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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,2ヶ月に一度第4日曜午前5:35から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第531回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2021年2月25日(木)コロナ禍の影響によりオンライン開催

審議対象番組

テレメンタリー2020「過疎を取るか 核を取るか~「核のゴミ」処分場に揺れるマチ~」

出席委員
岡田美弥子 委員長
斎藤 歩 副委員長(レポート参加)
貝澤珠美 委員(レポート参加)
気賀沢祐介 委員
松原宏樹 委員
穴澤龍治 委員
森平和歌子 委員
桜木紫乃 委員
会社側出席者
代表取締役社長 寺内達郎
常務取締役 森山二朗
報道情報局長 中川圭亮
編成局長 橋本秀利
番組担当プロデューサー 金子 陽
番組担当ディレクター 雲戸和輝
番組審議会事務局長 斎藤 龍

【審議対象番組についての委員意見要旨】

【評価点】

●冒頭の幌延町の研究施設地下にエレベーターが降りていくところが、深く重たい問題を想像させ、到着して開けたドアのきしむ音が核の不気味さを効果的に表現しており、引き込まれた。

●これぞドキュメンタリーという番組で、30分番組とは思えないほど、見応えがあった。

●テーマそのものが意見の対立する難しいテーマであるが、その中でもどちらかに偏ることがなく、全体的にバランスの取れた構成だった。

●2つの町と村、それぞれの核施設誘致に向けた取り組みの違いを比較し、冷静な議論を促す番組だった。

●核は反対だけど、でも人類が作ったものは人類が責任をもって処分しなくてはいけない。このような葛藤が、番組からしっかり伝わった。

●2つの自治体の文献調査に応募するに至った歴史的経緯や背景を示し、首長や住民の本音とも言える発言や言葉の裏側に見える考えを引き出し、他地域の人たちにもこの重大な問題を考えてもらおうという、優れたドキュメンタリーだ。

●この番組は本当に素晴らしい構成によって作られている。視聴者がちゃんと考えるように作られているのが分かる。人の世、人の心の動き、弱さが短時間の番組にみっしりと詰まっていた。

●寿都町、神恵内村における高レベル放射性廃棄物の地層処分に係わる文献調査への応募について、時系列に基づいて事実関係が忠実に追われ、応募に至った一連の流れがダイジェスト的に、分かりやすく伝えられていたように感じた。

●もちろん原子力発電が、私達の快適な生活を支えてくれていることは事実なので、北海道に建設されないようにすれば良いという安易な考えでもダメ。日本国民一人一人が、真剣にこの問題に向き合って考えるべきだというメッセージをこの番組から受け取った。

●寿都町の片岡町長への密着取材のような映像が組み込まれていたが、本人の思いや人柄が垣間見られたとともに、番組にもメリハリがついて良かった。あの状況下でどうして密着取材が許されたのか、取材力や交渉力の高さに改めて感心した。

●同じような過疎の問題を抱える近隣の地域で、同じゴールを目指す2人の首長のリーダーシップのスタイルが大きく異なることは、経営学の研究者としても非常に興味深かった。

【要望・改善点】

▲冒頭の幌延深地層研究センターには、実際の核ゴミが有るのだろうか?実物模型とあったので、核は無いのだと思ったがそこが分かりづらかった。

▲予備知識がない人たちがいきなり見て、どこまで理解しやすいつくりになっているのか、非常に心配になった。

▲北海道でこの問題を長年取材していると思い入れが強いのかもしれないが、複雑な問題を分かりやすく描くために今回の番組では、あえて「幌延」は省いても良かったのではないかと感じた。

▲寿都町長の発言と、神恵内村長の態度を同じ土俵で考えてはいけないという印象があるが、番組自体は、つよい対比をしていなかった。このふたつの町は、同じ理由で名乗りを上げたように見えるけれども、なにか違うんじゃないか。

▲今回、両首長が文献調査への応募(受入)を決断したのには、どんな理由や思いがあったのか、視聴者の“何故?”に答えるような、少し踏み込んだ取材があればより良かった。

【提言】

☆寿都町、神恵内村の2町村をめぐるこの問題は、当然「第2幕」「第3幕」もあるはずだ。その都度、機会をとらえ、過疎問題、地域振興、地方自治のありようも含めた幅広いテーマとして、国民全体で考えるべきテーマだ。テレメンタリーの枠にとらわれずに、全国に発信していってもらいたい。

次回の放送番組審議会は3月25日(木)開催予定です。

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