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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員8名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は、2ヶ月に一度第4日曜午前5:40から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第577回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2025年9月23日(水)15:00~17:00

審議対象番組

テレメンタリー2025「100枚の“証言”知床事故3年 家族の闘い」

出席委員
作間豪昭委員長
桜木紫乃   副委員長
横田伸一委員
清水友陽委員
土田 拓委員
本田真里委員(レポート参加)
黒岩麻里委員
小澤 香委員
会社側出席者
代表取締役社長寺内達郎
取締役武山 忍
報道情報局長山本裕之
編成局長戸島龍太郎
番組担当プロデューサー広瀬久美子
番組担当ディレクター須藤真之介
番組審議会事務局長渡辺 学
番組審議会事務局吉田みどり

【審議対象番組についての委員意見要旨】

≪評価点≫

・この番組は、人々の記憶から薄れていく事故の記憶を呼び覚まし、再び胸に迫らせる力をもっていた。風化させないように伝え続ける姿勢は、メディアの責務を体現しているように思った。

・事故から2年余りも経ってから遺品のカメラが見つかり、さらに復元できる状態だったことに、こんな奇跡があるのかと率直に驚いた。この奇跡は人里から隔絶された場所を捜索する人がいなければ見つかることはなかっただろう。このボランティアの捜索を丁寧に伝えていたことが重要な番組の軸になっていた。

・事故の被害者の両親が箱からカメラを取り出す瞬間。その後、復元できた写真のプリントを業者に見せてもらうシーンが撮影できたのは、取材記者が家族と相当な信頼関係を築けているからだと思った。このドキュメンタリーを成り立たせている最も強いシーンだった。

・復元された写真は、遺族にとって、被害者の最後の姿を垣間見る証となったが、それだけにとどまらず、当時の船上の状況や周囲の風景などが写っていたことで、事故を検証するための重要な手がかりにもなり得るもので、今後の捜査や裁判の行方に影響を及ぼす可能性があることを示唆していた。こうした意味においても、今回の発見は真実に近づくための大切な一歩であった。

・ナレーションは番組にふさわしく、落ち着いたものだと感心した。そして、それゆえに心に重くのしかかってくるのかもしれないと感じる。

≪要望点・改善点≫

・「100枚の写真が今、語り始めます」というナレーションや、「100枚の“証言”」というタイトルから、写真から事故当日の海の様子や事故に至るまで、あらゆる角度から科学的に検証されるのかと想像したが、事故の原因究明に関する新たな情報は少なく感じた。

・運航会社の社長に鋭い言葉を浴びせかける場面は残念に感じた。責任を追及しようとする意図は理解できるが、むしろマスコミの醜悪な側面を連想させ、視聴者に不快感や違和感を与えたように思う。

・番組タイトルに「家族の闘い」とあるが、これは、家族が何と「闘っている」という意味だったのか、一見当たり障りのないタイトルのようだが、今ひとつ分からなかった。

≪提言≫

・HTBがこの事故を追い続ける姿勢は、単に過去を振り返るのではなく、現在進行形の問題として真実を社会に提示し、記憶を風化させないという点で大いに意義がある。これからも真実を追い続けてほしい。

・次回の放送番組審議会は2025年10月24日(水)開催予定です。

過去の審議会だより