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4月11日放送 「前枠・後枠傑作選!」第二夜

藤村 | 2001. 4/14(SAT) 20:44


 2週目の方が、おもしろかったのではないでしょうか。

 私の好きな枠は、前週の「鶴の恩返し」と、今週の「マジシャン」。

 
 いつのころからか、私が台本を書き、前枠が「コント一発」になってきましたが、「マジシャン」やってた当時は、必要事項だけふたりに伝えて、あとは「おまかせ」。

 「マジシャン編」の子供の反応、それに対して大泉さんがサイコロを地面に投げつけて帰っていく、あの一連の空気というのは、アドリブならではの「真実味」。

 翌週のサイコロを投げて返す男の子と、返された大泉さんの顔は、絶品。

 アドリブには、「なにかしらやはり真実味」が醸し出されて良いですなぁ。

 とはいえ、ミスターの「喜界島の落ち」も、台本があるとはいえ、「なにかしらの真実味」はありますなぁ。

 だって、我々は絶対に「穴を掘っている姿」をミスターには見せませんから。

 ミスターも絶対に「見せて」とは言いません。

 お互い語らずとも、そこには、「真実味」を生み出そうとする気持ちが存在するからなのでしょう。

 「穴の深さ」「大きさ」が、ミスターにとって未知であることが、なにより彼の「恐怖」と「魅せることへの欲求」との葛藤を生み出し、「真実の落ち」を具現化することへとつながるのでしょう。

 思えば、「どうでしょう」全てに流れる精神こそが、それです。

 
 大泉さんには、「絶対に行き先を告げない」。

 昔も今も、がんこに守り続けられているこの「伝統」も、全て「理不尽な旅の真実味」には、不可欠な要素です。

 
 ずっと以前、こんなことがありました。

 
 海外企画の準備で、「国際免許」を4人で取りに行った時。

 必要書類に「訪問国」を記入する欄がありました。

 記入は他人もできますが、「提出」と「受け取り」は、本人がしなくてはなりません。

 困った我々は、怪しいのを承知で、大泉さんの顔をおさえつけ、窓口に同行し、彼が絶対に「訪問国」の欄を見ないように監視し続けたのです。

 おかげで、彼には目的地がバレずに、無事「国際免許」を取得できました。

 ひと安心した我々は、いっしょに食事をとりました。

 すると、そこのおばさんが、たいそう「どうでしょうファン」で、

 「今度、うちの店の宣伝でもしてくださいよ!」

 なんてなことを冗談っぽく言うと、ミスターが

 「ははは・・・じゃぁオーストラリアで、おばちゃん見てる?とか言ってやろうか!ははは・・・はは・・・は・・・」

 
 「おっさん・・・今・・・なんつった・・・?」

 
 「・・・すいません・・・言っちゃいました・・・」

 我々が、初めて海外に行った時のお話しです。

 おかげで初の海外は、大泉さんから「目的地を告げる瞬間のおいしいお顔」を、頂戴することはできませんでした。

 あれから4年。

 今でも、ミスターと我々は、「海外企画」が決定すると、その日から「苦しい戦い」が始まります。

 大泉さんとの不用意な接触を拒むようになります。

 そして旅立ちの日。

 いよいよ大泉さんに「隠し事」を告白する瞬間。

 眼前で、その「隠し事」を告げられ、男が驚愕に打ち震える光景が繰り広げられた時、我々の戦いは、終るのです。

 
 しかし、いつのころからか、その戦いは、帰国後も続くようになりました。

 ミスターと、そして大泉さんも、視聴者に「隠し事」をしなくてはならなくなったのです。

 その苦悶が、ついに先週、爆発したわけです。

 「・・・どこへ行ったかというと・・・×××です!」

 「おい!」

 「いやぁ、おれもずっと言いたかったんだよ!我々は×××に行ってきました!」

 

 ・・・いやぁ・・・わかっちゃった人、いましたねぇ。

 「我々は、あるものをトリに行きました」

 この意味も全部わかった人、いましたねぇ。

 マニアを甘く見ていました。

 しかし、わかった人は、ミスターや、我々ディレクター陣と同じ気持ちで、「その瞬間」の大泉さんのお顔を見ることができます。ある意味特権です。

 大部分のわからなかった人は、大泉さんと同じ気持ちで、「ドキドキ感」を味わってください。本来こちらのほうが、おもしろいハズです。

 では、来週。大泉さんの変わらぬ「真実の顔」を、ご覧ください。

 私の大好きな予告編は、「真実の顔」の後、入ります。

 では、海外企画第9弾!お楽しみに!