平岸我楽多団

11月29日放送 「四国R-14」第一夜

藤村 | 2000.11/30(THU) 14:02


 第一夜の放送終わりました。視聴率出ました。

「うーん・・・と、そうだなぁ・・・とりあえずっていうか・・・」

 と、まぁ歯切れ悪い感想で申し訳ない。11%ちょっとでした。

 こっちとしては、「ドラマ部門週間視聴率ベスト10入りをもくろむ」という相変わらずの、みのほど知らずの強行姿勢を崩さなかったもんだから、「まだまだ、これからじゃ!」という気持ちでおります。

 さっそく、多数のご意見をいただき、一字一句を丹念に読ませていただきました。社交辞令ではなく、私は「同業者」より、「視聴者」のみなさんの意見の方が、「絶対に正しい」と思っております。だからと言って、「ちゃんと感想書かないと!」と思う必要はありません。いちいち、たかがテレビ見るのに「感想を述べる」ことなど不必要です。「おもしろかったか」「つまんなかったか」どっちかですから。でも、我々のお願いとして「どこらへんがおもしろかった?」というちょっと突っ込んだ意見も聞きたいということです。

 そして、ありがとうございます。言うまでもなく、みなさん書いてくれましたなぁ。

 読んだ感想。

「あぁ〜よかった。怖がってくれたか。オープニングの白装束の大泉さん登場で、笑わなかったか。あれ意外と大事なとこだからなぁ。とりあえず良かった。それから、肝心の事実の告白シーンは、ちゃんとわかってもらえたようだなぁ。安心しました。でも、唐突な部分もあったか。やっぱ、作ってると気づかないんだなぁ。反省ですな。」

 
 さて、本題。

 四国で起きた「あの怪奇現象」の中に隠されていた真実・・・。

 ドラマの中では、森崎演じる「藤木」という、藤村Dに似た男が、その真実を隠していたことになっていました。

 でも、実際は「嬉野D」が、あのことをずっと隠していました。

 大泉くんだけではなく、この私にも。
 
 この私にも、嬉野くんは、「うそ」をついていたのです。

 嬉野くんが、「真実」を、なんの前ぶれも無く、私に語りだしたのは、四国八十八か所ロケも終わって、次の「カブ西日本の旅」のロケ中のことでした。

 旅も終わりに近づいた、九州・湯布院。

 予定通りいけば、2日後には、長く続いた「どうでしょう」の旅も一区切りがつく。残りわずか・・・。そんな夜でした。

 4人で、風呂に入っていました。私は、3人と少し離れて、露天風呂につかっていました。そこへ、嬉野くんがやってきました。

 「いやぁ・・・気持ちいいねぇ・・・」
 「でしょう?来て良かったなぁ、この温泉・・・」

 嬉野くんは、私の横に座り、気持ちよさそうに、空を眺めました。

 
 そして・・・語り出しました。

 「藤村くんさぁ・・・」
 「なに?」

 「四国でさぁ・・・」
 「ん・・・?」

 この人なに言い出すんだろ・・・。その時、嬉野くんの顔を見て、瞬間的にちょっと奇妙な気分になったことを、今でもはっきり覚えています。

 「四国行った時さぁ・・・」
 「あぁ・・・なによ・・・」
 
 「あの・・・変なこと、あったでしょ。」
 「おぉ・・・。」

 「あん時さぁ・・・おれ、境内で撮った画が、無かった言ったでしょ。」

 その瞬間です。

 嬉野くんが、次の言葉を口にするまでの数秒間の間に、ぼくの頭の中がものすごい勢いで、「あの出来事」を整理し始めました。
 
 境内で撮影した。
 カメラは回ってた。
 そして、ピピピ・・・ってアラームが鳴った。
 カメラが止まった。
 車に戻った。
 ぼくと大泉くんは、しゃべってた。

 横で嬉野くんが、巻き戻して確認してた・・・。

 嬉野くんが言った・・・。「映ってないよ・・・。」

 そこまで頭が回ったとき。すぐ横にいる嬉野くんが、信じられないことを言った。

 
 「本当は、映ってたんだよ。」

 

 「あっ・・・」

 

 言ったきり言葉が出なかった。
 
 考えていた。

 嬉野くんが、ひとりで巻き戻して確認した。
 だから、「事実」は嬉野くんしか知らない。
 
 「事実」は、嬉野くんしか、知らない。

 その嬉野くんが、今「映ってた。」と言った。
 これは、事実だ。
 じゃ、なぜ無くなった?
 
 
 「おれ、消しちゃった・・・。よくわかんないけど、絶対、誰にも見せちゃいけないと思って消しちゃった。」

 
 ショックだった。

 「消した」という事実が、実は一番ショックだった。

 「貴重な映像が無くなっってしまった!」という意味じゃない。

 テレビを作っている嬉野くんが、カメラを担当している嬉野くんが、「撮ったもの」を「ためらわずに、自分の手で消した」という事実の重さがショックだった。

 そのあとのことは、その場で、もう聞かなかった。何が映ってたのか、そんなこと聞く勇気もなかった。

 その時、奥の洗い場から、大泉さんがやって来た。

 「どうだい?気持ちいいかい?」
 「ん・・・?おぉ!気持ちいいぞぉ!大泉くん!」

 「・・・なに話してたんだい?」
 「え?・・・いや、嬉野くんが怪談話しをするもんだからさぁ・・・」
 「いい歳して、なにやってんのよ・・・うわっ!」
 「なんだ!!どうした!!」
 「今なんかオレの足に触ったぞ!」
 「なに!?・・・うわっ!オレの足も触った!なんだ!おい!オイ!」

 「あっ・・・葉っぱだ。ホラ。なんだよ、ちゃんと掃除しろよな・・・。」
 「葉っぱか・・・よかった。びっくりした。」
 「藤村くん、キミ驚きすぎだぞ、相変わらず。」

 「おぉ・・・そうだな・・・驚きすぎだな・・・。」

 それっきり、そこで話は終わった。

 後日。嬉野くんに、聞いた。なにが映ってたのか。

 ここでは言わない。

 ドラマに出てくる「手」というのは、実は違う。フィクションの世界の常套手段を使わせてもらった。嬉野くんから真実を聞いた人は、数人しかいない。そこに大泉さんは含まれていない。だから、ここでは、言えない。

 ドラマを作りながら、我ながら思った。

 「いやぁ・・・本気だなぁ。でも、本気で作らないと。人に見せる仕事なんだから。」

 
 実は、事実にもとづいているのは、これだけではありません。

 写真の一件もそうです。

 上島の奥さんの話も、そうです。

 この後も、実話が出てきます。

 嬉野先生は言いました。

 「やっぱり、事実が一番おもしろいよね。どんどん書けちゃうもん。事実を繋ぎあわせていくと、次々に話が進んでいくもの。」

 第1話は、あくまでも導入部です。これからストーリーが、どう展開していくのか、楽しみにしてください。

 くれぐれも怖がらずに、見ること!途中で挫折した者も何人か見受けられます。ばかもの!なにやっとるんだ!そりゃ多少は怖いけど、最後まで見なさいって!後悔するから!!


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