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釣りバカ第4弾「屋久島・24時間耐久魚取り」

藤村 | 2002. 6/20(THU) 14:56


 釣りバカ対決第4弾!グランドチャンピオン大会

 「屋久島24時間耐久魚取り対決」

 前回の釣りバカ「わかさぎ釣り」を終えた時点で、この「グランドチャンピオン大会」の構想はあった。

 全員が「チャンピオン」になったからには、「真の王者」を決するのは、当然の流れだ。

 では、「グランドチャンピオン大会」にふさわしい「対決」とはなんだ?

 まず誰の頭にも浮かぶのは「松方弘樹方式」だろう。

 サイパンあたりの海で、豪華なクルーザーをチャーターし、日焼けした厚い胸板も眩しい午後3時。

 炎天下の中、カジキマグロと格闘すること1時間。

 「ヘイ!マツカッタ!ナイスファイト!」

 クルーの皆さんの惜しみない喝采を受けて、弘樹の笑顔も百萬ドル。

 じゃ、「松方さん」を「大泉さん」に置き換えて想像してみる。

 う・・・いや、まぁ、それもおもしろい。

 「南の島かぁ・・・」

 そう考えて、ふと私の頭の中に、カジキマグロを締め上げる大泉さんとは、全く別のシーンが思い浮かんだ。

 子供のころ。

 確か南の島に連れられて行った。

 おふくろは、いろんな人に会うのに忙しく、子供にかまってはいられない。

 行き場を失ったぼくは、誰に教えられたのかは定かではないが、ソーセージ一本と釣り糸を持って、小さな川へ向かった。

 「すぐそこは、もう海」という、河口付近に流れ出す小さな用水路みたいな川だ。

 ぼくは、釣り糸にソーセージをくくりつけて、岩の間に垂らした。

 すると、デッカイ「はさみ」が岩の間から、ニョキっと出てきて、やがてソーセージをがっちり掴む。

 「そりゃっ!」とばかりに、糸を上げると、見たこともない巨大な「カニ」が、姿をあらわした。

 南の島で体験した、忘れられない興奮だった。

 「おふくろの故郷がね、屋久島ってとこなんですよ」

 「ほう・・・」

 「そこで昔、カニ釣りをしたことがあるんです」

 「カニ釣りですか」

 松方方式の話題が、ひと段落ついたところで、ミスターと嬉野くんに、そのことを話した。

 「いやぁ!おもしろいんじゃないですか!」

 いの一番に興味を示したのは、ミスターだった。

 「そういうのいいですよ!我々らしくて」

 それからは、「シャツとか脱いで、二人一組になって魚をすくい上げたりさぁ・・・」なんて、それぞれ一度は試みた経験のある魚取りの方策を披露した。

 「じゃもうあれですね。『釣り』じゃなくて、『漁』ですね」

 「いいんじゃないですか?だって、やりたいでしょ?ミスター」

 「やりたい!」

 それで、決まった。

 決戦の舞台も、そのまま「屋久島」。

 私にとっても、もう何年ぶりだろう。

 今じゃ、「世界遺産」にも指定されて、でも子供のころは、単に「海がきれいなところ」でしかなかった。

 そして今回、改めてあの島を訪れて、その「素晴らしさ」を実感することになった。

 
 「屋久島」。

 本当に!本当に!すごい所です。

 この時期、海ガメが産卵にやってきます。

 運のない我々でさえ、屋久島に到着したその夜、浜辺で、それを見ました。

 卵を産んで、砂にうめて、ゆっくりと海へ帰るまで、ずっと飽きずに見てました。

 「この時期、99%は見ることができます」

 浜の監視員さんが、言っていました。

 こんな場所が、日本にまだあるんです。

 来年、無理をしてでも、子供を連れて、行ってください。

 そして、いっしょに、思いっきり遊んでください。

 番組が、少しでも、その参考になれば幸いです。

 さて・・・。

 実は、その「海ガメの産卵」を見れなかった男が、ひとりいます。

 ラジオの仕事があるために、翌日、たったひとりで、屋久島まで来た男・音尾琢真さん。

 「50番・繁多寺に来い」という、森崎くん以上に乱暴な待ち合わせ。

 「栗生の浜で待っている」

 聞かされたのは、ご覧のとおり「企画発表」での時点。

 我々は、あのあと、すぐに千歳へと向かってしまった。

 ひとり残った音尾さんには、屋久島までの航空券とともに、「一通の封書」が手渡された。

 嬉野くんが、事細かに「屋久島・栗生の浜までの道のり」を指南した置き手紙である。

 これが、また「傑作」というほかない。

 次に、その全文を掲載しておく。

 「あんた、そこまで書かんでも・・・」という、すごい文章だ。

 
 キミも、「これからひとりで屋久島に向かうタレント・音尾琢真」になったつもりで、読んでみてくれ。