、番組に対して頂いた要望点、改善点と
提言をご紹介します。
《要望点・改善点》
◆「地方は良い素材=原石を供給してくれれば それでいい
あとは中央にいる一流のわれわれが
一流の技で磨き上げ原石に高い付加価値を付けてやる」
というある種の「見下し感」が垣間見える
◆みなさん華やかですが
「一流」という言葉では見上げすぎ
北海道の小さな町が食で立ち上がるのに ふさわしい
成果を上げる人材であることが伝わることで必要十分
◆食材を提供するにあたって
生産は追いついているのかなという疑問と
地域の人たちは 今回のことを
どのように思っているのか知りたい
森アナ
◆副町長自ら 東京のジンギスカン店に出かけて
試食をしている時に 誰も同行していなかった
副町長が生産者と話している時
天塩町の職員の誰も同行していないように見えた
この副町長が この町の行政に人材を残してゆこうと
しているところをこの番組が描かなければ
「快進撃は終わらない」というコメントにつながらない
◆単にバラ色だけではないということの指摘をすることも
またマスコミの役割として極めて重要だ
◆これが誰にでもできる形なのかという点は難しく
「北海道の各地で同様に産業が生み出され
地方創生を目指す」という言葉は 若干空虚に感じた
柳田アナ
◆北海道の人であれば「サフォーク」が
ヒツジの品種であるという説明は必要がないが
北海道以外の人たちでこの言葉を耳にして
すぐにわかる人はどれくらいいるのか
もう一言簡単な説明を加えた方が良かった
◆「オロロンラインを北上した場所」と説明しながら
略図にオロロンラインは示されない
東京の人にも札幌の人にも少々ピンとこない
◆日本全国の地方に眠っている素晴らしい食資源を
次々に開拓していくと
結果的にはそれら美味しいものが
どんどん東京に集まってしまい
地方に住んでいる人間が口にしたくても食べられない
ということにもなりかねない これでは本末転倒
◆真の地方創生とは 地方が食材をはじめとする
資源の単なる供給基地になることでは決して無いはず
こうした視点が加味されていると番組の奥行きが
一層増したのではないか
《提言》
☆制度の効果は一時的なものか
将来の小さな町の経済発展に本当につながるか
他の番組でも追跡していただければ 面白い
☆「快進撃」を終わらせないためにも 番組作りにおいて
更に問題の根本を掘り下げて頑張ってほしい
森アナ
つづきまして 今年10月に開催されます
テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議の統一テーマ
「テレビはなぜつまらなくなったのか
~メディアとしての存在価値を問い直す~」について
委員のご意見を紹介します
「テレビはなぜつまらなくなったのか
~メディアとしての存在価値を問い直す~」
森アナ
<テレビは何故つまらなくなったのか>
◆テレビをつまらないとは思ってはいなかったが
あらためてこうしたテーマを考えると
確かに 画面に釘付けは減ったかなとも感じた
簡単に考えれば 「楽しくないから」になってしまうが
理由を問われると迷路に入り込んでしまうよう気がする
◆「何故つまらないか」の原因は 主観的に言えば
「平凡だから」の結論に至った
テレビを見る時間もあまりないが
敢えて見たいとも思えない
●昔からテレビというものはこういうものだと
思っていたので つまらなくなったとは思わない
テレビは 今も昔も時代のセンサーなのでは
ないかと感じる
◆「テレビがつまらなくなった」というよりは
むしろ視聴者が 娯楽の提供元としてのテレビに
縛られなくなったのではないか
●「面白いもの」と「そうでないもの」が混在する
「自分なりの面白さ」「オタクな面白さ」が
昔より市民権を得て テレビには そこが足りないという
意見が相対的に増えている
「面白い」時のテレビが人を動かす効果は
未だに群を抜いている
柳田アナ
◆ネット動画などが台頭した結果
視聴率低下 広告収入の減少 番組制作費の縮減
番組の質の低下および同質化が進み
さらなる視聴率の低下という
悪循環を生んでいるという論考がある
◆どこのテレビ局でも予算が少なくなって
徐々に番組それぞれの質は低下してきている
◆田中角栄が構想したビジネスモデルが
限界であるとすれば
「テレビがつまらなくなった原因」は構造的なもの
根本的に見直さない限り テレビは「面白くならない」
ということになる
◆地域のテレビがつまらないのは
テレビ人がその地域を面白がっていないからだ
森アナ
ここからは「テレビのメディアとしての存在価値」
について 委員のご意見を紹介します。
<テレビのメディアとしての存在価値>
●極論を言えば テレビは「面白くなく」てもよい
メディアとしての存在意義は 信頼に足る情報を
可及的速やかに社会に提供することに尽きる
●メディアとしてのテレビの価値は
「伝えなくてはならないことを正しく
魅力的な映像で伝える」という1点
●ネットが台頭した今だからこそ 情報の正確性や信頼性
制作者の誠意により テレビの存在価値を高める
●インターネットなど 個人が手軽に発信できる
メディアには 情報の信憑性に対する疑問が常につきまとう
テレビは 地域の企業や市民から託された
責任や義務を帯びている点がとても重要
柳田アナ
●経済格差にとらわれず 信頼に足る情報を
国民すべてが享受しうる ほぼ唯一のメディアだ
テレビは 健全な民主主義社会の維持発展の基盤
そのことの意味は 今後ますます増大する
◆子育てを応援する温かい空気を育てるためにも
メディアの力が大切
報道は地域の人にとって 温かい気持ちやこころを
育むものであって欲しい
☆他の新たなメディアと役割が重なる部分を曖昧にせず
テレビならではの役割に力を注ぐことが
テレビが時代に果たす役割を明確にする
森アナ
「あなたとHTB」次回の放送は
9月に開催される
第497回放送番組審議会における
委員の皆さんのご意見を紹介いたします
次回は10月放送です。