ぼくらの「写真集2」をとりまく、幾つかの出来事。

嬉野 | 2003. 4/15(TUE) 18:18

じゃじゃやーん!嬉野です。
日記に書きすぎてしまい、携帯から見れないようにしてしまいましたので、裏に移植しました。
すんません。
あらためて、本日も「写真集2」の宣伝をしていきますよ。

さて、どうでしょうで馴染みの印刷屋さんに川端さんという若い営業の方がおられます。
ほそっこい人ですが静かな闘志を燃やす人です。
本日の日記では、この人物にスポットを当てながら「写真集2」の性格について書いて行きたいと思います。

本の制作行程の一番最後に「製本」という行程があります。
印刷屋さんで刷り上げられた紙を、1冊の本に仕上げていく作業ですね。
その「製本」という行程を引き受けるのが製本屋さんというところなのです。
つまり「本」の最終行程を担当してる部署ですね。
どんなものでもそうですが、だいたい最終行程を担当する部署に一番のしわ寄せが行くものです。

「いやぁ、これ最後にさぁ、番組の放送リストをね、年表風に付けると完璧になるよねぇ」
「スケジュール的に間に合いますかねぇ。今日の夕方までに印刷屋さんに原稿出す約束なんですよ。」
「夕方かぁ。夕方は厳しいなぁ、とにかくこっちも朝までかけて原稿作るから明日の朝一にしてもらえないか聞いてみてくれない」
「じゃ、ちょっと印刷屋さんに電話してみますね」

ぼくらがひとつのアイデアを思いついたために、あと15時間という時間が必要になった。
つまり、ぼくらのところに突然「ブリッ!」としわが寄ってしまったわけである。
「こんなにしわが寄ってはアイロンがかけられん」
ぼくらはそのしわを「ビシッ!」と伸ばした。
したらこのしわは、今度は隣の印刷屋さんのところに寄る。
「こんなにしわがあってはアイロンがかけられん」と、今度はそのしわを見た印刷屋さんがそのしわを「ビシッ!」と伸ばした。
したら、そのしわは、隣の製本屋さんのところに寄る。

「こんなにしわがあってはアイロンがかけられん」と、製本屋さんだってこのしわを「ビッ!」と伸ばしたかったが、製本屋さんの隣にはそれ以上しわを伸ばす先がなかった。

申しわけない話しだが、製本屋さんは、自分の所にどんどん溜まっていくしわをただ呆然と眺めるしか手がない。じゃ、製本屋さんはそのしわをどうやって解消しているのか。

これはもう残業と休日出勤でそれこそ身を削ってカバーしているということらしいのです。
「だから、製本屋さんて、普段休みがとれないぶん、盆暮れ正月とゴールデンウィークは、完璧に休み取るんですよね」と、川端さんは言うのであった。

この川端さんが「写真集2」3万冊の仕事を製本屋さんに持っていくのである。
出版社の少ない札幌の製本業界にあって3万冊の製本というのは空前絶後の量であるという。
製本屋さんも最初は本気にしなかったという。
「3千の間違いでしょ。」

ところが本気で3万冊なのだと聞かされて製本屋さんは青くなった。
「この本はさ、普通の製本とは違ってさ【糸かがり】しないとダメなのさ。でないと強度が保てなくてページがバラケていくのさ。500ページもあるもんだから。でもさ、【糸かがり】の機械って1時間に500冊が限界なのさ。このスケジュールじゃゴールデンウィークも挟まるし、この期日に納品するの厳しいわ。いや、無理だわ。できねぇよ。うちでは。」

川端さんにも製本屋さんの気持ちは痛いほどわかった。
3万冊の仕事は欲しいはずだ。でも、普段から苦労させてる社員にこれ以上の苦労を強いるのは経営者としてはできない。だから無理だと言っている。
だが、ここで無理なら、あとは本州の製本工場に一括するしかない。本州にはもっと大きな製本工場がある。でも川端さんは、せっかく道内で持ち上がった仕事なんだから、どうしても道内の業者だけで仕事を完結させたかった。だって「どうでしょう」は北海道の番組じゃないか。北海道の業者だけで最後までバックアップしたい。だから製本屋さんの「出来ない」という言葉を聞いても素直に引き下がることができなかった。
「社長。どうしても出来ないかい?北海道の仕事なんだよ。オレらでやるべきじゃないかい。こんなデカイ仕事、なんでみすみす道外に回さなきゃなんないのさ。「どうでしょう」は北海道で生まれた番組なんだよ。なんでオレらで最後まで面倒みてやれないのよ!」

川端さんのこの言葉を聞いて製本屋さんはしばらくじっと考えていたそうです。

「わかった。やる。全部うちでやる。機械の能力はこれ以上あげることはできないから、昼夜2交代性を組んで24時間操業でやる。みんなにはゴールデンウィークも返上してやってもらう。それで期日に間に合わせる。あんたの言うとおりだ。せっかく北海道で持ち上がった仕事だ。オレら北海道の業者だけで最後までやろう。」

こうして徳島で生まれた紙が、はるばる北海道まで運ばれて、北海道の業者さんの手で、1冊1冊、最後のどうでしょう「写真集」として仕上げられていくことが決まった。
道産子の番組が作った写真集は道産子の写真集として全国に出荷されることになったのだ。

この川端さんが昨日、美術の「BGBee」さんの所に立ち寄った時、こんなことを言っていたという。
「週末、嬉野さんにうちの印刷所に来てもらって、印刷の色確認してもらったでしょう。で、全部色が決まって嬉野さんが帰ったあとにね、ぼく、もう一度見落としがないかと思って写真を最初から順番に見て行ったんですよ。3時間くらいかけて見たなぁ。で、1回見終わったんだけど、もう1回見たくなって、今度はほら、巻末に写真1枚1枚に対するメモがあるじゃない。あれを読みながら写真を見てったんだよね。そしたらなんだろう、感動したんだよねぇ。あれ、どうしてなんだろうねぇ。なんてことない写真ばっかだし、メモだってなんてことない文章ばっかなのに、でも何百枚って見ていくうちになんか感動してくんだよねぇ。で、思ったんだよ。そういえばさ、人生だってさ、なんてことない日常の積み重ねなんだよね。でもさ、それがひとつひとつ重なってるのがやっぱり人生なんだよねぇ。ひょっとしたらそれと同じような感動なのかなぁって。」

ほら。
ほらごらん。
ぼくらの「写真集2」制作の狙いが読者第1号のハートをビシッ!と射ぬいているもの。
「番組の写真集だろう」つって侮っている諸君!
ぼくらの意図するところは、ここなのだよ!
この「写真集2」は、このような性格の写真集なのですばい。
案ずるな。迷わずお買いなさい。
つーことで、この「写真集2」は、作品として「成功した」ということでいいね。

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