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番組審議会だより
北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,2ヶ月に一度第4日曜午前5:35から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。
第516回北海道テレビ放送番組審議会概要
日時
2019年7月25日(木)
15:00~16:55

審議テーマ
「“少子超高齢化時代”におけるテレビの役割」
出席委員
岡田美弥子 | 委員長 |
斎藤 歩 | 副委員長 |
深江園子 | 委員(レポート参加) |
佐賀のり子 | 委員 |
佐藤 敦 | 委員(レポート参加) |
貝澤珠美 | 委員 |
気賀沢祐介 | 委員 |
松原宏樹 | 委員(新任) |
会社側出席者
代表取締役社長 | 寺内達郎 |
常務取締役 | 森山二朗 |
取締役 | 岡 茂憲 |
報道情報局長 | 中川圭亮 |
番組審議会事務局長 | 斎藤 龍 |
【審議テーマについての委員意見要旨】
<議題設定について>
■ネットにシフトした若者たちが歳月を経ればテレビに戻ってくるわけでは決してない。その意味では「少子」と「超高齢」は連続性のある問題としていま対策を講じるべき課題だ。
■この場で議論すべき議題なのか違和感がある。高齢者の興味と不安をターゲットにして週刊誌は命を繋いでいるように見えるが、もう若者は週刊誌を読まない。民間のテレビ局がこんな刹那的なテーマを議論していたら同じようになってしまう。
<シニア層のニーズに応え、活力を与える番組コンテンツとは>
■ほぼすべてのシニア層にとって、最も関心があるのは「健康」だ。「災害」と同じで「健康」というテーマは定期的に考えて予防する必要があるので、特に目新しい情報でなくても見てしまう。
■高齢者は時間的に余裕があるので、じっくりスポーツ中継を見てもらい、そこからスポーツの体験イベントなどへの誘導も効果的かもしれない。
■学習意欲や新しいことに挑戦してみたい方がたくさんいるので、テレビで様々なことを学び、双方向で交流できると良いのではないか。
■高齢者の多くは、自分の若いころの話や懐かしい思い出を語る時にイキイキとしているようだ。
通販でも60年代や70年代のヒット曲を集めたCDが良く売れている。まさしく「思い出」を買っているのだ。過去の番組の再放送やそれらを編集した番組を制作するのも良いのではないか。
■「6ポケット」という言葉に象徴されるように、近年のシニア層の消費は孫に向けられたものが増えている。孫との話題作りができるような情報番組を制作してみてはどうか。
<高齢者に寄り添い充実した人生をサポートするには>
■災害情報はもちろん避難経路や災害対策に関する情報など、高齢の視聴者に対してテレビというメディアがサポートできることは多い。わかりにくい災害情報の専門用語などを解説するような番組やコンテンツなど、最も身近なメディアであるテレビの強みを活かしてほしい。
■ひとり暮らしの高齢者世帯で、テレビ電源のオンオフを使った安否確認ができないだろうか。既存の安否確認サービスを提供している企業と連携するような取り組みがきると良い。
■番組を一方的に送り出すだけではなく、番組を見てリアルイベントに参加する、それをもとにイベント参加者のコミュニティを作る、そのコミュニティの意見を反映させてさらに次の番組を作っていく循環が出来ないか。高齢者が外に出る機会が増えれば生きがいにもつながる。
■シニア層に的を絞るより、質の高いものを作っていくことが優先だ。高齢者施設の入居者などは若い方に会いたいのだ。子どもや若者などと一緒に楽しめるものが良い。
■テレビが 社会を正確に見られる窓であり続けることが、充実した人生をサポートすることになる。地方の放送局については地域を正確に見られる窓ということになる。
■今後テレビが伝える報道情報には偏った一方的な情報提供ではなく、従来にも増して正確性や客観性を高めて他のツールとの差別化が求められる。
<これからのテレビがターゲットとして軸足を置くべき視聴者層は>
■優良なコンテンツの提供が、若者層の新たにテレビを買うきっかけになるとは考えづらい。一方で、中高齢者にとっては、シンプルで分かりやすいテレビは引き続き生活を支える重要な役割を担っていくだろう。
■テレビも新聞も高齢者に支えられている構造は同じとしても、新聞は小さい字が読みづらくなると離れてしまうおそれがあるが、テレビは受動的であるがゆえに超高齢者にとって最後まで最も身近な情報源であり続けるだろう。
■「若者」を排除すべきではない。テレビの将来を考えれば、若者対策は避けて通れない。高齢者世代に安易に日和るのではなく、将来を見据え、若者に見てもらう努力や模索は続けるべきではないか。
■シニア層以外に軸足を置くべきは幼児と児童だ。幼児や児童をテレビの視聴者として囲い込む必要がある。キーワードとして 「アニメ」と「教育」に注目している。海外アニメにひらがなの字幕を付けて英語のまま放映すると英語教育の要素も加わる。
<テレビが果たす役割>
■テレビが他よりも健全で信頼できるメディアであると認識され、全世代にとって有用な情報や上質なエンターテインメントが放映させている限り、テレビの有用性は変わらない。
■テレビは様々な理由で活字を読むのが辛い人たちにも、深い内容を丁寧に届けられるメディアだ。私は視力に将来的に不安があるため、自分の今後のためにも音声メディアやテレビに期待する。
■これからの夢を描く小さな子どもたちや若い大人たちに途方もない未来を描いてもらう役割が、特に民放テレビ局には必要だ。今の若い世代がその次の時代を考え、夢見ることができるような役割をテレビに期待している。
■新聞が紙からデジタルへと舵を切り、一部は専門分野に特化したバーティカルサイトを数多く立ち上げつつあるように、テレビも電波からアベマテレビのようなインターネットテレビの世界にもっと踏み出すことが必要だ。
次回の放送番組審議会は9月26日(木)開催予定です。