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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員10名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は,2ヶ月に一度第4日曜午前5:35から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第534回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2021年5月28日(木)15:00~17:00
(コロナ禍の影響によりオンライン開催)

審議対象番組

テレメンタリー2021「ポネオハウ-アイヌの私-」

出席委員
岡田美弥子 委員長
斎藤 歩 副委員長
貝澤珠美 委員
気賀沢祐介 委員
松原宏樹 委員(レポート参加)
穴澤龍治 委員
森平和歌子 委員
桜木紫乃 委員
及川華恵 委員
会社側出席者
代表取締役社長 寺内達郎
常務取締役 森山二朗
報道情報局長 中川圭亮
編成局長 橋本秀利
番組担当プロデューサー 坂本英樹
番組担当ディレクター 広瀬久美子
番組審議会事務局長 斎藤 龍

【審議対象番組についての委員意見要旨】

【評価点】

●番組はお店の準備風景から始まり、5分後「言えなかった アイヌだということを」という豊川さんの独白から本題が始まりストーリーが流れ出す。インパクトが強く効果的な導入だった

●豊川さんを中心としながらも、それ以外の関係者の声やお客さんとのやりとりなど、豊川さんの心の動きに影響を与えた重要な要素が効果的に盛り込まれ。よく組み立てられた構成だった。

●一人の女性の壮絶な人生に引き込まれ、涙が溢れてくるシーンが何か所もあり番組の構成が上手くてさすがだ。

●自分は差別などしていないと思って生活している人の方が多いと思うが、本当の意味で理解するということの意味を「ポネオハウ」という料理を通じて考えさせられた。

●豊川さんは、私と同世代で育った環境が似ている。「アイヌである事が嫌だった」も「何でアイヌに生まれたのだろう」などと思うこともあった。年月と経験を経て、アイヌである事を好きな事を通して表現していこうと最終的に思った事も共感できた。

●この番組は、アイヌの被差別のみならず、イジメや最近のコロナ禍に関連する様々な謂われのない中傷などを受けた人たちの、心理的問題解決のヒントにもなる貴重な番組だ。

●恐怖から逃れるのではなく、「アイヌ料理」と看板に掲げ、毎日大きな鍋で豚の骨を煮込むことを選んだ豊川さんの静かで慎重なアピールには胸を打たれた。

【要望・改善点】

▲番組の柱が「差別」なのか「女の生き方」なのか「友情」なのか、判らなくなってしまったのはもったいと感じた。

▲豊川さんの、アイヌであることを知られたくないという気持ちが、何をきっかけにどのようなプロセスを経て現在の気持ちに変化していったのかが伝わらなかった。

▲子供たちとの関わり、そして44歳で乳がんの手術へ、ここは少し駆け足が過ぎたような気がする。いろいろと盛り込みすぎて焦点がぼやけた。

▲同級生の酒井さんたちと話しているシーンは、差別を受けた子どもの頃の話から一足飛びに現在の豊川さんの頑張りを応援する仲間という構図になっていたことに違和感を覚えた。

【提言】

☆これからも、アイヌ民族について取り上げ続けていくことは、北海道の放送局の責務だということを改めて意識して、様々な機会を通じて全国発信を続けてもらいたい。

☆アイヌに対する差別や偏見について、道外ではまだまだ知られていないと思う。多くの方々に見ていただき、アイヌに対してだけでなく、差別や偏見についてあらためて考えるきっかけになることを願う。

次回の放送番組審議会は6月17日(木)開催予定です。

過去の審議会だより