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9月5日放送 「対決列島」最終夜

藤村 | 2001. 9/21(FRI) 13:17


 「名セリフ」の整理やら、「ユーコン」の編集やらで、結局「大相撲期間」も忙しく、ココの更新もできないままにおりましたが、やはりキチッとケリをつけるべく、書きましたぞ。

 「対決列島」10週にわたる放送を終了いたしました。

 まずは、大泉さんの寝言。

 実は、アレ、私だけ聞いてない。いびきかいて寝ておりました。

 でも、ミスター、安田さん、そして嬉野くんの3人は、すぐに起きたらしい。

 夜中・・・。なにやらブツブツ話し声が聞こえる。

 ミスターは、「おい・・・奇襲か?」なんて、びっくりして嬉野くんを見たらしい。

 嬉野くんは、大泉さんの方を見ている。でもカメラは持っていない。

 見ると、安田さんも不思議そうな顔で、ぼーっと大泉さんを見ている。

 そのうち、だんだんと声がハッキリしてきた。

 「では・・・九州対決・・・宮崎決勝戦・・・」

 み、みやざき・・・?なんだ?なんだ?決勝は鹿児島だろ?

 言ってることがちょっとおかしい。

 考える間もなく、静まり返った部屋に大声が響く。

 「レディー!ゴウッ!」

 な!なんだッ!

 見ると、大泉さんの手が、暗闇にビシッと突き立っている。

 な!・・・なんですかっ!

 「レディー・ゴウッ!」って言われても、隣じゃ魔神がいびきかいて寝てやがる。

 ど・・・どういうことだぁ?

 どういうこともなにも、もし、おれが起きていたなら、すかさず

 「な、なに言ってんですかぁ!大泉さん!うははは!」

 と、爆笑のひとつもくれてやるところだが、おかしなもので、誰もその時は笑わなかったらしい。

 3人は、しばらく顔を見合わせて、また黙って寝たという。

 あまりにもハッキリとした口調で、その上、ビタッと手まで上げてるもんだから、すぐには寝言だとは思えなかったらしいのだ。

 なにが起きたんだか、さっぱり理解できないまま、事態は収束してしまったというのである。

 大泉さんは、翌朝、

 「なにが?寝言じゃないですよ。対決のリハーサルをしてたんですよ。寝ても覚めてもね、仕事のことを考えているわけ!僕は!」

 などと、苦し紛れの言い訳をしていたが、すごい寝言を言うもんである。

 寝言といえば、どうでしょう班の中では「伝説」と呼ばれているひとつの出来事がある。

 4年前、「サイコロ3後編」のロケ中に聞いたミスターの寝言だ。

 「サイコロ3後編」といえば、深夜バスで、酒をしこたま飲んだミスターが、「あぁ~ぅ!」という唸り声を上げたシーンが有名である。

 まぁ、これも寝言のひとつだけれど、今回ご紹介するのは、カメラが回っていなかった時に起きた「ミスター衝撃の寝言事件」である。

 あれは、企画が全て終了し、八戸からフェリーで苫小牧へと向かう、その船中で起きた。

 夜中、「ふぅ~・・・あぅ~・・・」という、例の深夜バスで聞いたような唸り声が、またしても聞こえてきた。

 ミスターだ。

 そういえば、フェリーに乗ってからも、ずいぶんごきげんに、飲んでいらっしゃった。

 実は、この「サイコロ3」。当時、嬉野くんが「ドラマ制作」にかりだされ、違うディレクターが参加していた。今は「鈴井の巣」を担当している杉山という男だ。

 普段の旅では、ほとんど酒を飲めないぼくら3人が相手だから、ミスターも好きな酒をあまり飲めない。

 でも今回は、のんべぇの杉山がいた。ロケも無事終ったことだし、大泉くんもぼくも、「たまにはミスター、思う存分飲んだら・・・」なんて、寛大な心で彼らの泥酔を見守っていたのだ。

 
 「ふぅ~・・・あふぅ~」

 相変わらず、ベッドからは、泥酔しきった男の、苦しそうな酒気をはき出すうめき声が聞こえる。

 見ると、大泉さんも起きて、ミスターの方を見ていた。

 「あふぅ~・・・」

 男は、激しく寝返りを打ちながら唸っている。

 そして、ピタッと、唸るのを止めたかと思ったら、次の瞬間、ハッキリこう言ったのだ。

 「うぅ・・・つらぁーいっ!」

 なんと!彼は、寝言でハッキリ「つらい!」なんて叫び倒したのだ。

 もう寝顔に向かって「すいませんっ!」と謝った方がいいのか・・・。

 いや、実際は声を出して爆笑したんだけども。

 
 「そうか、ミスター・・・そんなにつらかったか・・・。」

 ・・・今回もそうだが、出演者がうなされるほど追い詰められれば、それはひとつの「名作誕生の条件」となる。

 「博多号」さんに、ケツの肉をひきちぎられる夢を見た「サイコロ5」しかり。

 出演者のおふたりの、悲痛なまでの「がんばり」に支えられている番組なのである。

 さて話をもどして「白熊の一件」。

 「なんで、おれたちゃ勝手に緊迫してしまうんだろう」

 最後の最後に、「ヤマ場」が待っていたのである。

 そうは言っても、考えてみりゃ「あまりにお粗末なヤマ場」だ。

 「空港には、白熊が売ってませんでしたぁ!」

 それだけのことである。

 しかし、あの時の我々にとっては死活問題であった。

 
 鹿児島空港というのは、札幌と千歳空港の立地関係と同じく、「主要な都市から、離れた場所に立地した」空港である。それも、どちらかといえば、宮崎との県境に近い場所にある。

 我々は、逆にその立地条件を利用して、最後の夜は、「どうでしょうさんオススメの宿・第1位」宮崎県綾温泉・酒仙の杜「稜陽亭」に泊まることにしたのである。

 だが、結果としてこの選択が、あのような緊急事態を引き起こしてしまった。

 無難に鹿児島に泊まっていれば、朝「白熊」を調達できたハズである。

 しかし、いっこも後悔はしていない。だって、本当に「いい宿」なんだもん!

 田舎育ちの私でも、ホタルが、あんなに光って飛び回る姿は、初めて見た。(まぁ、視聴者のみなさんには、ほとんどわかんなかっただろうけど)

 あの時、大泉くんに輪をかけてはしゃいでいたのが、ミスターだった。

 ホタルを見つけるなり、誰よりも早く駆け出して

 「うわぁ!すごい!すごい!すごーい!」

 ぼくがホタルをつかまえると、

 「うわぁ!つかまえた!すごい!すごい!すごーい!」

 おっさん、大喜びである。
 
 まぁ・・・画面上で繰り返された、それまでの口汚い喧嘩も、ホタルがきれいに洗い流してくれた、ということですな。

 そしていよいよ「最終白熊決戦」。

 出演陣の、頭が下がる奮闘の末、なんとか「白熊」を手に入れた後、車内ではこんな話がありました。

 「もし、10分以内に食いきれなかったら、それぞれ食いかけの白熊を持って、そのまま飛行機に乗り、札幌で改めて勝負!ということにしましょうか」

 不測の事態に備え、大泉くんが気を利かせて「3時間分のドライアイス」を詰めてもらっていたのです。

 「う~ん!最後は札幌で。それもまたいいじゃないか!」

 白熊を空輸して、なぜだか「最終決戦」は札幌。

 それもまたテレビ的には、盛り上がる趣向である。

 しかし、何度も言ったように、勝負となれば、「テレビがどうのなんて知ったことか!」という我々。

 結局、5分そこそこで食いきってしまったのである。

 最後、「ぼくは、本当にうれしいよ」言った瞬間に、噴水から勢い良く水が吹き出した。

 「じゃ、魔神の言葉きっかけで、噴水いきますよー」

 ぼくは・・・本当にうれしいよ。

 「ハイ!出してー!」

 まさに、そんな裏方さんがいたような絶妙のタイミング。

 
 「対決列島」・・・あまりにバカバカしくも、しかし、大きく記憶に残る旅であった。

 「自動車ショー歌」のエンディング。あの曲調が、この旅の雰囲気にピッタリ合っていた。

 良いよねぇ、あのお気楽さ。

 嬉野くんに話した。

 「この曲のプロモーション・ビデオかなんか作りたいねぇ。」

 「ほう・・・」

 「大泉さんや、ミスター、それにナックスのみなさんが登場して、往年のクレイジーキャッツを彷彿とさせるような、こうドラマ仕立ての・・・」

 「なるほど!それをCMで流して・・・最後には、本当のドラマにしちゃうという・・・」

 「それはキミ・・・『明日があるさ』のパクリじゃないか!」

 さて、全17戦行われた「対決」の数々。

 次回作「ユーコン160キロ」がスタートするまでの余興として、

 「あなたが選ぶ!ベスト対決!」

 なんてなテーマで、「あなたはどの対決がお好みだったか?」ちょっと聞かせてもらいましょうか。

 私個人としては、「岐阜・水ようかん対決」のミスターの心の叫びが良かったなぁ。

 魔神が、なんともそっけなく「ハイ・・・」って手を上げてからの、ミスターの一連の動き。

 あのひと、全然オレの方を見ないんだよね。そして、誰も、言葉を発しない・・・。しばし、間を置いてのミスターのセリフ。

 「こんなもん朝っぱらから食えるやつ・・・おっかしいよ」

 絶妙。

  さて、視聴者のみなさんは、どうでしたかな?