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あなたとHTB
このページは令和2年6月28日放送分から引用しています。
森・佐藤両アナウンサー
佐藤良諭アナウンサー
おはようございます。
6月の「あなたとHTB」の時間です。
「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りや放送のあり方を目指すための番組です。
森さやかアナウンサー
今年4月と5月の第523回、第524回放送番組審議会は、
新型コロナウイルス対策として、書面開催となりました。
この会で審議されました、テレメンタリー2020「おっぱい2つとってみた」と医TVスペシャル「正しく理解しよう 新型コロナ」についてお伝えします。
佐藤アナウンサー
「おっぱい2つとってみた」は、HTBで、乳がん検診の啓発活動やピンクリボン運動を応援する先頭に立ってきたニュースデスクが乳がんを患い、自らディレクターとして、身に起こることをカメラに収めました。患者会などに参加しながら、乳がんと生きる患者さんの声をつむぎ、取材者本人が患者として、乳がんと向き合ったドキュメンタリーです。
森アナウンサー
この番組に対して 番組審議会・委員から頂いた
ご意見の中からまずは評価点をご紹介します
≪評価点≫
●番組の制作者が乳がん患者の主人公でもあることや
私自身が乳がん患者ということもあり
オンエア前から今回の番組には期待していたが
その期待を越える内容だった
●患者の持つ不安な心情や社会的な問題を
きめ細かく表現することに成功している
しかも生きる希望を持たせてくれる
とても優れたドキュメンタリーだ
●取材者が覚悟をもって自らをさらけ出せば
見る人に強いインパクトを与えることが
出来ると再認識できた
●「おっぱい2つとってみた」という
何気ない軽い口調の番組タイトルも良かった
多くの視聴者に関心を持って見てもらうためには
できるだけ視聴のハードルを下げる点からは効果的だった
佐藤アナウンサー
●医師から告げられる沢山の辛い事
術後の麻酔が切れるまで切れてからの痛みとの戦い
そんな時そんな様子を見せる事を決断した
阿久津さんは本当に凄い
●当事者になってみなければ分からない
複雑な思いや感情が直に伝わってきて
まさに渾身のドキュメンタリーだ
●ナレーションもご本人がされていたこともあり
番組全体に阿久津さんの冷静さ強さ
伝えたい気持ちが表れていて
お涙ちょうだいではないドキュメンタリーに
なっていたのがとても良かった
●今まで受けてこなかった乳がん検診を
今年こそは受けようと思わせてくれた
この番組を見て私と同様に影響を受ける方が沢山いて
結果的に多くの人の救いとなるのだろうと思うと
テレビの持つ力は改めて大きいと実感した
森アナウンサー
ここまでは審議対象番組に対する評価点を
をお伝えしてきました。引き続き評価点をご紹介します。
●悲壮感はこちらに押し付けて来ない
クールに客観的に自分に起こったことを
記録しようという姿勢に救われて
乳がんという病気で一人の仕事を持つ女性や母親たちに
どんなことが起こるのかをきちんと伝えてくれた
●再建手術を断念しなければならなくなった時の
動揺した姿や手術直後に流した涙を隠せなかったシーンで
女性にとって乳房を切除することがいかに辛いか
その辛さがひしひしと伝わってきた
佐藤アナウンサー
●釧路の佐藤さんも家族のために
この先もずっと生きるために頑張っていた
ウィッグを取ってほぼスキンヘッドの頭を
カメラの前に晒したことにその覚悟が見えとても感動した
●佐藤さんと息子との「生きてる生きる来年も再来年も」
という会話は心に響いた
●視聴者には同じ病を経験した方や
治療の真っただ中という方
そしてその家族も多くいるはず
きっと阿久津さんや佐藤さんをはじめとする
登場人物に共感しながら
勇気と希望を感じられたのではないか
私自身もその1人です
森アナウンサー
ここまでは、番組に対する委員のご意見のうち評価点を
お伝えしました。ここからは、要望点、改善点、提言を紹介します。
≪要望点 改善点≫
▲もう少し乳がんという病気への対処に関する
情報提供があっても良かった
いくら医療技術が発展しても早期発見の重要性は変わらず
その最も効果的な手段の一つが乳がん検診であることから
番組でも早期発見に向けた働き掛けがあっても良かった
▲切除手術と同時に行われる乳房再建手術や
保険適用になるシリコンパックなど
近年の乳がん治療が飛躍的に進歩している
という情報を伝えられれば
この病気に対する視聴者の不安が
少し軽減できるように思う
佐藤アナウンサー
≪提言≫
☆これからも続編を見守りたい
いつか続編のタイトルが
「乳がんサバイバー」となりますようにと願う
☆新型コロナウイルスも罹患者やその家族や職場
果てはその地域の人に対して少なからず偏見がある
「病気になることが許されない社会」ではない
成熟した社会になることが望まれる
森アナウンサー
ここからは医TVスペシャル「正しく理解しよう 新型コロナ」に対する委員のご意見を紹介します。
佐藤アナウンサー
番組は、感染拡大が止まらない新型コロナウイルスについて、特徴と性質を知り、北海道での感染状況を理解することで、
安心を増やし、拡大をくい止めようと制作されました。
森さやか、福永裕梨、2人のアナウンサーが進行役を務め、
専門家から、医療機関への受診の仕方の課題や地域医療に
対する影響、さらに日常生活上の注意点などを詳しく伝える特別番組です。
森アナウンサー
この番組に対して 番組審議会・委員から頂いた
ご意見の中からまずは評価点をご紹介します
《評価点》
●危機感を煽る報道や不確定な情報が
溢れる中
落ち着いたトーンで二人の女性アナウンサーが
一つ一つ丁寧に話してくれる番組で
好意的に視聴することが出来た
●世の中で最大の関心事について
正面から受け止めようという趣旨で
「いま分かる範囲で知ってもらい一緒に
戦っていくための番組」という狙いは十分に理解できた
●一般の人たちはもちろんのこと
専門家と言われる人たちの中にもかなりの混乱が見られる
その中でウィルスや病気と対処法などについて
一般にも理解しやすく解説したこの番組は大変価値が高い
●オープニングが外を見渡せる景色の良い場所
しかも天気にも恵まれた中で撮影することによって
先が見えない中でもそう感じすぎないような印象に
できた この点は非常に重要だった
●解説に当たった3名の専門家の説明も
特に“一般視聴者”を意識した分かりやすいもので
ゆっくりとした口調と平易な表現で
信頼感や安心感が伝わってきて 良い人選だった
佐藤アナウンサー
●わかりやすさの最大のポイントは
図と具体的な数値による説明だったと思う
現時点での状況が過不足なく示され
具体的な数値のおかげで内容がすんなりと頭に入ってきた
●森さやかアナウンサーが最初に「今わかる範囲で」と
言ったのも印象的で誠実さを感じた
●専門家の後に2人のアナウンサーによって
情報を噛み砕いてまとめられた話も理解にとても役立つ
視聴者から寄せられた疑問に答えるという形も
すごく良かった
●家庭内感染についての専門家の公式見解に対して
森アナウンサーの
「家が狭いと家庭内での感染拡大を防ぐのは難しい」という
生活者としての率直な目線での発言も共感できた
●テレビには情報を整えてくれて
わかりやすく提示してくれることがとても重要だ
その点でこの番組は
テレビが果たすべき役割を上手に果たした
森アナウンサー
ここまでは、番組に対する委員のご意見のうち評価点を
お伝えしました。ここからは、要望点、改善点を紹介します。
《要望点 改善点》
▲番組が放送された4月18日という日付を
振り返ると第2波による感染拡大傾向のまっただ中で
第1波の時とは違った課題や疑問にスポットをあてて
やりとりにした方が視聴者に伝わったのではないか
▲実際には診察を断られたり
保健所でけんもほろろに扱われることが頻繁にある
そういう現実に医師会としてどう取り組むか
ほんのわずかでも良いので触れて
一般の不安を払拭して欲しかった
▲北海道の放送局が製作した番組ならではの情報が
もう少しあれば良かった
北海道の医療機関やベッド数に関する説明のように
北海道特有の情報を増やすと
道民にとって新型コロナウイルス対策がより身近な問題に
感じられるのではないか
佐藤アナウンサー
ここまでは、番組に対する委員のご意見のうち要望点、改善点をお伝えしました。最後に提言を紹介します。
《提言》
☆新型コロナウイルス報道全般に関しては
この期に及んでも報道番組枠の中でワイドショーもどきの
話題提供に相当時間を費やしている番組が散見されることは大変残念だ
報道番組が本来果たすべき役割から逆行して
むしろ騒動を煽る興味本位の報道になっているように感じた
☆“Stay at home”により自宅で
テレビを見る時間が増えた人が多いと予想される
テレビが担う社会的役割は大きい今後も正確で
タイムリーな情報の発信を期待する
森アナウンサー
☆視聴者の方々からまた質問を募集して
新型コロナウィルスに関する続編の
スペシャルが制作されることを期待します
☆自粛と除菌の毎日でもう疲れ果て
不安と寂しさとの戦いに疲れ果てている人もいる
番組の中にそのようなリアルな人からのメッセージや
対処法などの情報があると少し安心できる
☆社会は悩みながら出口を無理やり構築し始めている
そんな私たちに生きるための一つの方向性を示し
力を与えてくれる番組をテレビには期待する
佐藤アナウンサー
「あなたとHTB」次回の放送は
6月と7月に開催される
第525回と第526回放送番組審議会における
委員の皆さんのご意見を紹介いたします
8月23日(日)午前5時35分から放送です。