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番組審議会だより


 北海道テレビ放送では、番組審議会委員9名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は、2ヶ月に一度第4日曜午前5:40から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。

第546回北海道テレビ放送番組審議会概要

日時

2022年7月20日(水)15:00~16:30

審議対象番組

動画配信時代 地上波テレビに望むこと

出席委員
岡田美弥子委員長
斎藤 歩副委員長
穴澤龍治委員
森平和歌子委員
桜木紫乃委員
及川華恵委員(レポート参加)
鍋島芳弘委員
田村ジャニーン委員
樋口 太委員
会社側出席者
代表取締役社長寺内達郎
取締役佐古浩敏
報道情報局長伊藤伸太郎
編成局長橋本秀利
コンテンツビジネス局長中川圭亮
編成部長佐々木淳一
番組審議会事務局長渡辺 学
番組審議会事務局佐藤浩章

【審議テーマについての委員意見要旨】

≪メディアの現状と地上波テレビの課題≫

・インターネットでは非常に沢山の情報が流れており、いつでも、どこでも、自分の見たいものを自分で選んで見ることがでる。しかし、それゆえに自分で情報を取捨選択し、情報を正しく理解する能力が必要になる。

・ネットのコンテンツは、キーワードひとつでいくらでも画像が出てくる魅力がある。
リアルタイムの番組が、この便利さと向こうを張っていくのは困難では。

・見ているときに「自分も参加している」というライブ感が欲しい時代なのでは。
コール&レスポンスのスピード感が求められていることを感じている。

・ホテル業界で、テレビが無いことがクレームになるのはZ世代が多い。Z世代は特にテレビ依存度が高い傾向が強く、良く言えばテレビに対する信頼度が高いとも言える。放送内容に制限と限界がある一方で、それにより信頼度が高い点が、地上波テレビの優位性だ。

・ネットと地上波の広告費や視聴時間が逆転したことから、テレビ局もネットによる動画配信に対応していくことが必要。

・組織力と資金力では、地上波テレビは現時点でかなりリードしていると思う。資金力があれば社会問題や専門的な科学を特集した番組や芸術特集番組などで著名な専門家の協力も得られやすい。

・家ではYouTubeやプライムビデオ配信が主、リアルタイムで見るテレビ番組は朝晩のニュースや天気予報以外ほとんどない。

・すでに多くのテレビ局が行っている番組の見逃し配信,あるいはYouTubeチャンネルでのコンテンツ配信など,テレビ局がネットと共存していくことは避けられないと考える。

≪地上波テレビが果たすべき役割とは≫

・現在は、ニュースの一次ソースは記者ではなく、一市民によることが普通になってきている。情報化社会ではむしろ自然なことなのだと思う。その得られた一次ソースをテレビがどう料理するのか、ということがテレビに与えられた役割なのではないか。ジャーナリストや専門家が一貫した視点から見解を伝えることが、情報を正しく理解してもらうために必要。

・これまでのどんな時代よりも「質」が問われ始めた。「いつ」ではなく、「誰が」「何を」発するかに重きが移ってきていると感じる。「特色」が求められている。

・テレビの良さは、スタッフが公共を担っているというプライドをもち、丁寧にコンテンツを作ることだと思う。安易さを排除して手間暇をかける。こうしたことが信頼を生み出す。どんなジャンルの番組でも、自由のきくネットの大胆なコンテンツにあおられ、奇をてらうことがあってはならない。

・コンテンツで勝負するという、原点に立ち返るしかない。テレビ局にはスタジオがあり、映像・報道プロフェッショナルがいて、それらを放送できる設備がある。素人のネット配信とは、クオリティや信頼度において、格段の差がある。

≪求められる「コンテンツ」について≫

・地上波だからこそできるコンテンツとしては、ドキュメンタリー番組だと思う。社会的使命としてのコンテンツを作り、見逃し配信を有料にして永久視聴ができるような環境を整えてほしい。

・生放送番組を充実させるべき。朝夕のローカル番組や、災害など非常時の放送もネット配信より有利。ネットだと回線が途切れたり、デマ情報が流れる可能性も高いが、地上波で正確性、中立性のある情報が期待できる。

・地上波テレビが優位に立てるジャンルが報道。外国人に向けて多言語で提供出来たらとても便利になる。多くの情報を短時間で伝えるため、特集などを取り上げている間に、画面の下でその日のヘッドラインニュースをバナーで流せばいい。

・道内在留外国人は3万8000人あまり、うち半分以上は雪の降らない国から。このため、雪国の住み方を紹介する番組は役に立つと思う。除雪、冬道の運転、ウインタースポーツ、観光やイベントの紹介など。VODで配信したら全国どこでも必要な時に見られるし、多言語の字幕を選べるようにすれば国籍を問わず安心して見られる。

≪ネットとの関わり方について≫

・ネットより高度な、取材力・制作力を生かした高品質の番組と著作権の保有という基本に尽きる。さらに地域の住民との信頼にも優位性があり、これを活かした質の高い番組づくりと動画配信時代への対応は可能だと思う。

・ネットの力を活用して視聴者の関心を高め、番組を拡散したりすることは必要だろう。コンテンツというより、視聴体験の変化ということかと思う。最新の技術を取り入れて、視聴者、あるいはあまりテレビを見ていない人にコンテンツを届けてほしい。

・一長一短では築けないブランド力が地上波テレビにはあるので、時代と共に進化する電子機器や動画配信サービスをはじめとする様々なメディアとうまく連携をし、ターゲットをより明確に絞ったコンテンツ作りを目指すべき。

・個別にスマホやパソコン、タブレットで配信番組を視聴する時代。対抗するのではなく、したたかに利用して、補い合いながらテレビがうまい所を取っていくという考えでいいのではないか。

・ネットとテレビの視聴者の重複が少ないと仮定した場合、両方のコンテンツを提供するなら、作り分ける必要がある。ネットの視聴者は短い動画を好み、テレビの視聴者は長時間のコンテンツも観ている。これを踏まえると、それぞれ異なるボリュームのコンテンツを提供する必要がある。デバイスの多様性も考慮しなければならない。

・ネットとテレビの視聴者の重複が多いと仮定した場合、平日と休日/時間帯で、利用するデバイスを変えていることが考えられる。そうであれば、テレビ用に制作したコンテンツを編集し、短時間で視聴できるネット用のコンテンツに加工して多重利用ができるのではないか。

≪その他≫

・系列を超えた(無視した)地域間ネットワークを北海道から構築すべき。地域の圏域放送であるという点をもっと掘り下げるためにも。人材育成の点でも、地域同士で切磋琢磨するネットワークを、系列に縛られない形で構築できないか。

・社外のどのプレーヤーと組むのかで、コンテンツの視聴率が左右される。動画配信サービス企業やキー局、系列局など、それぞれがもつ強みと弱みを補完し合いながら、コンテンツの多重利用を進めてほしい。1社でできないことを、いかに他社との協働で実現していくのかが、最重要課題だと考える。

次回の放送番組審議会は9月22日(木)開催予定です。

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