釣りバカ対決第4弾!グランドチャンピオン大会
「屋久島24時間耐久魚取り対決」
前回の釣りバカ「わかさぎ釣り」を終えた時点で、この「グランドチャンピオン大会」の構想はあった。
全員が「チャンピオン」になったからには、「真の王者」を決するのは、当然の流れだ。
では、「グランドチャンピオン大会」にふさわしい「対決」とはなんだ?
まず誰の頭にも浮かぶのは「松方弘樹方式」だろう。
サイパンあたりの海で、豪華なクルーザーをチャーターし、日焼けした厚い胸板も眩しい午後3時。
炎天下の中、カジキマグロと格闘すること1時間。
「ヘイ!マツカッタ!ナイスファイト!」
クルーの皆さんの惜しみない喝采を受けて、弘樹の笑顔も百萬ドル。
じゃ、「松方さん」を「大泉さん」に置き換えて想像してみる。
う・・・いや、まぁ、それもおもしろい。
「南の島かぁ・・・」
そう考えて、ふと私の頭の中に、カジキマグロを締め上げる大泉さんとは、全く別のシーンが思い浮かんだ。
子供のころ。
確か南の島に連れられて行った。
おふくろは、いろんな人に会うのに忙しく、子供にかまってはいられない。
行き場を失ったぼくは、誰に教えられたのかは定かではないが、ソーセージ一本と釣り糸を持って、小さな川へ向かった。
「すぐそこは、もう海」という、河口付近に流れ出す小さな用水路みたいな川だ。
ぼくは、釣り糸にソーセージをくくりつけて、岩の間に垂らした。
すると、デッカイ「はさみ」が岩の間から、ニョキっと出てきて、やがてソーセージをがっちり掴む。
「そりゃっ!」とばかりに、糸を上げると、見たこともない巨大な「カニ」が、姿をあらわした。
南の島で体験した、忘れられない興奮だった。
「おふくろの故郷がね、屋久島ってとこなんですよ」
「ほう・・・」
「そこで昔、カニ釣りをしたことがあるんです」
「カニ釣りですか」
松方方式の話題が、ひと段落ついたところで、ミスターと嬉野くんに、そのことを話した。
「いやぁ!おもしろいんじゃないですか!」
いの一番に興味を示したのは、ミスターだった。
「そういうのいいですよ!我々らしくて」
それからは、「シャツとか脱いで、二人一組になって魚をすくい上げたりさぁ・・・」なんて、それぞれ一度は試みた経験のある魚取りの方策を披露した。
「じゃもうあれですね。『釣り』じゃなくて、『漁』ですね」
「いいんじゃないですか?だって、やりたいでしょ?ミスター」
「やりたい!」
それで、決まった。
決戦の舞台も、そのまま「屋久島」。
私にとっても、もう何年ぶりだろう。
今じゃ、「世界遺産」にも指定されて、でも子供のころは、単に「海がきれいなところ」でしかなかった。
そして今回、改めてあの島を訪れて、その「素晴らしさ」を実感することになった。
「屋久島」。
本当に!本当に!すごい所です。
この時期、海ガメが産卵にやってきます。
運のない我々でさえ、屋久島に到着したその夜、浜辺で、それを見ました。
卵を産んで、砂にうめて、ゆっくりと海へ帰るまで、ずっと飽きずに見てました。
「この時期、99%は見ることができます」
浜の監視員さんが、言っていました。
こんな場所が、日本にまだあるんです。
来年、無理をしてでも、子供を連れて、行ってください。
そして、いっしょに、思いっきり遊んでください。
番組が、少しでも、その参考になれば幸いです。
さて・・・。
実は、その「海ガメの産卵」を見れなかった男が、ひとりいます。
ラジオの仕事があるために、翌日、たったひとりで、屋久島まで来た男・音尾琢真さん。
「50番・繁多寺に来い」という、森崎くん以上に乱暴な待ち合わせ。
「栗生の浜で待っている」
聞かされたのは、ご覧のとおり「企画発表」での時点。
我々は、あのあと、すぐに千歳へと向かってしまった。
ひとり残った音尾さんには、屋久島までの航空券とともに、「一通の封書」が手渡された。
嬉野くんが、事細かに「屋久島・栗生の浜までの道のり」を指南した置き手紙である。
これが、また「傑作」というほかない。
次に、その全文を掲載しておく。
「あんた、そこまで書かんでも・・・」という、すごい文章だ。
キミも、「これからひとりで屋久島に向かうタレント・音尾琢真」になったつもりで、読んでみてくれ。