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アナちゃん
はい藤村でございます。
先週、我々は東京に出向き、出演者の皆様と衣装合わせを行いました。
スタイリスト小松が用意した衣装を実際に俳優さんたちに着てもらい、イメージに合っているのか、サイズは合っているのかなどを事前にチェックするというものであります。
それはまぁ無事に終わり、今回お話しするのは、その帰りの出来事でございます。
東京からの最終便で我々が千歳に降り立ったのは、10時近くでありました。
ぐっと疲労感がありましたが、幸い私と小松は、カメラマンのタケシが乗ってきた自家用車で自宅まで送ってもらえることになっていました。
この3人は割と近所に住んでいるのであります。
「じゃぁすいません、我々はクルマですのでここで」
空港からJRで帰る四宮、嬉野、数浜のプロデューサー陣と別れ、我々3人は悠々駐車場へと向かったのであります。
「やー、これからまた電車に揺られるのはつらいよねぇー小松さん」
「まったくだねぇ」
「でも我々はクルマだから」
「ラクだもん」
「あーオレが払うよ」
「いいんですかぁ?」
「いいよ。送ってもらうんだもん」
太っ腹な私が事前精算機で駐車代を払い駐車場へ。
「さぁどうぞ」
タケシがドアを開けます。
そのとき、タケシの動きが一瞬、止まりました。
「どうした」
「いやいや・・・」
「早くこっちのドアも開けろよ」
「いやいや・・・」
「なんだよ」
「あの、バッテリーが・・・」
「なんだよ」
「上がってるかなぁ・・・」
「なんだよ!」
キーを回してエンジンをかけてみます。
ウンともスンとも言わない。
「おいおいおい!なにやってくれてんだよ!」
「ライト、点けっぱなしでしたねぇ」
「3日間もか!」
「ですねぇ」
「おいおい小松さん、どぉーですかコレ」
「なにしてくれちゃったのかねぇータケシくんはぁ」
嫌味を言う我々の横で急ぎ携帯を取り出し、修理を呼ぶタケシくん。
「ライト点けっぱなしだったんだってさぁー小松さぁん」
「いるんだねぇーそんな不注意な人がぁ」
「いるんですよぉーここにぃ」
「はい、えーそうです。A駐車場の・・・」
車の位置を細かく説明していたタケシが電話を終えます。
「30分ぐらいで来ますって。ちょっとね、話しでもして待ちますか」
「あぁー?なにをキミと話すってんだよ。ねぇー小松さぁん」
「なんもないわぁー。帰り何時になんのさぁ」
「12時近くになんじゃないのぉー」
「JRで帰ればよかったぁー」
「まったくだねぇー」
静まり返った空港の駐車場。
窓も開かないので、ドアを全開にし、四十路を過ぎた3人が所在無くタバコをふかす。
「ふぅー・・・コレ小松さん、冬だったら死んでるよ」
「死んでるねぇ。あと何分ぐらい?」
「もうすぐ来ると思いますけどね」
「あーヒマだ。ガム食べる?」
「おー小松さん食べる食べる」
「あ、2枚しかないわ。タケシいらないよね」
「えーもちろんお2人で」
「当たり前でしょ。はい藤やんどぉーぞ」
30分後、修理屋がやって来てバッテリーをつなぎ、なんとかエンジンがかかりました。
「やーお待たせしました」
「まったくだよ」
「何時さ?」
「もう10時半」
「JRだったらもう札幌着いてるよ」
プロデューサー陣が札幌に着くころ、我々はようやく料金所へ。
「あ、監督、駐車券は?」
「あぁー?」
「駐車券」
「なに?もうずいぶん前のことだったから、忘れちゃったよ」
嫌味をひとつ言い、ポケットを探ります。
「あれ?ねぇなー・・・」
ポケットの中には、先ほど小松からもらったガムの包み紙がクシャクシャになって押し込まれているだけ。財布の中にもない。
「駐車券おれが持ってたっけ?いや!おまえに渡しただろ」
「そうでしたっけ?」
「おまえに決まってるだろ。バッテリーを上げるような注意力散漫なやつなんだからさぁー」
あわててタケシも探し回りますが、見つからない。
「どーしましょうかねぇ・・・」
「ちょっとぉーどうすんのよ」
「あ、ごめん、あった。ガムの包み紙かと思ってた」
駐車券は私のポケットの中でクシャクシャになっておりました。
「あーあーこれ、機械通るかなぁー?」
「なにぃ?あまりにもヒマだったからクルんクルんに丸めてたんだよ。おめーのせいだ」
なんとか精算も終えて、ようやく走り出します。
「これヘタすると日付変わるぜ、小松さん」
「やれやれだねぇ・・・」
「コンビニでも寄りますかぁ?皆さん」
「そうだねぇ」
「ダメだよ!コンビニなんか寄ったらコイツ絶対エンジン止めるよ。まだバッテリー充電されてないんだからエンジン止めたらアウトだよ」
「そうかそうか。タケシ、ノンストップで走りな!」
「おー絶対止まるなよ。CDも消せ!なにのんきに音楽聴いてんだよ!電気節約しろ」
「なんならライトも消しちゃいなよ」
「そーだそーだ!」
そうして我々は高速をひた走り、札幌に着いたのは11時半を過ぎたころ。
まずは小松さんを送り届けます。
「ちょっとさぁ、ワタシこの荷物クルマに入れたいから駐車場に寄ってくれる?」
小松さんは自宅から少し離れたところに駐車場を借りています。
「はいはい」
小松さんの駐車場へと向かいます。
「あれあれぇー?」
最初にそれに気づいたのはタケシでした。
「なんか車内灯を点けっぱなしのクルマがありますよー」
向こうの奥に止まっているクルマの車内が明るくなっています。
「おー・・・おめぇみてぇなバカが他にもいるんだなぁ」
「あ・・・」
「どうした小松さん」
「あぃーッ!あぃーッ!」
「どうしたッ!小松さん!」
それは、小松のクルマでありました。
「あぃーッ!あぃーッ!」
奇妙な声を上げながら愛車に駆け寄るスタイリスト小松。
うぃーんうぃーん。
キーを回しても弱弱しい音を出すばかりのカリスマ小松号。
「ちょっとちょっとぉー・・・ちょっとぉーっ!」
「ちょっとじゃねぇよ。おまえもなにしてくれてんのよ」
「いや、だってぇ・・・」
どうやら東京に出発する前の夜、車から荷物を降ろすのに車内灯を点けて作業をしてたらしいのであります。
「おれのクルマからバッテリーつなぎますか」
「そしたら掛かるう?タケシぃ」
カリスマが甘えた声を出します。
「掛かる掛かる」
「ほんとぅー?」
「おーバカ同士でクルマつなげよ」
「あーでもこれちょっと、クルマ反転させないとケーブル届かないな」
「なにぃ?」
「よーいしょぉー!」
頭から突っ込んで駐車しているカリスマ号を四十路3人で押し、反転させ、タケシのクルマとつないでエンジンをかけます。
「しばらくチャージして・・・」
「ごめんねぇタケシぃー」
「おーおー、電気の無い者どうし涙ぐましいなぁー、えぇーおまえらぁ」
「これ、しばらく走って充電しないと明日エンジンかかんないかもしれない」
「あーそう?じゃぁちょっと今から走り回るわ」
「おーおー、バカは朝まで走り回ってろ。おーコンビニとか寄るなよ。バカだからエンジン止めちゃうから。ノンストップだノンストップ!」
ようやく私が家に帰りついたのは、日付も変わった深夜0時半。
もちろんすぐにクルマを確認しました。バッテリーは無事。
小松はその後、深夜1時まで自宅周辺を走り回ったそうであります。
翌日、タケシに小松から電話がありました。
ちゃんとエンジン掛かったわ。
ありがとう。
きのうはごめんね。
やっぱり人は助け合っていかなきゃダメよねぇ。
ドラマ「歓喜の歌」は、助け合いの精神でまいります。