久しぶりの放送でございました!
山形は、「ラ・フランス」対決。
そう。私の中では、山形といえば「さくらんぼ」ではなく、なんといっても「ラ・フランス」!洋ナシですな。あれは、美味いですぞ。山形の南陽市や、今回訪れた高畠町周辺が産地。
で、それを「ゼリー」にしたらもう・・・そりゃ20個は食える。
しかし、大泉さんには不評でしたな。「チーズ・クリーム入り」。
んーと・・・確かにねぇ、アレ冷えてなかったから、かなり「のたっ」としたクリーム感が、口ん中に「のわぁ~」っときたからねぇ。素人にはきつかったかもしれません。
そして、「ラ・フランス羊羹」。
実は、あれ買う時に、こんなことがありました。
だいたい「対決の種目」を買うのは、道の駅や物産館みたいなところ。
本来ならば、「こだわりの銘菓」を、わざわざ、その本店まで買いに行く、というのが「甘味旅」の楽しみではあるけれど、今回は「日本縦断を6日間」という強行スケジュールであるので、そうもいかない。
で、今回も国道沿いにあった「米織観光センター」という物産館に立ち寄った。大会を取り仕切る私は、あれこれと「種目」を物色。ほかの4人は、私から離れて、ブラブラと店内をうろついている。
すでに私は、でかい「ゼリーを4つ」手に持っていた。そこへ、嬉野くんがふらりとやって来る。
「おぉー・・・これは、また大きいねぇ」
「うん」
「4つ・・・」
「とりあえず、ひとり1個づつだね」
「ひとり1個かぁ・・・わりとキツイかもね」
「なにが?こんなもん全然きつくないって!なに言ってんのよ!」
「んな怒んなくても・・・」
こんなもんで、「対決だ!」などと騒ぐつもりなど毛頭なかった私は、嬉野くんの見識の甘さを叱責し、その場を離れた。
「さてと・・・なんか他に珍しいものは・・・」
再びそぞろ歩く私の目に、「ラ・フランス羊羹」という文字が飛び込んできた。
「あるじゃん!」
あんなに上品なラ・フランスを「羊羹」にするってか!いくらなんでも乱暴だなぁ・・・ははは。
「なんか、あったのかい?」
また嬉野くんだ。
「ん?あぁ・・・どうだい?これいいでしょ」
「うわっ!なんだいこれッ!」
「ようかん」
「わかってるって!そうじゃなくてこの大きさ!」
「あぁ・・・。まぁ確かにデカイねぇ」
そう。このとき私が手にしていた「ラ・フランス羊羹」は、実際「対決」で使用した「ちっちゃい球状」のものではなく、いわゆる「普通の長方形」。しかし、その大きさは、「普通」ではなかった。とにかく1本がデカイ。
「デカイなんてもんじゃないって!あんた!」
「そ・・・そうかい」
今度は、嬉野くんが逆上気味だ。
「ちょっとあんた!なんで2本持ってんの!」
「あ・・・いや・・・おれとミスターに1本づつ・・・」
「ちょっと!バカなこと言ってんじゃないってあんた!」
「んな・・・怒んなくても・・・」
「あんたねぇ・・・死んじゃうよ本当に」
「わかった!わかった!じゃ、こっち。こっちのまりも羊羹みたいなやつ。これならいいでしょ」
「・・・」
「ねっ!じゃ、こっちにしよう!」
「あんたいくつ持ってんの・・・」
「あ・・・」
「ひと袋でいいでしょ」
「あ・・・あぁ、そうだよね。ひとつ10個入りだもんね。充分だね。2袋はいらないね。」
・・・並々ならぬ嬉野くんの気迫に押され、私は多少の不満を残しながらも「対決種目」を決定したのである。
だからその、多少の不満が、対決本番に暴発したのである。
さて、すっかり山形で時間をくってしまった我々は、その日の宿、栃木県・川治温泉へと急いだ。有名な鬼怒川温泉の、さらに奥に位置する山間の温泉地だ。
途中、福島県は、すっ飛ばしてしまった。
この事実が、来週、ある事件を引き起こすことになる。多少長くなった「宿での会話」は、全て来週への「フリ」である。
さて、田中大臣。
車の中で聞いていた私は、ホント関心した。似てたぞ、あれは。大泉さんは、他局の番組で実際に田中大臣とお会いした経験を持つ。その時に、私に言ったようなことを、自分が言われたらしいのだ。
さすがに「バカそうな顔してるわね」ってのは違いますが。
この「お宿紹介コーナー」。後日、もうひとかた「政治家の先生」が登場します。私は、こっちの方が「似てる」と思う。「田中大臣」といえば、「この方」!というあの先生・・・。
大泉さん、言ってましたね。
「これで、多少なりとも若者たちに、政治に興味を持ってもらいたいですなぁ・・・」と。
そして、お宿で突然開催された「栃木対決」。
あれは、VTRの回っていない夕食での出来事・・・。
ミスターは、「食うのに疲れた」などと名言をはきながら、次々出される料理を「ふぅー・・・ふぅー・・・」と妙な呼吸を繰り返しながら食べていた。
「残すとね・・・作った人に失礼だから」
ミスターのそういう道徳観念には、頭が下がる。
そして、最後のデザート。ミスターはもう、満腹を通り越している。
「女性客のために、デザートにも力を入れている、なんて書いてあったなぁ・・・」
「あれかな・・・飾り立てたシャーベットみたいなやつかな」
「あぁ!シャーベットならいいですね。ちょっとならね」
冷たいさっぱりしたものならまだ喉を通る。ミスターは期待も込めて、そんなことを言っていた。
「それか、フルーツの盛り合わせか・・・」
たばこを一服、淡い期待を寄せるミスターに、しかし現実は、魔神以上の仕打ちを与えた。
「こちら、デザートになりまーす・・・」
「おっ・・・」
「あっ!」
「こちらはねぇ、枝豆をすりつぶした、ずんだ餅なんですよ」
「うっ・・・」
ミスターは、悶絶した。
「ミスター・・・あまりに不幸だ・・・」
誰しもが、ミスターに同情した。さすがに、私も。
で、言いましたよ。
「ミスター、残しなよ。」
「いいですかね・・・ちょっと旅館に失礼だけど・・・」
「だって、食えないでしょ」
「もう、見ることもできないです・・・」
「おれも、食えないなぁ・・・」
「おや、大泉さんも・・・」
2皿残りました。
・・・悪魔がささやきました。
「やれよ。これで。」
私は、「ずんだ2皿」を部屋に持ち帰り、訝るミスターに「いや、オレがあとで食べるの。だって好きなんだもん!」と大ウソをついて、対決の機会を虎視眈々と待っていたのです。
「栃木・・・栃木、今やっとくか!」
あまりにも脈絡なく突然「ずんだ」を持ち出し「対決を宣言」した魔神に、そりゃ視聴者のみなさまも理解不能に陥ったことでしょう。でも、こういう出来事があったわけです。
にしても、ミスターの「やる気ありません」と見せかけての「不意討ちスタート」。
さすがだ。やはり魔神相手に戦いを繰り返してきた猛者だ。
「もうダメですよ~」と死んだフリをしながら、しっかりと「ずんだ」を観察していたのだ。
仙台で食った「ずんだ」より、上品で小さめ。それも1個しかない。ならば、相手を完全に油断させておいて、一口で飲み込めば、勝機はあると。
「しょうがないよね。6万ポイントもリードしてるからね・・・」
「じゃ・・・いきますよ」
ゆっくりと、皿を持ち上げる。
(よーし・・・いくぞ・・・勝てるぞ・・・)
「レディー・・・ゴー!」
(それッ!)
大嫌いな「ずんだ」を一気に口に放り込む!
案の定、魔神のスタートは遅い!
(勝てる!)
「あ」
(えっ?)
見ると、もう魔神の両手がきれいに上がっている。
先に手を上げるのは自分だ!とばかり思っていたミスターは、つられて手を上げてしまった。
口の中には、まだ「ずんだ」がいっぱい残ってたのに・・・。
ミスターは、まだ魔神の力をわかっていないようだ。
「そうかミスター、まだあきらめないんだな。もっと凄いものを見せないと、キミにはわからないんだな・・・。」
魔神に火をつけてしまった対決は、さらに凄惨を極めて行きます。
だが、往生際の悪いミスター陣営も、さらに姑息な手段で対抗してきます。
「対決列島」は、まだまだこれからが本番なのです。