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番組審議会だより
北海道テレビ放送では、番組審議会委員8名の方による放送番組審議会を設け、毎月1回(8月と12月を除く)審議会を開催して、放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
番組審議会でのご意見は、2ヶ月に一度第4日曜午前5:40から放送の「あなたとHTB」でもご紹介していますのでどうぞご覧ください。
第575回北海道テレビ放送番組審議会概要
日時
2025年6月20日(金)15:00~17:00
審議テーマ
「ススキノ・インターン」
(2025年3月22日(土)~3月30日(日)放送)
出席委員
| 作間豪昭 | 委員長 |
| 桜木紫乃 | 副委員長(レポート参加) |
| 横田伸一 | 委員 |
| 清水友陽 | 委員 |
| 土田 拓 | 委員 |
| 本田真里 | 委員 (レポート参加) |
| 黒岩麻里 | 委員 |
| 小澤 香 | 委員 |
会社側出席者
| 代表取締役社長 | 寺内達郎 |
| 取締役 | 武山 忍 |
| 報道情報局長 | 伊藤伸太郎 |
| 編成局長 | 戸島龍太郎 |
| 総合制作部長 | 鹿野俊二 |
| 番組担当プロデューサー | 星 悠平 |
| 番組審議会事務局長 | 渡辺 学 |
【審議対象番組についての委員意見要旨】
≪評価点≫
・ユキナが、大学で学んだマーケティング理論をスナック経営に落とし込もうと奮闘する姿と、そこに立ちはだかる現実とのギャップが印象的だった。さらに、ユキナは理論派で融通の利かない人物として描かれていたが、Z世代ならではの視点で経営を提案するなど、大人たちとの世代ギャップも楽しめた。
・すんなりとストーリーの展開に入れて、集中力がそがれることなく一気に見ることができた。特に人物の設定や話の流れで、情報不足によるつながりの悪さや不自然さを感じなかった。
・いまどきのドラマは先が読める筋書きを否定することに主眼が置かれるが、現実社会から外れずスリリングな展開に向かわない枠組みを選ぶ方が、むしろ視聴者を巻き込むハードルが高い。今回はそれが功を奏して、登場人物たちの芝居を隅々まで味わえる仕上がりになっていた。
・ユキナがスナックゆかりに馴染んでいく時間の経過が描かれていた。時間は言葉では見えてこない。人と人との距離感が変化していくことで、そこに時間が現れる。その変化が、見ていて心地よかった。
・ユキナの話し方やセリフ回しは、いかにもオタクでコミュニケーションが苦手そうな彼女のこれまでの人生が想像できた。そんなゆきながスナックに飛び込み、出会いと交流を通して成長していく姿は、見ていて応援したくなった。
・ユキナ役を演じた加藤小夏さんの、ぎこちない動きから繰り出されるマーケティング理論の説明とアイデアを提案する演技がいい味を出していた。一方で、最後の場面は、海外での仕事をこなしながら、故郷の小樽で漁師たちと交流し、ニシンをプロデュースしようとする自信に満ちた姿に心を打たれた。ユキナの成長した姿がよく描かれていた。
・スナックゆかりの常連客、酪農家の農山が抱える悩みは、そのまま北海道が抱える問題である。作中に北海道の問題を取り上げているのは、ドラマという枠を超えて意義のあることだと思った。≪要望点・改善点≫
・ゆかりママとひとみママとの対決は少し無理があった。スナックとして立地も客層も全く違うと思われ、ふたりのスナック経営に対する意識を同じ棚に置いたところで、マーケティングを主軸にしたドラマの根幹が揺らいだように思う。
・スナックゆかりのセットが広すぎる感じがした。ママとママ代行の2人で接客をするにはキャパを超えているのではないか。カウンターの中も、もっと狭くて良かった。
・ハッピーエンドになり過ぎていた点が物足りなかった。例として、ユキナの仕掛けた戦略全てがすぐに結果に表れることに違和感を覚えた。大きな失敗などがある中でユキナが成長していく姿を描いた方が、よりリアリティを感じることができたのではないか。
・男女の構造や偏見といった、現実のスナックのマイナス部分が描かれていなかった。スナックゆかりが老若男女や外国人も集える場所になり「よかったよかった」で本当によかったのか。モヤモヤしたものが残った。
・ユキナは「スナックが嫌いだった」と言い、その理由がスナックのママだったユキナの母親と客との関係性ということが示唆されるが、具体的な理由は語られなかった。しかし嫌いだった理由を乗り越えないと、ユキナも本当にスナックという存在を受け入れ、自分の帰る場所として「スナックゆかり」を見出すことにはならないはず。この点が消化不良だった。
≪提言≫
・今の時代、地上波だけでなくネット配信という手段もあるので、道外の多くの人に見てもらえるチャンスがあると思う。若い人の感性を生かしつつ、今後もドラマづくりを続けてほしい。
・次回の放送番組審議会は2025年7月24日(木)開催予定です。










