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あなたとHTB


このページは令和3年6月27日放送分から引用しています。

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森・佐藤両アナウンサー

佐藤良諭アナウンサー

おはようございます
「あなたとHTB」の時間です
「あなたとHTB」は 視聴者の皆様とともに
より良い番組作りと放送のあり方を目指す番組です

森さやかアナウンサー

今回の審議対象番組は 今年4月と5月に開催した
第533回と534回の番組審議会で審議されました
・「イチモニ!」と
・テレメンタリー2021「ポネオハウ~アイヌの私~」です

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イチモニ!

森アナウンサー

「イチモニ!」はHTBの朝の顔として、
毎週月曜日から土曜日に放送している看板情報番組です。
今年3月、放送開始から10年の節目を迎え
改めて「届けます!情報と元気」をキャッチフレーズに
発信を続けています。

佐藤アナウンサー

「イチモニ!」に対して 番組審議会委員から頂いた
ご意見の中から まずは評価点をご紹介します 

<評価点>
●番組全般の雰囲気も軽やかで
細かな枠取りで多くの情報が提供されていた
何かと慌ただしい朝のちょっとした空き時間に
最適の分量になっている

●同一時間帯の他局の番組との比較では
北海道のテレビ局が制作した番組が
「イチモニ!」だけということで 最大の強みだ

他局の番組を覗くことがあるが
東京の情報が中心なので 身近には感じられない

●特に7時台の番組は 身支度や家事等をしながら
ラジオのように聞く人の方が多いと思うので
何かをしながらニュースを知ることができる伝え方はありがたい

●ずっと画面を見ていることが困難な忙しい朝や
通勤通学の移動中に
携帯やカーナビ端末などで視聴されることを想定して
文字を大きく見やすくしていたり
文字や出演者の服装も元気が出るビタミンカラーが多用されており
元気をもらえると感じた

森アナウンサー

●エンタメコーナーは オクラホマ河野さんが出て来て
リモートでインタビューをし 深掘りを始めた
ここから俄然面白くなり
ただの情報に独特の味わいが加味されて興味が増した
やはり 自社制作という 手間をかけることの重要性を感じた

●他局では 全国の天気予報がメインで
その後に道内の天気予報を流してはいるが
時間をかけて詳しく説明するという点では 「イチモニ!」がダントツだ

●清水気象予報士の説明が必要かつ十分で
分かりやすく声も聞きやすい
天気や気温の映像もパッと見て分かりやすい
また お絵かきワンポイントのイラストも
色づかいや色鉛筆のタッチが優しく心がほっとする
CMに入る前に天気予報の寸劇があるが
作り込みすぎず自然体で 思わず顔がほころぶ

佐藤アナウンサー

ここまで 委員から頂いた意見のうち
評価点をお伝えしてきました
ここからは番組に対する要望点 改善点と提言をご紹介します

<要望点 改善点>
▲全国的な内容も含めて 自社制作で紹介していく方式は
視聴者に親近感をもって受け入れやすいと思われるが
一方で区分けが曖昧となり 独自で作っているコンテンツが
全国コンテンツの中に埋没してしまう恐れはないのだろうか

▲アナウンサーの皆さんがニュースを読む時 
突然読み口が変わるのにちょっと違和感を感じた
ニュース原稿を読む時に感情を殺し スピードも抑制した
読み方に急に変化するが あれは意図的なのか

▲地方局のアナウンサーは 「なんでも屋」なのだそうだ
ひとつの番組で ひとりのアナウンサーがコーナーにより
キャスターの顔とタレントの顔を交互に出してくる
しかし朝の情報番組は、
ひとつのコーナーでキャスター色とタレント色を
出してしまうと 視聴者が混乱する

森アナウンサー

▲「モニプレ」は 1店舗にかける時間が長かった
もう少しコンパクトにして2店舗くらい紹介が欲しい
札幌以外の地方の店の情報もあっても良い

▲オンちゃんクイズについて
あまり難しいクイズは出さないで欲しい
わからないとモヤモヤする
他局の番組ではないが 朝はスッキリして出かけたい

<提言>
☆「イチモニ!」には 一日を元気に過ごせるように
これからも我々にエールを送っていただきたい

☆常に視聴者の身近にある番組として
今後もちょっと気になる地域の話題を
明るく元気に伝えていってほしい

佐藤アナウンサー

さて ここからは5月に開催されました
第534回の番組審議会で審議されました
テレメンタリー2021「ポネオハウ~アイヌの私~」について
委員のご意見を紹介します

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テレメンタリー2021「ポネオハウ~アイヌの私~」

佐藤アナウンサー

番組の舞台は、北海道帯広市で女性店主がアイヌ料理を出す小さな屋台。
名物はアイヌの家庭料理「ポネオハウ」 豚骨が入ったスープです
「アイヌ であることは、なかったことにして生きようと思っていた」
という彼女が、なぜ店を始めたのか。
日常に息づくアイヌへの差別のなかで、
懸命に生きる人々を取材しました。

森アナウンサー

番組に対して 番組審議会委員から頂いた
ご意見の中から まずは評価点をご紹介します

<評価点>
●お店の準備風景から始まる
「ポネオハウ」という聞き慣れない名前の料理
「アイヌ」という言葉は 一切出てこない
開始から5分「言えなかった アイヌだということを」という
豊川さんの独白から本題が始まり ストーリーが流れ出す

少し長く引っ張り過ぎた感じもあるが
インパクトは強く 効果的な導入だった

●関係者の声やお客さんとのやりとりなど
豊川さんの心の動きに影響を与えた重要な要素が
効果的に盛り込まれ よく組み立てられた構成だった

●自分は差別などしていないと思って
生活している人の方が多いのだと思うが
本当の意味で 理解するということの意味を
「ポネオハウ」という料理を通じて考えさせられた

●豊川さんは 私と同世代で 育った環境が似ていて
「アイヌであることが嫌だった」
「アイヌって嫌がられる存在なんだ」という感覚も
「何でアイヌに生まれたんだろう」などと思うことも
年月と経験を経て 「アイヌであることを 好きなことを通して
表現していこう」と思ったことも共感できた

●「アイヌの血を意識しないで アイヌ料理の店もあることが
当たり前になってほしい」という言葉
これだけ多くの国や民族の料理が提供されている今の日本で
「アイヌ料理」というものが「当たり前ではない」ことは
何を意味しているのかを突きつけている

佐藤アナウンサー

●この番組は アイヌの被差別のみならず
イジメや最近のコロナ禍に関連する様々ないわれのない中傷などを
受けた人たちの心理的問題解決のヒントにもなる 貴重な番組だ

●「自分の出自を知らない友達がアイヌのことを
言っている時が一番怖かった」という豊川さん
「嫌だった」ではなく 「怖かった」という言葉が
強く印象に残った

●恐怖から逃れるのではなく
「アイヌ料理」と看板に掲げて
毎日大きな鍋で豚の骨を煮込むことを選んだ豊川さんの
静かで慎重なアピールには胸を打たれた

●終盤 幼馴染みの酒井さんが さらりと
「帯広ってけっこう差別が激しいんですよ」という
そこに 大変漠然とした言い方だが
番組の品があると思った

森アナウンサー

ここまで 委員から頂いたご意見のうち評価点を
お伝えしてきました
ここからは番組に対する要望点 改善点そして提言をご紹介します

<要望点 改善点>
▲番組の柱が「差別」なのか「女の生き方」なのか
「友情」なのか わからなくなってしまったのはもったいなかった

▲一番スッキリしないのは
豊川さんのアイヌとしての意識が
どのように変化したのかがわからなかったことだ
アイヌであることを知られたくないという気持ちが
何をきっかけに どのようなプロセスを経て
現在の気持ちに変化していったのかが伝わらないと
彼女のことを取り上げる意味がない

▲「自分のやりたいことをやる」という結論に至った
最大の動機が「乳がん」であったことが
ホントにそんなに単純なことなのかという気がして
制作側が割と強引にストーリーを組み立てて
それに当てはめているのではないかと思った

▲子どもたちとの関わり そして44歳で乳がんの手術へ
ここは 少し駆け足過ぎたような気がする
いろいろと盛り込みすぎて焦点がぼやけた
逆に ここに偏見に対する抵抗が入るのなら
流れとしてよく分かる

▲豊川さんが苦労してきた理由は
アイヌ民族であるという出自の問題と
結婚 離婚 子育て 病気など
家庭の問題の二つがあると思う
二つが相互にかかわっている部分とそうでない部分があるはずだが
そこの仕分けが不明確だ

佐藤アナウンサー

▲同級生の酒井さんたちと話しているシーンは
差別を受けた子どもの頃の話から一足飛びに
現在の豊川さんの頑張りを応援する仲間という構図になっていた
どんなふうに関係を修復していったのか
友人たちにも 豊川さんに対して
きれいごとでは済まされない心の葛藤があったはずだ

<提言>
☆アイヌ民族について取り上げ続けていくことは
北海道の放送局の責務だということを改めて意識して
様々な機会を通じて全国発信を続けてもらいたい

☆無知から来る芸人の差別的なひと言が話題となり
テレビ局が謝罪した
発言した若い芸人が無知だったということだけが問題ではなく
制作スタッフやテレビ局、多くの無知や無関心がもたらした
残念な放送だった
私たちはもっと知らなければならない

☆アイヌに対する差別や偏見について
道外ではまだまだ知られていない
多くの方々に見ていただき アイヌに対してだけでなく
差別や偏見について あらためて考えるきっかけになることを願う


「あなたとHTB」次回は
6月と7月に開催される 放送番組審議会における
委員のご意見を紹介いたします
8月29(日)に放送いたします
それでは…(2人礼)