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アイヌ文化の発信拠点「ウポポイ」来場者伸び悩む 地元の利用増すため 白老町が新たな取り組み

北海道白老町にあるアイヌ文化の発信拠点「ウポポイ」の来場者数が伸び悩んでいます。昨年度の来場者数はおよそ33万人で、政府が目標とする年間100万人にはほど遠い状況です。

コロナ禍の2020年に開業した「ウポポイ」。アイヌの衣食住や舞踊を体験し、歴史や文化の魅力を学べる施設です。

松野官房長官(2022年当時)
「これから目標の年間100万人、コロナが収束していけば日本国内はもちろん国際的にも魅力ある施設としてこの目標を達成していかなければなと思います」

政府が目標とする年間の来場者数は100万人。しかし、いまそれとはほど遠いどころか、来場者数の減少に転じています。

井元小雪記者)
「平日の昼間ということもあり、人はまばらです。伝統的家屋チセにも、人はほとんど出入りしていない印象です」。

ウポポイを運営する財団によりますと、昨年度の来場者数はおよそ32万8000人で、コロナ禍だった前の年度を下回りました。

「来場者数が減少している厳しい状況。来場者数の増加に取り組んでまいりたい」。

期待の修学旅行生も2022年度はおよそ8万2000人だったものの、昨年度は6万7000人に減りました。この状況に国交省は来場を促すための戦略をまとめました。この会議の中で有識者が指摘したのは「児童生徒や学生が楽しめるコンテンツが用意されていない」ことや「地元白老町からの来場が少ない」ことなどの課題です。

Q行ったことありますか?)

白老町民)
「1回あります。できて間もなく」

白老町民)
「昔(旧アイヌ民族博物館)の方が入りやすかったかな。周りを散策したり野鳥を見るのを楽しんだけど、いまはそういうこともできないし」。

実際にウポポイを取材してみると道外からの観光客が目立ちます。

東京からの観光客)
「思っていたより迫力があって見に来てよかったなと思いました。すごい本物って感じがしましたね」

もっと地元の利用を増やそうと白老町は新たな取り組みを始めます。

白老町経済振興課 三上裕志課長)
「ウポポイの窓口で町民の無料パスポートを発行できるような事業を開始したい。身近に散歩気分で訪れていただけるような施設になればいいなと思っています」。

白老町では、今年度予算に1300万円を計上し、高校生以上の町民にウポポイに無料で入れる年間パスポートを配る計画です。

白老町民)
「20回くらいは行く予定ではありますけれど、そういうの(無料パスポート)があればね」。

ウポポイ側も集客に向けて施設をグレードアップ。楽しくアイヌ語が学べる新たな体験型プログラムを導入します。

井元小雪記者)
「【ヌプリ(山)】という文字が出て来ました。発音してみると…【ヌプリ】【ヌプリ】正しく発音するとモニターにヌプリの単語の意味(山)がイラストになって出てきます」。

モニターに出てきたアイヌ語をマイクに向かって口ずさむとそれに合わせた映像が流れる仕組みです。

ウポポイ 山丸賢雄さん)
「アイヌ語を声に出す機会はなかなかないかと思うので、アイヌ語を生きた言葉として言語としてぜひ体験してほしいなと思っております」。

「言葉の港」を意味する新プログラム「イタクトマリ」はゴールデンウィークが始まる4月27日から。来場者数増加の起爆剤になるかもしれません。

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