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DVD第10弾「東京2泊3日70km/マレーシア・ジャングル探検」の全容

藤村 | 2008/04/03(Thu) 21:01:32

 水曜どうでしょうDVD全集も、いよいよ10本目。

 今回は98年春に放送された2本、東京ウォーカー改め「東京2泊3日70km(雑誌名と混同してはいけないということでタイトルを変えました)」、そして「マレーシア・ジャングル探検」。

 96年10月に番組がスタートし、その1年半後の98年春、この「東京」をもって深夜0時50分からの放送に終止符を打ち、「マレーシア」から念願の夜11時台へと進出した、そんな記念すべき2作品であります。

 どうでしょうの歴史を「初期」「中期」「後期」と分けるのであれば、この「東京」「マレーシア」の2作品をもって番組は、試行錯誤の初期を脱し、中期、成長期へと突入していった、まさにターニングポイント的な作品であったと言えます。

 この2作品以降、どうでしょうは明らかに一皮むけていきます。98年、時間帯が昇格したにもかかわらず「門別沖釣りバカ」や「十勝二十番勝負」「車内でクリスマスパーティー」などの力の抜け切った小作品を作り、人気の「アラスカ」もこの年。翌99年になると「試験に出る」「四国八十八か所」の名物シリーズ、大人気の「原付」シリーズがスタートし、海外では「アメリカ横断」「ヨーロッパ・リベンジ」、そして名作「シェフ大泉・夏野菜スペシャル」と、まさに上り調子の「中期」を迎えるわけです。

 この後、半年の休止期間を経て、脂の乗ったいぶし銀な「後期」へと入っていくわけですが、その復帰第一作、ターニングポイントとなったのが、「リヤカーで喜界島一周」。

 「東京」「マレーシア」そして「喜界島」。初期から中期、中期から後期へと変わっていく、その節目の作品が、いずれも「歩く」という旅の原点に立ち返った「徒歩モノ」であるというのは、「一生どうでしょう宣言」からの復帰作が同じく徒歩モノの「ジャングル・リベンジ」であったことを考えても、単なる偶然ではないと思うのであります。

 どうでしょうの歴史が変わるとき、そこには「徒歩モノ企画」が登場する。ひとつの法則でありますな。

 さてそんな記念すべき作品を収録したDVD第10弾。

 今回は、スペシャルなことが2つございます。

 まずは、DVDを入れてすぐに始まる「onちゃんアニメ」。俗にCIと呼ばれるもので、北海道テレビジョンの社名が最後に出ます。

 このオープニングのアニメーションの制作を今回は、特別な方に依頼いたしました。

 我々も声の出演をしたアニメ「茄子」の監督であり、「ハウルの動く城」などのジブリ宮崎作品では作画監督をしておられます高坂希太郎さん。

 高坂さん制作総指揮のonちゃんCGアニメーションなのであります。実に贅沢!

 そして今回のonちゃん、いつもの「丸かいてon」のマンガ調onちゃんではなく、なんと「安田さんが入っている着ぐるみon」をCG化したアニメなのであります。これは初の試み。

 高坂さんはじめCGクリエイターの方々の意気込みはすごかったですよ。わざわざ札幌まで来て、全員onの着ぐるみに入ったんですから。
 あの息苦しい着ぐるみonの動きをアニメーター自らが実際に体験し、それをビデオに収めてCG制作に取り掛かったわけです。

 完成までに数ヶ月を要しました。

 高坂さんは、「CGくさい動き」をいかに滑らかに見せるか、そこに心を砕いたそうであります。

 出来上がりを見て驚きましたよ。

 足の運びやらなにやら、もう、ホントに安田さんが入っているように見えるんです。

 素晴らしい!

 あまりに出来が良くて・・・わたくし思わず笑いましたね。

 だって・・・「実写」に見えちゃうんだもの。実写なら数秒で撮れますよ。それをこの人たちは何ヶ月もかけてCGで作ったんだぁーと思ったら・・・

 いやぁー、素晴らしくもバカバカしい!と、思わず笑いましたね。

 DVD第10弾は、ディスクを入れたらすぐ!まずは最初の見どころが出現しますから心してくださいよ。

 そして、もうひとつ。今回変わったもの。

 それは、予告編の音楽です。

 どうでしょう第一回目の放送から使っている、あの緊迫感あふれる「ガメラ」のBGM。オープニングのちゅいーん♪と共に、皆様にはお馴染みの音楽であります。

 それを変えました。なぜ変えてしまったのか?

 これだけ愛着のある音楽です。そもそも変えるつもりはありませんでした。ただ、これまでもDVD化するときには、放送で使っているガメラの音源は使わず、新たに作り直したガメラを使っておりました。聞き比べていただければ一目瞭然です。曲の迫力が違う。そりゃそうです、オリジナル音源はフルオーケストラを使ってるんですから。

 これを、新たに、オリジナル音源に近い迫力あるものにしたかった。

 それで、ある音楽関係の方に相談したんです。

 フルオーケストラに近い音源に作り変えられないか?と。

 その方は、「出来ます」と。

 「でも・・・藤村さん」と。

 「どうせなら、新たな予告編の曲を作りませんか?」と。

 「うーん・・・」と、正直思いましたね。

 みなさんもそうでしょう。「あれを変えるのは・・・」と。

 でも、次にこう思いましたね。

 「この人は、どうでしょうが大好きな人だ。もちろん、あの予告編を変えることへの抵抗感は自分自身がよーくわかってる。その上で、曲を新たに作りたいと言っているのだ。これは、まかせるしかないじゃないか」と。

 その方の名は、本間昭光さん。ポルノグラフィティーのプロデューサーで、曲を作っている方です。

 私は、本間さんと知り合う前からポルノの曲が大好きでした。そんな方に、どうでしょうの曲を作っていただける。うれしいことです。

 「本間さん、どんな曲になるんですか・・・イメージはあるんですか?」

 私、聞きましたら、彼は言いましたね。

 「宇宙戦争」

 「お願いしますッ!」

 これはもう間違いない!と、思いましたですね。

 昨年の秋でしたか。私と嬉野先生は東京へ行き、新たなどうでしょう予告編音楽のレコーディングに立ち会ってきました。

 音楽が出来上がっていく過程というものを、初めて目にいたしました。

 スタジオに時間差で、いろんな楽器の方がやってきます。最初はバイオリンやチェロの弦楽器のみなさん。トランペットやオーボエなどの管楽器のみなさん。それらを別々に収録し、重ねることでフルオーケストラの音を作り出していく。打楽器なんか、小太鼓、大太鼓、シンバル・・・と、ひとりで何役もやりましてね、あとで重ねていくんです。
 
 朝から始めて10時間あまり、曲が完成しましてね・・・素晴らしかった。なんだか出産に立ち会ったような愛着がありますよ、あの曲には。

 参加してくれたアーティストのみなさん、バイオリンを担当したのは「のだめ」にも出演し、ナックスの芝居の音楽も担当したのNAOTOさん、そしてチェロの柏木広樹さんは、札幌に来れば必ず飲むお友達です。ほかにも、どうでしょうを愛してやまないなんちゃん、ギタリストの太一くんにも、この場をお借りしてお礼を言います。

 みなさん、どうもありがとう。

 onちゃんのCGを作ってくれた高坂さんや、実際に作業をしていただいたクリエイターの方々にしても、本間さんはじめ、予告編の音楽を作ってくれた方々にしても、共通するのは、みなさんと同じく、「どうでしょうが好き」ということ。

 みなさんと同じく、いろんな方とつながって、テレビとはまた違う「水曜どうでしょうDVD」が出来上がりました。

 2008年5月14日、DVD第10弾「東京2泊3日70km/マレーシア・ジャングル探検」発売開始!であります。


 追伸。今回のシークレット映像は「3つ」です。