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最近の視聴率低迷について冷静に考えてみる。

藤村 | 2001. 7/24(TUE) 14:56


 短い夏休みを終え、掲示板をチェックしていて、貴重なご意見をいくつか目にいたしました。

 曰く、

 「最近のどうでしょうは、長期ロケのだらだらした企画が多い」と。

 なるほど、と率直に感じましたねぇ。

 作り手の我々は単純に、こう考えていました。

 「長いだの短いだのは、無関係。」

 「むかしは、おもしろい所が少なかったから、結果的に放送が短くなっただけ。今は、おもしろい部分が多いから、放送も長くなっちゃう」

 「だから、決して、むかしよりつまらなくなったとは思ってない。むしろ、数段おもしろくなっているよ」

 ・・・ただ、そう自分たちが思っているのとは裏腹に、視聴率は、以前より低くなっているのは事実。

 「なぜだろう・・・」

 考えてみました。

 
 むかしより「一本の企画が長くなっている」これは明らか。

 では単純に「長い」から「だらだら」した印象を与えているのだろうか?

 やっぱり、「それだけじゃない」と思っている。

 じゃ、なにか?
 
 最近、ハタと気付きました。

 我々が「おもしろい」と思うものの「質」が、むかしとは、「微妙に変化している」ということに。

 こうだ。

 「どうでしょう」は、ドキュメントであるが故に、「笑いのツボ」を探り当てるには、「多少の慣れと我慢」が必要。

 制作者の勝手な願いを言うならば、「一字一句見逃さずにいてくれたなら、必ず笑っていただける」そう確信して編集をしている。

 でも、「どうでしょう」創世期当初は、そうそう勝手なお願いはできない。

 だから、「おもしろい」けど「わかりにくい」ものは、「うーん・・・残念ながらお蔵入り」となっていた。

 
 でも、時が経つにつれ、我々の意識は変化してくる。

 視聴者の皆様に「大泉」という人間、「鈴井」という人間、そして我々「ディレクター陣」という画面には登場しない人間の「キャラクター」が、ある程度理解され、「以前ならお蔵入り」となっていたことも「ね?わかるでしょ」の一言で、見事「採用!」となってきていたのだ。

 それが「少し」なら、「いい味付け」になっただろう。

 しかし、ここのところ「それが多く」なってきているんじゃないだろうか。「ね?わかるでしょ」と、甘えて過ぎているんじゃないだろうか。

 作り手の「勝手な思い込み」が、少しづつ「視聴者の意識」とズレてきているんじゃないだろうか。

 
 
 「視聴率」というのは、いろいろな言い方をされますが、やはり「正直なもの」であると思います。

 
 我々作り手の意識を、今一度「リセット」することが必要なんだ・・・と痛感しています。

 とはいえ、「どうでしょう」は、あくまでドキュメント。

 5年の歳月は、人間を徐々に変えて行きます。

 生きている人間を「リセット」することはできません。

 でも、番組作りの意識は、「いくらでもリセット」することができます。

 ここは、少しずつ、ゆっくりと、制作者である我々の意識を、元に戻す時期なのかもしれません。

 そういえば、JALの機内誌に陸別町の「でっかい天体望遠鏡」の記事が出ていました。「行ってみたいなぁ」と思いました。朝日新聞の全面広告には、最近、道内の各市町村の「みどころ」がたくさん載っています。

 「ほーう・・・意外といい所がありますなぁ・・・」

 本州から帰省して、今、あらためて北海道の良さを感じはじめました。

 「ここはひとつ、初心に帰って・・・やるかなぁ・・・212・・・。」

 
 「いや!やっぱり、もうちょっと違う企画を、ミスターに考えてもらおう・・・。」

 でも、その前に「対決列島」と「ナゾの長期ロケ」は、キッチリと見てもらいますけどね。

 大丈夫。テンポよくいくから。