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あなたとHTB


このページは令和2年8月23日放送分から引用しています。

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森・佐藤両アナウンサー

佐藤良諭アナウンサー

おはようございます
「あなたとHTB」の時間です。
「あなたとHTB」は視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りと放送のあり方を目指す番組です。

森さやかアナウンサー

今回は今年6月と7月に開催されました。
第525回第526回の放送番組審議会で審議されました HTBノンフィクション「折茂 49歳の決断-秘めた苦悩-」と
テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議の
全国統一テーマについて委員のご意見をお伝えします。

最初に、「折茂 49歳の決断-秘めた苦悩-」についてです。

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HTBノンフィクション「折茂 49歳の決断-秘めた苦悩-」

佐藤アナウンサー

「折茂 49歳の決断-秘めた苦悩-」は、
今年5月に放送されたドキュメンタリーです。
プロ27年目の集大成として臨んだラストシーズンの直前、
レバンガ北海道の折茂武彦さんが引退を決めました。
現役最年長『バスケ界のレジェンド』の決断の裏側にある、
「病気」や「球団経営の苦悩」に揺れる真の姿を追いかけました。

森アナウンサー

この番組に対して番組審議会委員から頂いた
ご意見の中からまずは評価点を紹介します

≪評価点≫

●今まであまり知られていなかった
引退の背景や引退決断に向かう葛藤など
素の折茂さんの姿が脚色なしで表現されており
スーパースターというよりも
一人の人間の人生模様として共感できる番組だった

●饒舌ではないけれど 自分の中から出てくる言葉を
絞り出して相手に伝える折茂さんに 心を打たれた
この点については ナレーションなどで
無駄に彼の気持ちの解釈をしない姿勢が良かった

●とても心打たれる番組で
中盤からは特に胸がいっぱいになりながら見た
折茂さんの真摯な思いや人間性が感じられて
非常に尊敬の念がわいた

●40代後半の折茂さんが
病床のお母さんに抱きしめてほしいといったシーンは
短いナレーションと1枚の写真だけで
折茂さんの人生を物語ることができていた

佐藤アナウンサー

●病気を明かさずに辞めたいということは ご本人の美学
気を遣われることは その美学に最も反することだと思う
長くコートの中で生きてきた方にとっては
戦力のみが己の頼るところだと改めて感じさせられた

●「役目は終わった」と感じた折茂さんは
一方で「まだ出来る」という気持ちもあったのでしょう
かなり葛藤苦悩していた様子が
とても上手く描かれていた

●折茂さんの発する言葉一つ一つの
強さと重さがとても心に残り
「一度荷物を降ろしてしまったら
もう重すぎて持ち上がらなかった」という発言を聴いて
見ている人は納得して
長い間お疲れ様でしたと言うしかないだろう

森アナウンサー

ここまでは委員のご意見のうち
評価点を紹介しました。
このあとは、要望点、改善点と提言を紹介します

《要望点 改善点》

▲サブタイトルにある「秘めた苦悩」は
重さばかりが目立つタイトルだった
もう少し前向きなサブタイトルのほうが良かった
苦悩で終わらない その後のレバンガを
紹介してゆくことも必要だ

▲ウェブ会議システムでの誕生日は 新型コロナの
直接会えない現実を表現していて 今風なのだが
残念ながら映像も音声も不明瞭なので
冒頭はやめて最後だけでも良かった

▲様々な思いが複合的に関係して 最終的に引退という
決断に至ったのではないかと推測されるが
視聴者が持つ“なぜ今なのか”という疑問に答えるには
揺れ動く心模様をインタビュー等を通じて
解き明かしていくような踏み込みがほしかった

▲「バスケット界が変化してきた 役目を終えた感じ」と
コメントされている
バスケット界の変化の具体的な話をひとつ入れたら
コメントがより深みを増したと思う

▲30分番組という制約があるので仕方ないが
決断までの苦悩をもう少し見せてほしかった
選手としての自分と経営者としての自分の立場の間で
気持ちが揺れ動いたのではと想像しましたが
その決断のプロセスをもっと知りたかった

佐藤アナウンサー

▲人物には必ず陰影があって そこを描くことで
人物が立体的に見えてくるのではないか
人のいい面だけ見せられると薄っぺらに感じてしまう
折茂さんという人の心の中にある複雑な具体に迫れず
表面的な美談としてまとめられた印象だ

▲番組終了間近で「後悔」という言葉に
着地を求めるのは少し乱暴かもしれない
そのひとことで
前出の映像が記憶から流れていってしまう
個人の内面に落とし込んでしまうことで
番組が折茂さんに対して積み上げていたはずの
「尊敬」が薄れてしまう

《提言》

☆来期からは経営者に専念する折茂さん
おそらく北海道に骨を埋める決意なのだろう
これからもレバンガだけでなく
折茂さん個人も追いかけていってほしい

☆北海道のスポーツ文化の振興に貢献する上でも
有意義な企画であり
今後も様々な切り口での
ドキュメンタリー番組の制作に期待したい

森アナウンサー

つづいて 今年10月に開催されます。
テレビ朝日系列24社放送番組審議会委員代表者会議の
統一テーマ「新型コロナウイルス報道とテレビの役割」について
委員のご意見を紹介します。
まずは、
・正確な報道が迅速になされているか
・国民生活に真に役立つ情報が伝えられているか
についてのご意見です。

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新型コロナウイルス報道とテレビの役割

森アナウンサー

≪正確な報道が迅速になされているか≫

■分母のわからない感染者数が毎日発表されることに
気も滅入り 少々疑いを持ち始めてもいる
数字だけが危険と不安の目安になってゆくことについて
制作や報道側はどう考えているか

■感染者数を見ても多いのか少ないのか
事態が良くなっているのか いないのかわからないことが多く
ただ単にその数字を見て増えたか減ったかだけを
見るだけというのは心もとない

■自然災害や事件事故と違い ウイルスは目に見えない
基本的には国や道庁 市町村役場の発表に基づいて
報道するしかなく
その情報が正しいのかどうかを検証する手立てもない
真相に迫ろうと不用意に動くと
取材している記者自身にも感染のリスクが生じる
感染が拡大する局面では 報じる側としては前例のない
非常に難しい状況になったはずだ
公表されたデータを
出来るだけ淡々と伝えていくしかないのだと思う

佐藤アナウンサー

■テレビから発信される情報は
発信源や真偽が不明なSNS等の情報とは異なり
キャスターや解説者 専門家などが
直接顔が見える形で発信されるものであり
情報の信頼度は極めて高く 改めて 緊急時の
情報ツールとしての重要性を認識させられた

■テレビ局が選ぶコメンテーターは
比較的固定されているように思うが
賛否両論ある問題については コメンテーターとは
異なる見解もVTRなどで流してほしい
そして 賛否を明確に示した上で
情報を伝えたり 意見を述べてもらいたい

≪国民生活に真に役立つ情報が伝えられているか≫

■スタジオで議論するコメンテーターが
見慣れた無難な芸能人タレントが並び
時間を埋め合わせているだけで
まさにお茶を濁しているだけに見えた

■夕方の「イチオシ!!」では
塚本容子先生 横田伸一先生を中心に
日々の感染者情報を客観的に分析し
視聴者が感染防止のための注意する点を繰り返し紹介していた
決まった人が同じ視点で見ることで継続性が生まれ
視聴者も安心感をもって見られた

森アナウンサー

ここからは、
・国民の不安やストレスを緩和することができているか、
・危機感を煽ったり差別を助長したりする放送はなされていないか、
などについて、委員のご意見を紹介します。

≪国民の不安やストレスを緩和することができているか≫

■コロナ関係の番組のあまりに重苦しい内容の
繰り返しに「もう勘弁して欲しい」と思った
「息抜き」「箸休め」は必要だ
重要な状況を伝えることとの
適度なバランスがとれた番組構成を考える必要がある
これからもストレスの多い長期戦 持久戦が
強いられる状況の中「緩さ」も重要だ

■世の中全体が緊急事態で苛立っている中
その苛立ちをさらに煽るようなワイドショー的な報道が
多々見られたのは非常に残念だった
興味本位の報道で騒動を煽るのではなく
安心感を与え少しでも冷静な行動を促すような
適切な取材対象 取材テーマを選定する必要がある

■思わぬ長期化で 政府の対応も後手後手で
混乱している印象のなか
もしも見込み違いであった政策 あるいは対応があったのなら
誰かが頭を下げられる状況とそれを支持する寛容な空気 風潮を
作っていただきたい
大なたをふるう人が 顔と名前を出して素直に謝れる
許せる 変えてゆく そういう空気を先導していただきたい

佐藤アナウンサー

≪危機感を煽ったり差別を助長したりする放送はなされていないか≫

■全国でも北海道でも気になったのがパチンコ店の扱いだ
客観的にパチンコ店がどのくらい危険なのか
冷静な分析もないまま
休業要請に応じないということだけで
一方的に「悪者」の代表格になってしまった感があった

■テレビが社会の寛容さを失わせる
空気を醸成してはいないか
誰が感染したと 大げさに取り上げ
あたかも何か落ち度があったかのように扱ってはいないか
日常の行動での感染だったのであれば
感染者を非難すべきではない

《その他》

■この国がいかに感染症に対する
予算を削り続けてきたか
そういう根本的なことをテレビも報じたり
検証したりする必要がある

■国家的な危機への政府や行政の施策が
適切なものであったかどうか
今後同様なことに効果的に対策を行えるように
検証しておく必要がある

■政府の無策を叩くことより
地べたで這いつくばって耐え続け 生き延びようと
必死に動いている市井の人たちの言葉や行動を
的確に報じることが必要だ

佐藤アナウンサー

今回頂いた委員のご意見は、
10月に開催されます
テレビ朝日系列24社の全国会議において、
審議されます。

森アナウンサー

「あなたとHTB」次回の放送は、10月に放送予定です
9月に開催される第527回放送番組審議会における
委員のご意見を紹介いたします。

過去の放送より