now onair

NEXT

―2017年放送―

2017年09月26日
2016/05/01 (日)掲載 「二つの指輪」古府博子(ふるふ・ひろこ 63歳・主婦)=北見市

2016/05/01 (日)掲載 「二つの指輪」古府博子(ふるふ・ひろこ 63歳・主婦)=北見市

結婚する時に、夫からダイヤの婚約指輪をもらいました。
夫が独身のころ、叔母の勧めで、
将来妻となる人のためにと用意しておいたものです。

 一方、結婚指輪は、夫と二人で気に入ったペアのリングを選びました。
以来、夫の左手の薬指には、いつもその結婚指輪がありました。

 私の結婚指輪はというと、調理関係の仕事をしていたせいもあり、
仕事のたびに外して、ついには外しっぱなしになってしまいました。
 婚約指輪のほうも、なかなか日の目を見ることがなく、
結婚指輪ともども引き出しの中に、、、という運命をたどったのでした。

 アクセサリーを身に着ける機会が少ない私ですが、
どうしたら指輪を生かすことができるだろうかと考えた末、
結婚30周年を迎えた一昨年、
ダイヤの婚約指輪をネックレスに作り替えてみました。
シンプルでとても気に入り、今までしなかった分を取り返そうと、
外出のたびにせっせと使っています。

 さて、結婚指輪のほうですが、買い求めてから32年。
すっかりたくましくなった現在の指の太さに合わせて、
夫とのペアのリングを、一つに作り替えることにしました。

二つを一つにしたのは、指の太さだけが理由ではありません。

今日は、夫の百か日。

夫の声を聞くことも、二人でどこかに行くことも、
なにもかも、できなくなってしまった今、
せめて私の指で一緒に、と思います。〆