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科捜研の女 #04【再】

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鈴井貴之氏近況を語る

藤村 | 2004/12/15(Wed) 21:51:05


 1年間の予定で韓国へ映画の勉強に行かれていた鈴井貴之氏が、「銀のエンゼル」東京公開に合わせて一時帰国されました。
 そして12月15日水曜日、久しぶりに鈴井、大泉ご両名が揃って札幌・HTBに登場。近況報告を兼ねて本誌記者がご両名への独占インタビューを敢行いたしました。

―いやぁミスターさん、メイクの最中ですがちょっとお写真一枚よろしいですか。

あぁどうぞ。

カシャ。

―あぁ、いいお顔ですなぁ。いやいや、改めましてお久しぶりでございます。

お久しぶりです。

―韓国へ行かれてちょうど1ヶ月になりますが、どうですか?早かったですか?

そうですねぇ、もう韓国へ行ったその日から、映画の現場に入りましたからねぇ。

―なんでもあの、チャン・ドンゴンさん(ブラザーフッドの主役)にお会いになられたと。

いきなり僕の隣に座りまして。

―どんな感じでしたか?

あぁもう、ちゃんと座ってましたよ。

―チャン・ドンゴンだけにね。それで今は、韓国内ではなくタイでロケをしてるそうですね。

そうです。ちょうど1週間ぐらい前から、僕も帯在してます。

―タイだけにタイ在と。その映画の題名ってなんでしたっけ?

「台風(タイフーン)」です。

―タイだけにね。

ものすごい大作ですよ。

―わかりました。

・・・インタビュー冒頭からいきなり繰り出される鈴井氏のジョークに本誌記者もたじたじ。

―食事なんかはどうされてるんですか?飽きてないですか?

飽きてますよ。ホントにもう毎回、キムチが出るんですよ。タイに行ってもロケの現場にはキムチが出されますからね。もうキムチ悪いぐらいに。でもそんなこと言ってられないんで、現場で僕、人一倍キムチを食ってるんですよ。「おっ。やるな日本人」みたいなね。

・・・今はもっぱらキムチの食いっぷりで韓国映画界に積極的にアピールしていこうという鈴井氏。彼の目に、果たして韓国映画の現場はどう映ったのか?

―まだ1ヶ月ですけど、この段階でまず感じたことはなんですか?

韓国映画というより、「大作映画の現場」という意識がまずありましたね。見たこともない機材がいっぱいあるんですよ。スゲーな!と。雨のシーンがあったんですけどね、もう空一面にアンテナみたいなのを何本もクレーンで吊って、そこからブアーッとすごい勢いで雨降らせるんですよ。うわぁー!こんなの使ってんだぁって。

―もう日本とはスケールが違うと。

いやでもね、聞いたら日本にもちゃんとそういう機材はあるんですって。ただ映画ではほとんど使わない。CMとかで使うと。要はお金の問題でなんですね。

・・・立派な機材はあるのに映画では使えない。日本における映画のポジショニングが如実に伝わる話である。

あと、時間の使い方も贅沢。1日10カットぐらいしか撮らないですから。

―ちなみに鈴井監督の映画は1日どれぐらい?

ヘタしたら50カットとか撮りますよ。時間に追われて。あとね、韓国は1カット撮影したら、その場でパソンコン使ってどんどん編集してっちゃうんですよ。

―ほぉ!じゃ、すぐに出来栄えが確認できて、ダメならすぐ撮り直しもできると。

絵コンテとかもちろんあるんですけど、「ここはもっとこうしよう」とか、編集した映像見ながら現場でディスカッションして、どんどん変えていってますね。

―それはいいなぁ。

とにかくスタッフの数が違います。150人ぐらいいたかなぁ。スタイリストだって5人ぐらいいましたから。

―小松が5人もいると。

メイクも5人以上はいましたね。

―諸橋も5人いると。おたくの映画は小松と諸橋だけですもんね。

まぁ、そうですね。

―ところで韓国語の方はどうなんですか?上達したんですか?

ヒヤリングが難しいですね。早口だと全然わかんない。

―でも「本番!」とか「テスト!」とか、そのへんの言葉はわかるんでしょ?

それぐらいはね。よく監督が「カプシダ」って言うんですよ。

―カプシダ?どういう意味ですか?

「行くよ!」って意味ですね。で、だんだん怒ってくると「カジョッ!」って言うんです。「行くぞッ!」ってことですね。だからもう「カジョ」が出てきたら注意が必要と。

―ちなみにミスターさんは、向こうでなんて呼ばれてるんですか?

「スズイカンドクニ」。

―スズイカンドクニ!鈴井監督さんってことですか?

そうですね。

諸橋)あ、鈴井さん鼻毛出てます。切って下さい。

・・・突然、メイク諸橋から鼻毛が出ていると指摘されたスズイカンドクニは、小さなハサミを取り出して鼻毛を切り始めた。

―ホームシックにはかかってるんですか?

うーん・・・あっち行って10日目ぐらいですかね。部屋にひとりでいて・・・オレ、いつまでこうしてるんだろう、なんてね。・・・寂しくなりましたね。

―鼻毛を切ってもひとり、みたいな。

まぁそうですね。

―でも、それも徐々に薄れてきたと・・・。

うーん、どうでしょうね。でもまぁ、とにかく今は、早く言葉がわかるようにならないと・・・。

・・・異国の地で、言葉もなかなか通じない中で、キムチを口いっぱいにほおばりながら、「韓国映画の今」を必死に吸収しようとしているスズイカンドクニ。それは、鼻毛をも急速に伸びやかすほどの苦労を、彼に与えているのだろう。

しかし、その鼻毛の伸びは同時に、彼が韓国で様々なものを吸収しているという証でもあるのだ。

インタビューもそこそこに鼻毛の手入れに余念がない彼を見ながら、本誌記者はそんなことを思った。

まだまだミスターの映画修行は始まったばかり。これからもっともっと鼻毛を伸びやかし、来年には、天空を突き刺すほどの威風堂々たる鼻毛で北海道に戻って来て下さい。

それまで、がんばれ!スズイカンドクニ!

カジョッ!スズイカンドクニ!

■「大鈴独占インタビュー」次回は、いよいよフジテレビのドラマ「救命病棟24時」に出演が決定した大泉洋氏に、その心境をたっぷりと伺います。お楽しみに!