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日本最北の湿原をかかえる原野。「サロベツ」とは、アイヌ語の“芦原を流れる川”に由来します。地名そのものが地域の特色を物語っています。湿原は泥炭で出来ています。枯れて死んだ植物が蓄積したのもが泥炭です。その成長は1年に1ミリ。泥炭地の形成は5千年前ほど、メソポタミア文明時代にまで遡ります。
富士元 寿彦(ふじもと としひこ)
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1953年1月15日地元幌延町生まれ。大学卒業後、幌延に戻ってフリーの写真家となる。サロベツ原野をフイールドに、北国の自然や野生動物をテーマに撮影を続けている。 |
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モモンガ
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エゾクロテン
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富士元さんは、生まれ育ったサロベツの大自然を30年近くに渡って撮影してきました。
サロベツ原野は日本最北の大湿原がその中心を成しています。そこから見えるのは、野生動物の命のドラマと輝きだと言います。四季を通して記録しているのは、エゾユキウサギ、モモンガなどです。冬には、スキーを履いて雪原の上に残されたウサギの足跡を追いかけます。晴れの日も雪降る日も。ウサギの足跡は彼らのメッセージです。何時間も歩き続けて彼らを見つけ出すのが最初の仕事です。苦労した後には、富士元さんとウサギたちの無言の会話があります。しっかりさまざまな表情や仕草を見せてくれます。 |

アカエリカイツブリ
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エゾユキウサギ(冬毛)
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厳しく冷える夜には、森の空を飛ぶモモンガに会いに行きます。暗闇の中、懐中電灯が頼りです。シャッターに掛けた指先は寒さで凍えます。モモンガは冬眠しません。樹洞に5〜6匹で共同生活をしています。お互いの体温で厳しい寒さを乗り越えます。モモンガは夜行性です。日が落ちると、餌を食べるために木から木へと体の横の皮膜をひろげてグライダーのように滑空します。この時がシャッターチャンス。富士元さんのカメラのフラッシュが光ります。
この他、夏の湖沼での海鳥アカエリカイツブリの子育て、秋のオオヒシクイの群れを成しての渡りなど、原野には四季を通して野生のドラマを追う富士元さんの姿が在りました。その行動は、命のドラマを伝えたいという情熱と、多様性のあるサロベツ原野の素晴らしさを次世代に残したいという信念に支えられています。
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