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番組審議会だより
北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,番組モニターの方のご意見とともに、2ヶ月に一度第3日曜午前5:05から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。
第450回北海道テレビ放送番組審議会概要
日時
2013年1月24日(木)
15:00~16:50
審議番組
HTBノンフィクション「魂を言葉にこめて~北海道日本ハム監督・栗山英樹の一年~」
2012年11月24日(土)12:00~12:55
出席委員
内田和男 | 委員長 |
新谷朋子 | 副委員長 |
平島美紀江 | 委員 |
伊藤千織 | 委員 |
大西昌美 | 委員 |
烏日娜 | 委員 |
真弓明彦 | 委員 |
作間豪昭 | 委員 |
閔 鎭京 | 委員 |
西川祥一 | 委員 |
会社側出席者
代表取締役会長 | 荻谷忠男 |
代表取締役社長 | 樋泉 実 |
取締役 | 林 亮一 |
取締役 | 持田周三 |
CSR推進室長兼ホットラインデスク部長 | 国本昌秀 |
報道情報局長 | 寺内達郎 |
編成局長 | 川筋雅文 |
広報部長 | 岡 仁子 |
番組担当プロデューサー | 山﨑秀一 |
番組担当ディレクター | 鵜嶌敦樹 |
番組審議会事務局長 | 四宮康雅 |
【会社報告】
- 作間豪昭氏・閔 鎭京氏・西川祥一氏に委員委嘱状交付
- 開局45周年記念イベントとして4月14日ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団の札幌公演開催
- HTBノンフィクション「国の責任を問うということ~由仁町C型肝炎訴訟の行方」が2012メディア・アンビシャス賞の映像部門アンビシャス賞入選
- HTB関西支社が大阪市中之島フェスティバルタワーに移転完了
- 厳冬期イベント目白押し「さっぽろ雪まつり雪のHTB広場」「白い恋人PARK AIR」「TOYOTA BIG AIR」
- 冬の節電要請期間の対応について
- ホットラインマンスリーレポート2012年12月
【委員の意見要旨】
◇開幕戦から日本シリーズまで、ポイントとなる試合を中心に、時系列的に追っていくオーソドックスな作りで、あらためて「今年のファイターズの戦い」を整理することができた。日ハムファンか否か、また年代を問わず興味深く見ることができる内容。リーグ優勝パレード直後の放送も誠に時宜を得ている。
◇取材対象者=栗山監督と取材者との深い信頼関係を推察させ、整理された良質な番組。ともすれば空虚な言葉、騙す言葉が氾濫する世相において「言葉の力」に着目した本作は、日頃より「言葉」を大切に発信する放送局のメッセージとも感じた。
◇勝ち負けで全てが決まるスポーツ界だが、それ以前にスポーツチームは「人間集団」であるとの原点に気づかされた。特に言葉の力にフォーカスしていたが、「決してぶれないことを心に決めて前に進みたい」との言葉は、栗山監督自身の生き方と言葉の説得力との関係性がよく表現されていた。
◇ホワイトボードに書かれた文章がとても印象深い。日頃いかに自分に対してストイックに生きているのかを理解することができた。本人の口から視聴者に伝えるのではなく、ボードに書かれた文字通して視聴者に想像させたことで、より監督の苦悩が伝わった。
◇一般的に、監督は直接選手に声を掛けず、コーチに任せるケースが多いなかで、栗山監督は個々の選手に話しかけ、励ます。選手のプレーをみているんだと思させる姿勢が功を奏したことが、わかりやすく描き出されていた。
◇栗山監督の「アメ」と「ムチ」が十分に描かれている。「アメ」は、不調の吉川と中田を使い続けたこと、「ムチ」は稲葉の代打起用、斉藤投手の2軍行きなど、二つのコントラストが鮮やかでおもしろい。
◇スポーツドキュメンタリーとして完成度が高い作品。栗山監督とファイターズの一年を「監督の言葉」と「選手の顔」を巧みに組み合わせながら構成され、長期にわたる取材の成果である貴重映像、栗山監督や選手らの自然な素顔、普段着の発言が説得力を生み、「魂を言葉にこめて」のメッセージが強く伝わってきた。
◇「言葉」というコンセプトが終始一貫していた。選手を深く信頼している栗山監督の姿をインタビューを軸に据えた構成がわかりやすい。登場人物もかなり絞り込まれており、散漫に流れることなく筋が通っていた。
◇プロ野球のコーチ経験が全くない栗山監督が、なぜ、苦境を乗り越えリーグ優勝を果たすことができたのか、球団が栗山氏を監督として迎えいれたのかがよく理解できた。インタビュアーが大事な場面での監督の真意を聞き、それを受け止める選手の心境が語られる。時おり目を潤ませながらインタビューに答える監督の表情をアップでとらえ、タイトル通り「魂の言葉」でのキャッチボールを見事に活写していた。
◇栗山監督のコミュニケーションスキルや人心掌握術は、旧態依然としたプロ野球界にも、また頼れるリーダーが不足している現代社会にも一石を投じたのではないか。
◇時間軸が明確で、この1年の重要な試合、貴重なエピソードが過不足なく盛り込まれた内容。固定観点に囚われず、言葉の力を信じて、ひとりひとりの選手に相応な言葉をかけ続け、見事リーグ優勝に導いた栗山采配が鮮やかに描かれていた。経営者としても勉強になる言葉が満載だった。
◇スポーツドキュメンタリーでありながら、体育会系というより文系、見終わって優しい気持ちになる、少し切なさが残るヒューマンドラマのよう。最後に観る人が栗山監督のチャーミングな人柄を男女問わず愛しく思えてくる、そんな気持ちにさせられた。構成に無理がなく、随所にあきさせない工夫が施された、ファンでなくとも十分に引き付けられる内容。
◇放送時間が、優勝パレード中継直後、ファンがシーズンの思い出を一番反芻したい タイミングだったことは、この上なく効果的。加えて、内容が賑やかな名場面を集めたものでなく、人間・栗山英樹の素顔に迫るものだったことが、優勝にさらに深みを与えていた。
◇ホワイトボードに書かれた言葉や、試合後の車内で、疲れをにじませながらも周囲に気配りする様子など、栗山監督の繊細さが伝わってきた。三原監督というモデルがいたエピソードが新鮮。
◇栗山監督の談話、選手の談話、ゲームのハイライトシーンが絡む展開が中心で単調な印象をもった。もっと面白いエピソードに絞り作りこんでもよかったのではないか。
◇言葉通りにいかない現実が多いなか、栗山監督はなぜ実現できたのか、勝負の世界で言葉の役割とはなにか・・までもう少し掘り下げ分析してほしかった。名言集のように言葉が飛びかった感もあった。
◇ホワイトボードに書かれた、監督の気持ちが吐露された言葉をじっくりと見たかった。
◇2年目の栗山采配がどうなるのか興味は尽きない。正に真価が問われる来シーズンの栗山監督の生きざまを是非番組化してほしい。
◇「北海道民としての栗山監督」という切り口での番組にも期待したい。
※次回の審議会は、平成25年2月28日(木)です。