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「写真集2」写真にまつわるお話~その3~

藤村 | 2003/12/22(Mon) 16:41:22


 はいどうも。お久しぶりのこのコーナー。嬉野先生渾身の力作「どうでしょう写真集2」に、更に深い味わいを与えるべく、わたくしが不定期に書き連ねてまいりました「写真にまつわるお話」。今回はその第3回目であります。

 さぁ、そろそろタンスの肥やしになりかけている「写真集2」を、どうぞお手元にご用意下さいませ。古びた写真たちに、わたくしが再び息吹を与えましょう。さぁ奥さん、めんどくさがらずに、さぁ・・・さぁ!

 【102】【103】

 ヨーロッパ・リベンジはちょうど「写真集1を作ろう」って時だったから、私がこうしてあちこちで写真を撮ってた。それもご覧のようにぶしつけにカメラを向け、主に大泉洋の顔を接写していた。私には「いい写真を撮ろう」なんて気持ちはサラサラなく、ただ単に「大泉洋にカメラを向けて、ヤツの反応を楽しむ」という暇つぶしの行為であった。そういう私の姿を、これまた暇つぶしに嬉野くんが撮っているという不思議な写真である。
 ちなみに上の【102】で大泉洋が着ている赤いフリースを下の【103】では私が着ている。そして今度はオレンジ色のパーカーを大泉洋が着ている。どちらも私のものだ。当たり前だ。ヤツはTシャツと短パンしか持ってなかったんだから。

 【111】

 ご覧のベッド。これはもともとダブルベッドみたいにくっついてたやつを二つに離したもの。北欧のホテルじゃ「ツインルーム」と発注しても必ずこんな「セパレート・ダブルベッド」タイプだった。小っちぇって!落ちるって!これじゃぁ。

 【113】

 あぁ・・・なんかさぁ、この写真見たら今、「確かにおれらヨーロッパに行ってたんだなぁ」っていう、なんていうかな、「現実感」みたいなものがパッと蘇ってきたよ。わかるかなぁ、この感覚。カメラに向かってピースしてる写真は、単なる「記念写真」になっちゃうけど、こういうなにげない写真は「現実感」がふっと沸いてくるんだよねぇ。改めて「あぁ、ヨーロッパの、あの街角を歩いたんだなぁ」っていうさぁ。またミスターの撮ったこの構図が、その現実味を引き出しているんだねぇ。手前に標識をひっかけて「街角」をぱーんと写してさぁ・・・。写真っていうのは奥が深いね。

 【134】

 日本でもサービスエリアに公園が併設されてるとこがあるじゃない。だいたいおれはそういうのがあると行きたくなるんですね。ここにもそれがあった。鉄棒まであってね。「さぁちょっと行ってみようか」と。そんな時の遊び相手は、もちろん大泉洋だ。
 「おい、逆上がりやってみろ」なんて言うと、だいたいメンドくさそうな顔をして「やだよ」なんてことをヤツは言うんですね。でも「おまえできねぇんだな?」なんて挑発すると「オレに出来ないことがあると思ってんのかヒゲ」なんつって簡単にのってくるんですね。そしてこれは、自信満々で挑んだ逆上がりに思いっきり失敗した瞬間ですね。

 【153】

 ぼくはねぇ、この写真好きなんですよ。まだ企画が始まる前、東京へ向かう機内。空席の目立つ座席に、ポツポツとどうでしょう班の顔が見える。なんか「リアル」だよね。

 【163】

 これも好きだなぁ。【153】の飛行機に乗る前だね。千歳空港の、これは「八雲」かな、軽くソバでも食おうかって入ったんだろうな。ぼくらのロケはだいたい1ヶ月半に一度ぐらいだから、他の番組と違って毎回「久々だねぇ」みたいな盛り上がりがあるんですね。この時もなんか盛り上がってますな。そしてブレ具合で盛り上がってる人の順番がわかりますね。おれ→ミスター→大泉さん。

 【170】

 この写真こそ語るべきことは多いね。サイコロ6。弘前での出来事。福岡行きの飛行機までちょっと時間が空いたので「温泉でひとっ風呂浴びよう」ってことになった。湯上りに大広間でメシを食ってね。上の【169】はその食事風景。和気あいあいと食事を楽しんでるね。でも、そんな楽しい食事の前に、私と大泉洋の間ではちょっとしたイザコザがあった。
 まずは次ページの【172】の写真を見てもらおうか。これは湯上り直後の写真だ。キチンとたたまれたタオルの上にシャンプーとリンスがきれいに並べられているね。そして半分食べたみかんも置いてある。それらが整然とレイアウトされて、大泉洋の意外とマメな性格が見てとれる。で、実はあのみかん、食べたのは大泉洋ではなく私だ。ちょっとうまそうだったから「半分よこせ」って、私が頂戴したんだね。ヤツはその残った半分をきちっと自分のタオルの上にのっけて「これはオレの」って、そう主張してるようにも見える。細かい男だね。
 さて、ややしばらくして大泉洋がトイレに立ち、戻って来るやいなや私にイチャモンをつけ始めた。
 「おいキミ。」
 「なんだよ」
 「これ見てごらんよ」
 「なんだよ」
 ヤツはきちっとたたんだタオルの端っこをつまんで私に見せた。
 「見てごらん、ほら。なんかシミが付いてるでしょう」
 「あぁ?そうか?」
 「キミさぁ、ぼくのタオルでみかんの汁拭いたろ」
 「拭かねぇよ」
 「拭いたろ」
 「拭かねぇって」
 「そしてぼくが今トイレに行ってる間にキミ、みかん全部食ったな」
 「知らねぇな」
 「キミ、どうしてそんな見え透いたウソをつくわけ?」
 「ついてねぇよ」
 「あのねぇ藤村くん・・・」
 「なんだよ・・・」
 「ぼくはね、キミがみかんを盗んだことや、ぼくのタオルでその汚い手を拭いたことを怒ってるんじゃないんだよ。キミがそうやって見え透いたウソをつくことを怒ってるんだよ。えぇ。きみだっていい大人じゃないか。子供だっているんだろう?えぇ?」
 
 【170】は、まさに大泉洋が私に対し、そう言って説教をしている瞬間の写真ですね。