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あなたとHTB
このページは令和5年2月26日放送分から引用しています。
佐藤アナウンサー
佐藤良諭アナウンサー
おはようございます。「あなたとHTB」の時間です。
「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに、
より良い番組作りと放送のあり方を目指す番組です。
きょうは1月の第550回放送番組審議会で審議された
イチオシ!について、委員の意見をご紹介します。
「イチオシ!!」はHTBが毎週月曜日から金曜日まで
放送している夕方の報道情報番組で、今回の審議会では、
去年12月14日に放送したニュースと天気、特集では、
ユニークな郵便物を集めた札幌の博物館を紹介しました。
この番組に対して、番組審議会の委員から出た意見から
評価された点を紹介します。
<評価点>
・ニュースで取り上げたテーマはいずれも視聴者の関心が高いものが
選択されており、内容は視聴者が知りたいと思うであろう
ポイントを押さえたうえで、とてもわかりやすく伝えていた。
・鉄板の安定感がある。これは依田英将アナウンサー、森さやか
アナウンサーのコンビネーションがもたらしているからだと
感じる。そして、コメンテーターの藤尾さんの仕事も的確・適切だった。
・ニュースとしての厚みも満足したし、なにより道内の話題に特化して
掘り下げられていることがありがたかった。
・番組冒頭の3本のニュース、まず深刻な問題を2つ取り上げた後に、
ボールパークの開業に向けた北広島駅の新ダイヤという明るい話題に移っていくことで、気分が上向く作りになっていた。
同じニュースでも、順番次第で視聴者の気分が違ってくることを、あらためて実感した。
・納骨堂の経営破綻のニュースでは、これまでの経緯、不動産会社が
宗教法人を引き継ぐことの課題、遺骨引き取り可能な期間や
その条件など、知りたいと思うポイントを明解に伝えていた。
・依田アナウンサーの説明がよく整理されていた。北広島の新球場のニュースでは、
説明に用いたJR時刻表や停車駅などの図についても
わかりやすく、随所に工夫がなされていた。
・西興部村の障がい者支援施設のニュースは、新たな「暴言」と道議会の
動きをうまく組み合わせて報じていた。
問題のあった職員が引き続き働いていること、
そうでないと人手不足で施設が回らない側面もあるという悩ましい状況まで伝えた点もよかった。
・天気コーナーは、多田萌加さんと神田昭一気象予報士の相性がよく、声も聞き取りやすい。
特に時間ごとの天気予報は、多くの情報をスムーズに伝えることができていた。
また暴風雪の備えについて、丁寧なイラスト付きの説明があり、視聴者にとても役立つと思った。
・天気コーナーでは視聴者が知りたいポイントを押さえ、
丁寧に説明がなされていた。
風の強さはわかりやすい図を用いて注意を促し、地域別の積雪量は
色分けして大きな文字で表示しており、高齢者や家事をしながら
見ている人にも一目でわかるようによく工夫されていた。
・道民の生命、生活のリスクに関わる天気を手厚く伝え、納得感が
高かった。留萌からの中継、交通網への影響、そして予報と
過不足ない印象だった。この冬最強の寒波到来ということで、
家の中、車で外出した際の暴風雪への備えを、イラストをまじえて伝えたのも丁寧だった。
・水曜日恒例の「イチバン!!」のコーナーで紹介された
「おもしろ遊便館」。館長の渡辺さんの歴史や活動、現在が詰まっていて、
個人を取り上げる特集とはこういうものだ、と改めて思った。
個人と、その周囲と、背景がバランスよくコーナーに収まっていた。
・オリンピック・パラリンピック招致のニュースで、WEB配信の
「北海道ニュース24weekend」を引用し、アーカイブ配信を
二次元コードで誘導しているのは、いい試みだった。
特に深掘りしたい記事、話題の解説がオンデマンドの動画で見られるのはうれしい。
テレビ放送とネット配信が相反するものではなく、
うまくリンクさせることで、両者が共存する方向性を提示できるのではないか。
佐藤良諭アナウンサー
ここまでは、評価点をお伝えしました。
ここからは、要望点・改善点・提言です。
<要望点・改善点>
・番組冒頭の依田アナウンサーと森アナウンサーの挨拶シーンで、
2人のお辞儀の仕方に違いがあるのが気になった。時間や角度は、
ある程度、そろえておく方が良いような気がした。
・納骨堂問題の伝え方だが、複雑な部分が早い段階で出てきて、わかりにくい印象を持った。
冒頭は経過説明を最小限にとどめ、この日の動きや遺族の反応をたっぷり伝え、背景・経緯はスタジオに移ってから、
まとめて詳しく説明する構成の方がわかりやすかったのではないか。
・新球場のニュースで、ナイトゲーム開催時のJRの新しいダイヤが
紹介されたが、いつから始まるのかわからなかった。まだ決まっていなければ、
そのことを伝えてもよかったのではないかと思う。
・オリンピック・パラリンピックの招致をめぐるニュースで、
「ボブスレー、リュージュ、スケルトンを長野の『スパイラル』で
やる」という話があり、その後に、「スパイラル」が長野オリンピックで使用された施設だという説明があった。
説明が後になったことで、
知らない視聴者にとってはわかりづらかった。
・ニュースが伝える数字の意味について、もやもやしたものが残ったまま次々に情報が浴びせられた感があった。
新球場のニュースでは、1万1500人が利用見込みで快速列車の車両6両を6本追加。
それで足りるのか足りないのか、その答えがなかった。
また、オリンピック・パラリンピックの開催経費については、
「170億円膨らむ」とあったが、全体予算が分からないので、
この数字が大きいのか小さいのかわからなかった。
・ナレーションとBGMのバランスがよくない。BGMの音量が大きくて、視聴の邪魔になった。
・安定感のある依田アナウンサーに、誰か突っ込むことのできる役割を
担える人がいないかなと感じた。依田アナウンサーの人間臭さのようなものを、どこかでにじませられないのだろうか
・報道という仕事は手間とコストがかかる。割に合わない面もあるかも
しれない。それでも、地元のニュースを丁寧に取材し、掘り下げ、
伝えていくことは、地域に根ざすテレビ局として、信頼を得るためには不可欠だ。
・「納骨堂の経営破綻」のニュースに関し。少子高齢化と都市部への
人口集中に伴い、視聴者の中には「墓じまい」や「終活」についての
関心が高まっていると思う。納骨堂ビジネスの現状は
どうなっているのか、他の宗教法人でも同様の事態があり得るのか、
今後、取り上げていただきたい。そして専門家による問題提起・提案についても紹介いただきたい。
佐藤良諭アナウンサー
あなたとHTB。次回の放送は、2月開催の第551回、3月開催の
第552回放送番組審議会における委員のご意見を紹介いたします。