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あなたとHTB


このページは平成24年8月19日放送分から引用しています。

タイトル

オープニング

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7月出動は異例 散水列車初出動

大野恵アナ

札幌では、散水列車が7月に今シーズン初出動しました。JR函館線の札幌・岩見沢間と千歳線では、暑さでレールがゆがむのを防ぐため、4両編成の散水列車が、およそ65トンの水を撒きました。散水列車は予想最高気温が32度を超える日に走ります。散水列車は2000年から運行していますが、7月の出動は珍しいということです。

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土用丑の日 値上げでも人気

土用の丑の日。札幌市内のうなぎ専門店では、徹夜でふだんの4倍にあたる1500食を用意しました。値上げによる影響が心配されましたが、例年と変わらない混雑ぶりでした。メインのうな重は稚魚が不漁だった影響で仕入れ値が上がり、500円前後の値上げとなりましたが、開店から多くの客が訪れ、夏の暑さを乗り切る英気を養っていました。

遠藤雅也アナ

おはようございます。「あなたとHTB」の時間です。
「あなたとHTB」は、視聴者の皆様とともに
よりよい番組作りや放送の在り方を目指すための番組です。

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大野・遠藤両アナ

大野アナ

冒頭にご紹介しましたのは、先月27日、夕方の情報番組「イチオシ!」で放送しました。JR北海道の散水列車初出動の模様です。

もう一つは、同じ日の「イチオシ!」でお伝えしました真夏の風物詩、土用の丑のウナギです。夏バテ防止のために、ウナギを食べる習慣は江戸時代に入ってから定着したと言われているそうです。

遠藤アナ

まだまだ暑い日が続いていますので、熱中症や水の事故にくれぐれもご注意ください。

それではきょうの「あなたとHTB」。最初は、6月の放送番組審議会で審議いたしました、HTBドキュメンタリー「国の責任を問うということ~由仁町C型肝炎訴訟の行方~」についてです

大野アナ

この番組は、HTBが継続して取材している、由仁町で集団発生したC型肝炎を追った医療ドキュメンタリーです。かつて由仁町三川(みかわ)地区にあった診療所で、注射器を消毒せず使いまわしていたことが、 地区住民の実に4割がC型肝炎に感染していることとの因果関係が疑われています。国がしたことではなく、当時の医学界に指導や警鐘を鳴らさなかったといういわば、国がしなかったことの責任を問うこの裁判、先月11日に、第一回口頭弁論が札幌地裁で開かれました。この中で国は、因果関係が明らかではないと原告側訴えの棄却を求めるなど、全面的に争う姿勢を見せています。

遠藤アナ

それでは、放送番組審議会の委員の方々の意見を紹介します。

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国の責任を問うということ~由仁町C型肝炎訴訟の行方~

大野アナ

◇制作者が長期にわたり丁寧な取材を積み重ね、このテーマについて深く勉強していることが随所にうかがえた。オープニングのテンポの良い映像が全体のイメージをしっかりと伝えていて惹き込まれた。登場人物も整理されており、過不足のない解説がタイミングよく構成されていた。

◇重厚かつ訴える力がみなぎる作品だった。C型肝炎についての的確な説明、行政側の対応を含めて大変分かりやすかった。患者のひとりである南川公江さんの「私の肝臓を返して…」という言葉が胸に重く残った。

◇患者だけでなく、家族や弁護士、医師、行政側など。さまざまな立場の人たちへの丁寧な取材が、内容に多角的な視点と深みを与えていた。C型肝炎訴訟という、メディアでは大きく取り上げられない問題に光を当てたことは大変意義深い。

◇小さな町村では、医療機関や医師に問題があれば、大変深刻な状況に陥ることを目の当たりにした。1953年にWHOが世界に警告していたのに対し、日本のガイドラインが30年も遅れていたことに驚いた。日本では様々な規定の見直しがなされず、旧態依然であることが問題を深刻化させていると感じた。

◇ずさんな医療行為、医療行政の無策により、かけがいのない命が危機にさらされている現実。患者たちのやり場のない怒り、取材者の憤りが行間から伝わる素晴らしい作品だった。

◇原告団長を務める岩崎昭明さんが、薬を飲む場面でのお孫さんの目の動き。小宮山厚生労働大臣の「訴状が届いていないので…」という冷たい一言。それを対話集会で聞いた時の患者たちの落胆の表情など。到底文章では表現し難い映像の力強さ、パワーを実感した。

◇小宮山厚労大臣のインタビューは圧巻だった。表情のアップから、官僚が用意したであろうペーパー。 引きの映像で見せている制作者の明確な意図を感じて思わず拍手をした。

◇治療の辛さ、経済的負担、周囲の偏見、家族との関わり。不安やぶつけようのない怒り、そしてあきらめ…。この病に苦しむ患者の問題の全てが網羅されていた。

◇報道に携わるひとりの生身の人間として、町民に寄り添って丁寧な取材を粘り強く続けた。ドキュメンタリーとして番組化したディレクターの姿勢に深く共感した。

◇注射器の使い回しによる感染の証拠を提示できない状況。 もし明確な証拠が見つかったとしても元通りにならない患者の身体。原告団のメンバーの死など、長期にわたる取材により、深刻な問題点を浮き彫りにしていた。

改善点としては、

◆全国や北海道のC型肝炎の多発地域について、連携した活動があるのか知りたいと思った。

◆国の責任を問うことの具体的に何が難しいのか、裁判を進める上で、B型肝炎に比べてC型肝炎のどこが難しいのか。もう少し丁寧な説明が欲しかった。

◆極めて重いテーマだったので、土曜日の夕方という放送時間帯が相応しいのか疑問に思った。

遠藤アナ

また、今後の要望として、

難しい局面が立ちはだかると思われる今後の訴訟の推移や、原告団の動き等を継続して取材して、発信し続けて欲しいというご意見。

大野アナ

C型肝炎は血液以外では感染しないことなど、肝炎についての正しい知識を広く啓蒙していくこともメディアの意義がある。これからも番組を通して発信し続けてほしいという、ご意見を頂きました。
今後の番組作りの参考にさせて頂きます。

遠藤アナ

次は、7月の放送番組審議会で審議いたしました、「にほん風景遺産 オホーツク回廊 世界遺産知床 大自然の旅」についてです。

大野アナ

これはBS朝日との共同制作番組で、風景案内人は「報道ステーション」の元コメンテーターで、現在は同志社大学 現代アジア研究クラスター教授の加藤千洋さんです。

遠藤アナ

それでは、放送番組審議会の委員の方々の意見を紹介します。

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大野アナ

◇知床が持つ生物の多様性という柱があり、ヒグマは駆除の対象ではなく、人間と共生することが可能という現実を勉強することができた。「自然との共生」という言葉の意味が凝縮されている貴重な作品だった。

◇広大な国後島を間近に見て、「日本の領土」という言葉の意味合いと歴史、領土問題についてあらためて思いをめぐらせた。「駆除をやめて、ヒグマと共存できるようになった」と話す大瀬初三郎さんのコメント。ヒグマが人間のそばを悠々と歩く姿は、自然と人間の関係について深く考えさせられる象徴的な映像だった。

◇風景案内人として加藤千洋さんの起用で、重厚さと落ち着きが増し、素晴らしい作品に仕上がっていた。下平さやかさんのナレーションも大変聞きやすく、加藤さんの会話とうまく調和していた。

◇知床の大自然は道民には見慣れた風景だが、BS朝日とのコラボレーション企画として、道外の視聴者にはとても新鮮に映っただろう。希少な知床の映像をふんだんに盛り込み、未来に残すライブラリーという意味合い、テーマとして申し分なかった。ヒグマとの共生という具体的なエピソードは、現実味があり、番組に深く入り込むことができた。

◇知床の山々に沈む太陽、昇る朝陽。映像の見事さ、圧倒的な素材の力を感じた。知床の多様な自然の素晴らしさ、美しさを再認識した。

◇旅情を駆り立てられ、久々にオホーツクや知床エリアを旅したくなった。自然の美しさだけでなく、山と海が連鎖するスケール感、狭い半島に密集した自然の濃さなど、見事な映像でとらえていた。

◇知床半島が持つ大自然の美しさや恵み、厳しい自然の中で暮らす人々の素朴な姿など、素晴らしい映像でまとめ上げていた。特にヒグマの出現、人間との共存を捉えた映像は奇跡的だった。音楽は風景や語りに相応しいもので癒された。

◇ゆったりとした構成で、映像のパワーに圧倒された。「海に書いてある字を読むのが船頭」「お互いに知らぬふりがクマと人間が共存する術」など。知床に暮らす人々の言葉は極めて興味深い。ヒグマが人の仕事ぶりをじっと見つめる映像は出色で、ユーモラスもあり、とても癒された。

改善点としては、

◆北海道の冬の厳しさ、それを乗り越える人々の姿などが盛り込まれていたら、より自然の美しさが際立ったのではないだろうか。

◆道民として、知床の定番が次々に展開する構成は、物足りない思いが残った。

◆「エゾシカのお尻はあったかそう」という加藤さんのコメントは、シカの食害を知る道民にとっては能天気に聞こえた。

◆世界遺産に指定されてから、観光客や水産物の変化はどうなのか。数値で表されていれば、情報に厚みが増したと思う。

遠藤アナ

また、今後の要望として、 番組の対象をすべて自然のみに限定して、自然の素晴らしさを訴えることは極めて難しい。人々の紡ぐ文化や生活を背景に自然を語ることが、「にほん風景遺産」として番組の奥行を深めるのではないかと思う。という意見を頂きました。

大野アナ

今後の番組作りの参考にさせていただきます。

遠藤アナ

さて、HTBはこのほど、ニュースや番組、イベントなどで幅広く交流しようと、中国のSMG、上海メディアグループと友好協力協定を結びました。

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大野アナ

協定を結んだのは、中国で15の放送チャンネル、11のラジオチャンネルなどを運営するメディア企業、SMGです。今回の協定では、ニュース素材の交換や、イベントでの協力などが確認されました。今後、SMGでは、HTBの制作した北海道を紹介する番組を、HTBではSMGの制作したドキュメンタリー番組などを、秋以降に放送することにしています。

遠藤アナ

最後に番組のお知らせです。

大野アナ

「新婚さんいらっしゃい!」の公開収録が、先月12日に富良野市で行われました。上方落語の大名跡を継いだ六代目桂文枝さんの司会で終始笑いの絶えない収録となりました。

遠藤アナ

来月9月2日と9日の2週に亘って全国放送となります。ぜひご覧ください!

10月の「あなたとHTB」では、テレビ朝日系列の放送番組審議会委員代表者会議で取り上げられる「震災と原発報道について」というテーマ審議に対する放送番組審議会委員の皆さんの意見をご紹介いたします。

大野アナ

「あなたとHTB」、次回の放送は10月21日日曜日の午前5時5分からとなります。

遠藤アナ

では今日はこの辺で失礼します。

過去の放送より