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しかしなぜ、敵国日本の若き兵士の日記がアメリカ人に注目されるのか。日記の謎を追うアジア系医師、ロサンゼルスではアリューシャン攻防戦のドキュメンタリーを手がけるディレクター、そして、その日記に影響され、アラスカに移り住んだ詩人・・・さらに、アメリカ・メリーランド州に住み、「辰口日記」のコピーを大切に保管している老婦人がいることがわかりました。彼女がもっていたのは、亡くなったご主人がアリューシャンの戦場から持ち帰ったものでした。
現在アッツ島にはアメリカ沿岸警備隊の20人がいるのみで、一般人の立ち入りは禁じられています。ルピナスの花、アッツ桜、そして霧・・・。
「私を最後まで愛してくれた妻耐子よ、さようなら。どうかまた会う日まで幸福に暮らしてください・・・睦子様、あなたは今年二月に生まれ、父の顔も知らないで気の毒です・・・・・・」
最果ての風景が、辰口”最後の日”の日記の記述にダブっていきます。
そして、ロサンゼルスで、辰口の遺児・次女の睦子さんは、今回、取材を初めて受け入れ、父の大切にしていた聖書を見せてくれることになったのです・・・。
戦争が終わって60年の歳月が流れました。2003年「辰口日記」が大切な家族愛の伝言を語りかけてくれます。 |