2022年8月27日(土)放送
知れば知るほど面白い"漢方薬"特集
自然の恵みを利用して作られる薬「漢方薬」。
漢方の起源はおよそ1400年前、中国の医学が日本に伝来し、
その後日本の風土や気候に合わせて独自に発展した医学です。
つまり、漢方は日本の伝統医学なのです。
漢方薬は、全国の病院やクリニックで病気の治療のために処方されたり、
ドラッグストアで買うこともできたりと、私たちの生活に身近な薬となっています。
明治26年創業の漢方メーカー『ツムラ』は、現在129種類もの漢方薬を製造、販売しています。
漢方薬は、複数の「生薬」を組み合わせて作られています。
「生薬」とは、植物、鉱物、動物などの一部分を加工したもの。
「漢方薬の品質は畑から」。漢方薬を作るためには、良質な生薬が必要です。
日本で最も生薬の栽培面積が広い地域は北海道。
広大な土地、冷涼な気候が、北海道の生薬栽培を支えています。
北海道の大地ですくすく育つ生薬に触れてきました。
夏休みが始まったばかりの先月30日。
漢方薬の不思議に楽しく迫るイベントが開催されました。
題して「見て、ふれて、親子でワクワク体験~発見!漢方薬のひみつ」。
参加したのは、道内各地から集まった小学4年から6年までの子どもたちと親17人です。
午前中は収穫体験のため、石狩の農場にやってきました。
迎えてくれたのは「てみるファーム」の皆さん。
生薬栽培を通して障がいを持つ方々の自立と就労の支援をしています。

料理などで目にする機会が多いのは青じそですが、
赤じそは、色の成分にも薬効があるとされているので漢方薬に使われているのは赤じそなんです。
赤じそは、漢方医学で「蘇葉(ソヨウ)」と呼ばれています。

昔、食中毒で死にかけていた人に赤じその葉を煎じた汁を飲ませたところ蘇ったという逸話から「蘇葉」と名付けられたといわれています。蘇葉は主に風邪や胃腸の不調を治すための漢方薬に用いられています。

収穫された生薬は、新鮮なうちに工場に運ばれ、数日間かけて乾燥させます。
出荷前には機械と目視で厳しく選別、その後、最終的な品質試験をクリアした生薬のみが漢方薬の原料となります。

漢方薬を必要とする誰かのために。様々な努力があることを学びました。

午後は、漢方薬にまつわる出前授業が行われました。

講師は、漢方メーカー ツムラの北海道にある拠点「夕張ツムラ」で働く薬剤師の玉井さんです。
本格的な器具を使って 実験が行われました。薬に含まれる生薬の成分を確かめる実験です。

玉井さん「まだ解明されていないことがたくさんあるんですよね、まだまだ漢方って。そうは言いながらも、科学が進歩していく中でどんどん新しいことがわかってきて、さらに、広がっていく可能性を持ってるなという風に思ってます。身近な植物が漢方薬の原料になっていることを子どもたちに知っていただいて漢方薬に興味を持っていただければ幸いです」













