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命を奪う〝危険な虫歯〟

2018年8月16日放送

「80代になっても20本以上の歯を残そう」という「8020運動」などが浸透し
高齢者の歯の数は30年前と比べて、各年代で2倍から3倍に増えている。
80代以上では15.3本。半分以上の歯が残っているのだ。
しかし、歯をしっかり磨けなくなると、さまざまな危険が...。

年齢とともに虫歯や歯周病の進行は早くなる。
舌の感覚が鈍っていき、残った食べかすに気付きにくくなる上
細菌を洗い流す唾液の量が減っていくからだ。

さらに歯科医師は「口腔内の細菌が歯茎の毛細血管から全身に回ると
全身疾患に影響を及ぼす」と指摘する。
血液に入った歯周病菌は、血管に炎症を起こして動脈硬化を進め
心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めるといわれている。

また、喉の機能が落ちると、唾液などと一緒に細菌を誤嚥する危険がある。
高齢者は睡眠中など気付かないうちに誤嚥することもあり
入った細菌が肺で炎症を起こせば肺炎になる。
口のケアをしないと、肺炎での死亡率が約2倍になるというデータもある。

札幌市白石区に住む男性は、脳梗塞で足が不自由になり、歯医者に行けていなかった。
歯磨きはしているが、磨き残しも多く、2年前には歯周病が歯槽膿漏を引き起こし
上の歯がほとんど抜けてしまった。
男性は、ケアマネージャーに相談し、訪問歯科の診療を受けることにした。
約3ヵ月かけて、上の歯全部とぐらついていた下の歯の一部を入れ歯に。
いまも定期的に診察を受けている。

訪問歯科は、医療保険と介護保険が適用され
1割負担の場合、1回の診療費は1500円から2000円ほど。
磨き方の指導からレントゲン、入れ歯の作成など、本格的な治療を受けられる。

自分で歯が磨けなくなった高齢者の歯をケアするのは、介護士。
しかし、その介護士の技術不足も一つの課題だ。
体や顔に麻痺がある人や、認知症の人、寝たきりの人など
状態によって、歯のケアの仕方にはさまざまな技術が必要だが
数々の高齢者施設で指導をしてきた歯科衛生士は
「スタッフの苦手意識から歯のケアをしっかり行えていない施設が多い」と話す。

「命を守るために、歯を守る」

高齢者自身も、支える人も、新たな意識で、毎日の歯磨きと向き合うことが大切だ。

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