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特捜9 season4 #13【再】

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TOYAから明日へ TOYAから明日へ とけてゆくスイス

2016年211日(木・祝)
ごご2時放送

■制作スタッフより

プロデューサー 濱中貴満

私は1988年にHTBに入社し、この番組のエクゼクティブプロデューサーに鍛えられ・・・これまでニュース、情報番組、スポーツ中継、ドキュメンタリー、連続ドラマ、単発ドラマ、バラエティ・・・といった数多くの番組のディレクター、プロデューサーを続けてきました。担当してきたジャンル、それぞれにテレビの魅力にあふれていますが、私はドキュメンタリー、その中でも科学をテーマにしたドキュメンタリーが最もロマンのあふれる番組だと思っています。普通、ロマンといえば恋愛ドラマ?ロマンスでしょ!というイメージを抱く方が多いと思います。でも私は科学番組にこそロマンがあると思います。恋愛は成就するまでがロマンスです、科学技術もその技術が実用化され私たちの未来が変わる!というところにロマンを追い求めるのです。
翻ってテレビというものを考えてみると、これは科学技術のかたまりです。私はテレビの仕事に携わっていますが、100年前にはテレビすら存在していませんでした。つまり私は100年前にタイムスリップしたら失業・・・テレビジョンという映像伝送の科学技術ができたおかげで存在する職業、そして産業です。もちろん飛行機も自動車もネットも冷蔵庫もエアコンも根底にあるのは科学技術です。その科学技術のおかげで、テレビの場合は自宅にいながら様々な番組を楽しめるようになっていると思います。テレビの技術は日々進歩しています。2006年にデジタル化を成し遂げた後、いまは4K そして 8Kといった高画質の技術がどんどん登場しています。
ご覧いただく番組は「ドキュメンタリー サイエンス ロマン」として制作しました。多くの科学者が登場します。氷河学者は地球の氷河を研究していますがその動きや性質を知るために、物理学、数学、気象学、地質学など様々な学問に精通し、しかも実際の調査はクライマー顔負けという苛酷なものです。その苛酷な研究を撮影しました。また、スーパーコンピューターの専門家、化学のトップランナー。彼らの研究のテーマはなにか?そこに共通するものはなにか?わたしはうんうん考えました。それは「未来への好奇心」だと私は思いました。地球の今を知ることは 未来の地球がどうあるべきかを自分たちに問いかけることです。最新の科学技術を研究する、それは未来の人類の生活を職業を支えるものになる・・・まだ見ぬ未来だから、なんだって実現できる、そんなロマンを感じています。
もちろんテレビ屋としても負けていられません、最新の技術がつまった高画質4Kカメラをフルに活用し、絶景スイスのアルプスそして氷河を映像に収めました。「とけてゆくスイス」というタイトルが象徴するように地球温暖化は計り知れないインパクトを人類に与えようとしています。しかし手をこまねいているだけでは前に進みません。いまは実現していない科学技術も、将来には必ず実用化されて人類を怖ろしい温暖化から救う、と信じています。この番組をみた少年少女のみなさんが、科学ってかっこいい!将来科学者になりたい!地球を研究したい!と思っていただければ望外の喜びです。最後に元朝日新聞スイス・ジュネーブ支局長に、この番組の舞台となったスイスの今と歴史について様々なアドバイスをいただきました。お礼を申し上げたく思います。

撮影 石田優行

私は20代で東京でカメラマンのキャリアをはじめ、世界20カ国以上でテレビ番組の撮影をしてきました。最近では2年半HTB釧路支局でカメラマンを担当 しました。世界をいろいろ撮影してきた私の眼から見て、スイスアルプスの絶景は筆舌に尽くしがたい美しさだと思って、ファインダーを覗いていました。天を貫くマッターホルン。言葉にできないほど綺麗に青く輝く氷河、どこまでも澄んだ青空、そして氷河の周りの奇岩、氷河がゆっくりと削った崖、アルプスの少女ハイジの物語の世界のような山岳風景、自分が撮影したかった映像のオブジェクトのすべてがここにありました。その映像を表現するために、今回の撮影では日本から4KカメラSONY PMW-F55そしてもう一台の4KハンディカメラPANASONIC X-1000を使いました。もちろん通常のハイビジョンカメラやハンディカメラ。そしてマルチヘリコプターからの空撮カメラを含めて5台のカメラで様々な 映像の撮影に成功しました。これだけの機材なのに札幌からのスタッフは3名だけ ディレクターでプロデューサーの濱中さんは取材で睡眠不足の中、スイスの大地をレンタカーで運転し、ディレクターの及川君も大型番組が初めてながら奮戦していました。私たちが調査に同行した、北大の杉山准教授ら、そして優秀な大学院の学生さん達と山道や氷河の上を何時間も撮影のために登りました。そうやって撮った映像の数々を、HTB×氷河第三弾 TOYAから明日 へ「とけてゆくスイス 氷河×光×地球の未来」として放送に至ります。僕たちカメラマンは「言葉」では語れません。でも今回は「言葉にできない」美しい映像を皆さんにお届けできたら望外の喜びです。ぜひ、ご覧いただければと思います。僕は個人的に、必ずもう一度今度は妻と二人で美しいスイスアルプス特にマッターホルンとツェルマットを訪れることにしています・・・・

ディレクター 及川桂司

重い機材を背負ってたどり着いた先にあったのは、
まぶしい純白の雪や氷河、切り立った山、抜けるような青い空が広がる世界。

スイスで感じたのは「氷河」が人びとの生活の
身近にあるということです。
氷河はスイスの人びとにとって観光資源であり、
水源であり、水力発電の電源であり、
時に災害を引き起こす存在です。

だからこそ、地球温暖化などによって氷河がとけるということは、
スイスの人びとにとって生活にかかわる
”いまそこにある危機”であるといえます。

北海道も、その危機と無縁ではいられないはずです。

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