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8月1日放送 「対決列島」第5夜

藤村 | 2001. 8/ 2(THU) 14:43


 久しぶりの放送でございました!

 山形は、「ラ・フランス」対決。

 そう。私の中では、山形といえば「さくらんぼ」ではなく、なんといっても「ラ・フランス」!洋ナシですな。あれは、美味いですぞ。山形の南陽市や、今回訪れた高畠町周辺が産地。

 で、それを「ゼリー」にしたらもう・・・そりゃ20個は食える。

 しかし、大泉さんには不評でしたな。「チーズ・クリーム入り」。

 んーと・・・確かにねぇ、アレ冷えてなかったから、かなり「のたっ」としたクリーム感が、口ん中に「のわぁ~」っときたからねぇ。素人にはきつかったかもしれません。

 そして、「ラ・フランス羊羹」。

 実は、あれ買う時に、こんなことがありました。

 だいたい「対決の種目」を買うのは、道の駅や物産館みたいなところ。

 本来ならば、「こだわりの銘菓」を、わざわざ、その本店まで買いに行く、というのが「甘味旅」の楽しみではあるけれど、今回は「日本縦断を6日間」という強行スケジュールであるので、そうもいかない。

 で、今回も国道沿いにあった「米織観光センター」という物産館に立ち寄った。大会を取り仕切る私は、あれこれと「種目」を物色。ほかの4人は、私から離れて、ブラブラと店内をうろついている。

 すでに私は、でかい「ゼリーを4つ」手に持っていた。そこへ、嬉野くんがふらりとやって来る。

 「おぉー・・・これは、また大きいねぇ」

 「うん」

 「4つ・・・」

 「とりあえず、ひとり1個づつだね」

 「ひとり1個かぁ・・・わりとキツイかもね」

 「なにが?こんなもん全然きつくないって!なに言ってんのよ!」

 「んな怒んなくても・・・」

 こんなもんで、「対決だ!」などと騒ぐつもりなど毛頭なかった私は、嬉野くんの見識の甘さを叱責し、その場を離れた。

 「さてと・・・なんか他に珍しいものは・・・」

 再びそぞろ歩く私の目に、「ラ・フランス羊羹」という文字が飛び込んできた。

 「あるじゃん!」

 あんなに上品なラ・フランスを「羊羹」にするってか!いくらなんでも乱暴だなぁ・・・ははは。

 「なんか、あったのかい?」

 また嬉野くんだ。

 「ん?あぁ・・・どうだい?これいいでしょ」

 「うわっ!なんだいこれッ!」

 「ようかん」

 「わかってるって!そうじゃなくてこの大きさ!」

 「あぁ・・・。まぁ確かにデカイねぇ」

 そう。このとき私が手にしていた「ラ・フランス羊羹」は、実際「対決」で使用した「ちっちゃい球状」のものではなく、いわゆる「普通の長方形」。しかし、その大きさは、「普通」ではなかった。とにかく1本がデカイ。

 「デカイなんてもんじゃないって!あんた!」

 「そ・・・そうかい」

 今度は、嬉野くんが逆上気味だ。

 「ちょっとあんた!なんで2本持ってんの!」

 「あ・・・いや・・・おれとミスターに1本づつ・・・」

 「ちょっと!バカなこと言ってんじゃないってあんた!」

 「んな・・・怒んなくても・・・」

 「あんたねぇ・・・死んじゃうよ本当に」

 「わかった!わかった!じゃ、こっち。こっちのまりも羊羹みたいなやつ。これならいいでしょ」

 「・・・」

 「ねっ!じゃ、こっちにしよう!」

 「あんたいくつ持ってんの・・・」

 「あ・・・」

 「ひと袋でいいでしょ」

 「あ・・・あぁ、そうだよね。ひとつ10個入りだもんね。充分だね。2袋はいらないね。」

 ・・・並々ならぬ嬉野くんの気迫に押され、私は多少の不満を残しながらも「対決種目」を決定したのである。

 だからその、多少の不満が、対決本番に暴発したのである。

 さて、すっかり山形で時間をくってしまった我々は、その日の宿、栃木県・川治温泉へと急いだ。有名な鬼怒川温泉の、さらに奥に位置する山間の温泉地だ。

 途中、福島県は、すっ飛ばしてしまった。

 この事実が、来週、ある事件を引き起こすことになる。多少長くなった「宿での会話」は、全て来週への「フリ」である。
 

 さて、田中大臣。

 車の中で聞いていた私は、ホント関心した。似てたぞ、あれは。大泉さんは、他局の番組で実際に田中大臣とお会いした経験を持つ。その時に、私に言ったようなことを、自分が言われたらしいのだ。

 さすがに「バカそうな顔してるわね」ってのは違いますが。

 この「お宿紹介コーナー」。後日、もうひとかた「政治家の先生」が登場します。私は、こっちの方が「似てる」と思う。「田中大臣」といえば、「この方」!というあの先生・・・。

 大泉さん、言ってましたね。

 「これで、多少なりとも若者たちに、政治に興味を持ってもらいたいですなぁ・・・」と。

 
 そして、お宿で突然開催された「栃木対決」。

 
 あれは、VTRの回っていない夕食での出来事・・・。

 ミスターは、「食うのに疲れた」などと名言をはきながら、次々出される料理を「ふぅー・・・ふぅー・・・」と妙な呼吸を繰り返しながら食べていた。

 「残すとね・・・作った人に失礼だから」

 ミスターのそういう道徳観念には、頭が下がる。

 そして、最後のデザート。ミスターはもう、満腹を通り越している。

 「女性客のために、デザートにも力を入れている、なんて書いてあったなぁ・・・」

 「あれかな・・・飾り立てたシャーベットみたいなやつかな」

 「あぁ!シャーベットならいいですね。ちょっとならね」

 冷たいさっぱりしたものならまだ喉を通る。ミスターは期待も込めて、そんなことを言っていた。

 「それか、フルーツの盛り合わせか・・・」

 たばこを一服、淡い期待を寄せるミスターに、しかし現実は、魔神以上の仕打ちを与えた。

 「こちら、デザートになりまーす・・・」

 「おっ・・・」

 「あっ!」

 「こちらはねぇ、枝豆をすりつぶした、ずんだ餅なんですよ」

 「うっ・・・」

 
 ミスターは、悶絶した。

 
 「ミスター・・・あまりに不幸だ・・・」

 誰しもが、ミスターに同情した。さすがに、私も。

 で、言いましたよ。

 「ミスター、残しなよ。」

 「いいですかね・・・ちょっと旅館に失礼だけど・・・」

 「だって、食えないでしょ」

 「もう、見ることもできないです・・・」

 「おれも、食えないなぁ・・・」

 「おや、大泉さんも・・・」

 
 2皿残りました。

 
 ・・・悪魔がささやきました。

 「やれよ。これで。」

 私は、「ずんだ2皿」を部屋に持ち帰り、訝るミスターに「いや、オレがあとで食べるの。だって好きなんだもん!」と大ウソをついて、対決の機会を虎視眈々と待っていたのです。

 
 「栃木・・・栃木、今やっとくか!」

 あまりにも脈絡なく突然「ずんだ」を持ち出し「対決を宣言」した魔神に、そりゃ視聴者のみなさまも理解不能に陥ったことでしょう。でも、こういう出来事があったわけです。

 にしても、ミスターの「やる気ありません」と見せかけての「不意討ちスタート」。

 さすがだ。やはり魔神相手に戦いを繰り返してきた猛者だ。

 「もうダメですよ~」と死んだフリをしながら、しっかりと「ずんだ」を観察していたのだ。

 仙台で食った「ずんだ」より、上品で小さめ。それも1個しかない。ならば、相手を完全に油断させておいて、一口で飲み込めば、勝機はあると。

 「しょうがないよね。6万ポイントもリードしてるからね・・・」

 「じゃ・・・いきますよ」

 ゆっくりと、皿を持ち上げる。

 (よーし・・・いくぞ・・・勝てるぞ・・・)

 「レディー・・・ゴー!」

 (それッ!)

 大嫌いな「ずんだ」を一気に口に放り込む!

 案の定、魔神のスタートは遅い!

 (勝てる!)

 「あ」

 (えっ?)

 見ると、もう魔神の両手がきれいに上がっている。

 先に手を上げるのは自分だ!とばかり思っていたミスターは、つられて手を上げてしまった。

 口の中には、まだ「ずんだ」がいっぱい残ってたのに・・・。

 ミスターは、まだ魔神の力をわかっていないようだ。

 
 「そうかミスター、まだあきらめないんだな。もっと凄いものを見せないと、キミにはわからないんだな・・・。」

 魔神に火をつけてしまった対決は、さらに凄惨を極めて行きます。

 だが、往生際の悪いミスター陣営も、さらに姑息な手段で対抗してきます。

 
 「対決列島」は、まだまだこれからが本番なのです。