当ホームページをご覧のみなさまにはお馴染みの「本日の日記」が、いよいよ本となって登場であります。
先日その見本が完成し、我々の手元に届きました。
さっそく手にとって見てみましょう。
表紙は藍染の日本てぬぐいをイメージした純和風。手で触ると、粗い布地をイメージしたザラつき感、凹凸がございます。
そしてこの表紙、よーくご覧下さい。これは単純にパソコンかなんかで描いた「てぬぐいの図柄をそのまま表紙に印刷」したものではありません。
実際に「ふ」「う」と染め抜かれた日本てぬぐいを作り、それを写真に撮って、その「写真を表紙に印刷」しております。
言われなきゃわからないことですが、実物の写真を使うことによって、微妙な陰影であるとか、風合いであるとか、実物ならではの味が出るのでございます。ここらへん、デザインにうるさい店長のコダワリであります。
さて、この本の表紙には、「本日の日記(2002年7月~2003年3月)」という肝心のタイトルがどこにも書いてありません。本のタイトルは、買ったみなさまに自由に、好きなところに貼っていただくという趣向になっております。
巻末にタイトルがデザインされたシールが20枚ほど収められております。このシールも和柄の布をモチーフにしております。こいつを各自のセンスで、表紙の布に、それこそタイトルを縫いつけるような感覚で好き放題に貼っていただく。
世界でたったひとつのオリジナル日記本が出来上がるわけであります。
さぁ、それでは中身のほうを少し読んでみましょう。
私の「まえがき」に続き、日記本文が始まります。
2002/7/1 22:12 藤村
しばらく旅に出ます。
少し長旅です。
いろいろ聞きたいこともあるでしょうが、
時期が来ればお話します。
それでは、行って来ます!
5年前の2002年7月、レギュラー放送に終止符を打った「原付ベトナム縦断」のロケに出発した日の日記です。
今回の日記本は、この日記から始まります。
読んだ瞬間、一気にあの日に戻ったような気がしました。
ロケを前にして、準備に追われながら、ドキドキしていたあの感覚。
やがてロケから帰り、休む間もなくベトナムの放送が始まり、「9月4日」のニセ最終回事件、そして「9月25日」涙の最終回、その後のホームページの活況、そして翌年3月の初めてのDVD発売まで。
どうでしょうにとって、まさに激動期の日記が、日付順に淡々と収められております。読み終わってなにを感じるかは、人それぞれだと思います。
あなたが5年前、どんな状況で、どんな気持ちで番組を見ていたか、それによって感じ方は違うでしょう。
この本に関しては、「読んだ人にこう感じてほしい」みたいな意図が一切ありません。
当初、「日記を本にする」のは、「普段ホームページを見たことがない人に読んでもらいたい」「番組とは違う、もうひとつの水曜どうでしょうの世界を覗き見ていただきたい」という意図があったからでした。
だから、ただ日記を羅列するだけでなく、「初めて読む人にもわかるように」と、当時の状況であったり、ホームページを訪れる人々(あんたたちですね)とのやりとり、なんかを補足しながら、ひとつの物語、読み物にしていくことを目指しました。
で、嬉野先生に原稿を依頼したわけであります。でも、それはすべてボツとなり、結局「日記を羅列するだけ」にしました。
なぜボツとなったのかは、本書の「あとがき」で嬉野先生自身、憤慨しながらも書いておりますので割愛いたしますが、あらためて「これでよかったんだろう」と思っております。
とにかくこの本は、最終的に、「初めて読む人」ではなく、いつもここを訪れてくれているあんたがたに向けて作りました。
表紙自体がバラバラのように、各自がそれぞれ当時を思い起こしながら読む本、なのであります。
ま、そうは言っても、「ホームページを一度も見たことがない人」の反応というのも、やはり気になる。
そこで今回は初めて、これまでグッズ取り扱いのなかった一般書店でも置いてもらうことにしました。
紀伊国屋書店さんであります。
9月5日の発売日には、いつもの道内各HTBグッズ取り扱い店のほかに、「全国の紀伊国屋書店」の店頭に「本日の日記」が並びます。道外であっても紀伊国屋さんがあれば、直接買うことができます(紀伊国屋さんだけです)。
もちろんすでに予約済みの賢明なみなさんは、紀伊国屋さんに行く必要はないわけですが、しかし、ここは敢えて、お近くの紀伊国屋さんに出向き、興味深そうに本書を手に取り、「うーむ!これが今話題の・・・」ぐらい多少唸りを入れながらの軽いデモンストレーションはあってもいいぞと、思うのであります。
「水曜どうでしょう本日の日記」。今回はまずは第1弾ということで、引き続き2003年以降の日記も順次発刊の予定であります。
そして、できればいつの日にか、ボツとなった壮大な「嬉野版本日の日記」が、みなさまに読んでもらえる日がくれば、とも思うのであります。