「我が国のエネルギーを支えている…」
そう誇りを持って働いていた小さな炭都(まち)の労働者たち。
彼らの多くは、いまも進行するじん肺と戦っている。
この苦しみの補償まで、時代とともに風化するのか?
かつての炭都に残る、石炭の影とは―――
戦後、国策で急速に成長した石炭産業。屈指の採炭地北海道では、炭都(まち)が栄華を極めた。しかし、石油へのエネルギー政策の転換後、様相は一変する。石炭会社は合理化に拍車をかけ、現場では事故が相次いだ。それでも閉山の波は止められず、炭鉱の火は次々と消えた。自治体は、観光振興や企業誘致に躍起になったが、人口は減る一方だった。 さらに、かつての炭鉱労働者たちにも異変が。激しい咳や息切れを起こす「じん肺」が襲いかかったのだ。気づかぬうちに進行していた不治の病…。 水内聖司さん(71)がじん肺を発症したのは47歳のときだった。穏やかな生活を奪われた代償を求め、会社に和解を求めたが、会社は名前も経営形態も変わり交渉は難航。去年、決裂した。とうとう、会社を提訴することになった患者達。まばゆい光を放った「石炭」は、いまも炭都に深い影を落としている。
スタッフ
- ナレーション
- 西野志海
- 撮影
- 江谷拓・小山康範
- 音声
- 高橋政人
- 編集
- 八重樫杏子
- 音響効果
- 百石 仁
- EED
- 菅原孝雄
- MA
- 藤田則昭
- 美術
- 松田仁・新水裕之
- ディレクター
- 北村玲奈
- プロデューサー
- 濱中貴満