余命わずかと告げられながら舞台に上がり続ける俳優。
現実を受け入れられない、同じく俳優の妻。
それぞれに重い選択が迫ったとき、夫婦は静かに話し合いを始めた。
斎藤歩60歳、札幌在住の俳優、演出家、脚本家である。北海道大学の演劇研究会に入部して以来、映画、テレビドラマ、舞台などで活躍し、長く北海道の演劇界をけん引してきた。
2021年に尿管にがんが見つかり、2023年には「何もしなければ余命半年」との診断を受ける。ステージ4の末期がんで、医師から「普通なら入院して安静にしていなければならない状態」と言われながらも、斎藤は舞台に立ち続ける。舞台袖で苦痛に顔を歪めながら、自分の出番が来ると客に気取られないようスポットライトの下へ走る。
斎藤の病状が進み、一人での生活が困難となってくる中、妻に大きな舞台へのオファーが来る。かつて所属していた劇団が30年ぶりに復活し全国ツアーを展開する。しかし出演を決めると4か月あまり札幌の家を離れなければならない。それぞれ重い決断を迫られ、夫婦は静かに話し合いを始める。互いを思いやり、未来を向く。
出演者
- 出演
- 斎藤歩 西田薫
- ナレーター
- 森さやか(HTBアナウンサー)
- 音楽
- 斎藤歩/チェロ演奏 土田英順
スタッフ
- プロデューサー
- 後藤雄也
- 構成・取材・撮影
- 沼田博光