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46歳両側乳がんになりました⑥ 入院生活は合宿だ!

コラム

阿久津友紀

2019/11/24

検査・告知・手術・仕事復帰・これからのこと・・誰かのお役に立てればと綴ります。
前回は入院の前日まで働き、手術の前日に入院。検査や思わぬトラブルに見舞われ、、でも手術を終えて、朝を迎えたお話でした。

手術の前の日、歯磨きしながら何人かにはこんばんは、、とはお話したのですが患者さんには全く話しかけられませんでした。部屋と何か用があれば出入りするだけ・・・。これではいかん!とみなさんに私はこういうもので・・・怪しいものではございません、、とご挨拶することにしました。すると同じ世代の多いこと多いこと。

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子育て世代、働きざかりの30代・40代のみなさんが不安を抱えて入院されてきていたのでした。月曜日と木曜日に入院患者さんが来ます。月曜日にはまた新しい患者さんと知り合うことになりました。
 自動販売機があるサロンがたまり場、です。夕食後(もうなんなら一日中)消灯ギリギリまで話に花が咲きます。自分の不安、みんなの不安。こどものこと、仕事のこと、話が尽きることはありませんでした。
私だけじゃない、勇気づけられました。みんなそれぞれに事情を抱え、みんなそれぞれに悩んでいました。感じたのは"がんになったからもう終わりじゃない"。これをどう乗り越えるかがみんなの共通テーマでした。退院したらおそば食べて・・・元気になったらみんなで温泉行こう!と誓いました!
ステージが初期で温存で胸が残っている方もいれば、早期でも私のような両側全摘もいます。乳頭が残せる人もいればがんが乳頭にあって、失った方もいます。どこにどのようにがんがあるかは本当にその人しだい。手術の時点でみなさん相当自分で決断、判断を強いられていることもわかりました。

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あまり知られていませんが、乳がんにはタイプがあります。よくステージ1とか2とかいいますが、それも大切なのですが、それ以上に自分のがんがどんなタイプなのかでまったく治療が違います。
同じステージ1で見つかった人で、ホルモン受容体が陽性の人とそうでない人は治療方法の第一選択が違います。さらに乳がんには分子標的薬、というものが使える乳がんがあり、HER2というたんぱく質を持っている人には専用の投薬が可能となります。
ホルモン受容体もHER2たんぱくももっていないタイプのがんの方も10%程度いてその方々は抗がん剤が第一選択となります。
ホルモン受容体を持つ乳がんの方は統計上はおよそ7割。HER2タイプが2割。もちろんこれらを併せ持つ方もいます。これだけでも人によって治療が違うことがわかります。
最近は術前の治療も多いです。最初からリンパ節転移がわかっている方や増殖が速いと判断された方などは抗がん剤が第一選択となるので、手術の前に治療をする方もいます。
入院する時点で、すでに抗がん剤の副作用の脱毛が始まっていて、悩んでいた方もいらっしゃいました。この治療を乗り越えれば、治る、そう信じないと進めません。
でも自分にあった治療法とは何なのだろうか・・・。効く薬を最初から教えてほしい。患者の切実な思いなのです。

この記事を書いたのは

阿久津友紀