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魚顔レンズ

2018年06月26日(火)

滑り続ける理由

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及川佑(おいかわ ゆうや)、37歳。

スピードスケートの世界では、

"超"が付くほどの有名選手だ。

「調子がいい時には、スタートで構えた瞬間、

100メートルの通過タイム、100分の1秒まで分かりました。

ほとんど誤差はなかったですね」

研ぎ澄まされた感覚と

爆発的なスタートダッシュを武器に、

世界の舞台で戦ってきた。

500メートルで日本記録を樹立。

ワールドカップでの優勝も経験した。

4位になった2006年のトリノ大会から

オリンピックに3大会連続出場。

去年の12月、オリンピック代表選考会。

その連続出場が途切れた。

世界の舞台で戦うようになってから初めて

夢舞台に手が届かなかった。

"引退"。

多くの人が一度はそう思っただろう。

及川本人も「相当悩んだ」という。

そして、相当悩んだ末に出した答えは、

"続行"だった。

決断の背景には、

所属企業の支えがあり、

家族の後押しがあり、

なにより、自分を信じる心があった。

もう37歳。

体だって万全じゃない。

若手も伸びてきている。

それでも。

「まだいける」

自分の可能性を信じられる限り、

及川佑は滑り続ける。