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介護職を苦しめる「ハラスメント」

2019年1月22日放送

老後の暮らしを支える介護職。
高齢者や家族からのハラスメントが、離職の大きな原因となっている。
去年、介護職員の労働組合が全国で行った調査では
「利用者やその家族からハラスメントを受けたことがある」
と答えた介護職は74%に上り、中には耳を疑うような体験も少なくなかった。

札幌のある訪問介護員は、利用者の自宅で押し倒されそうになった。
また、大声でなじられるパワーハラスメントや
胸や尻を触られるというセクシャルハラスメントもよく聞くという。

札幌市は今年度初めて、介護職員向けの研修で
ハラスメントへの対処方法を取り入れた。
老人ホームやデイサービスの介護士、訪問ヘルパー、ケアマネージャーなど
どの職種でも、利用者からのハラスメントは身近な問題となっていた。
講師が最も重要だと伝えたのは、「現場から声を上げること」。
介護職員は我慢したり、1人で抱え込むケースが多いという。
事業所としても、毅然とした態度で対応し、従業員を守るべきだと話す。

札幌市西区の特別養護老人ホーム西野ケアセンターでは去年から
具体的な対策を始めた。
まず、家族とのコミュニケーションを密にするため
介護現場でのケアの内容や利用者の様子を撮影し、家族と共有する。
万が一、ハラスメントがあった時にも、動画があることで
事実を客観的に受け止めてもらい、家族と一緒に対応できるようになるからだ。
職員に対するハラスメント研修も去年初めて行った。
何かあったときには組織として対応すると、スタッフにはっきりと伝えたのだ。

2025年には、介護人材の不足は34万人に及ぶと言われている。
高齢者も、働く人も、安心して暮らせる未来のために、対策は待ったなしだ。

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