2022年9月17日(土)放送
食のチカラ「羅臼のぶり」 北海道では近年ぶりの豊漁が続く
食のチカラ。これから旬を迎える「ぶり」に注目します。
今週12日、羅臼では初操業が行われました。
元々、天然のぶりは長崎や島根をはじめ暖かい地域で多く獲れる魚です。
ところが近年、北海道でもよく獲れるようになってきました。
専門家によりますと、「レジームシフト」と呼ばれる数十年規模の水温変動が起因しているということです。
これから脂乗りが良くなってまさに旬を迎える天然ぶり。
ここからは料理研究家の坂下美樹先生がぶりを使ったオリジナルレシピを教えてくれます。
アジアンテイストな魅力が食欲をそそる。
『ぶりのガリガリ揚げ・甘辛だれ』です。
材料2人分
ぶり3-4切れ、米粉・米油適量、塩・粗挽き航黒コショウ適量、
ニョクマムまたはナンプラー大さじ1、はちみつ大さじ1、
酢小さじ2、ごま油小さじ1、赤唐辛子1-2本
(※ニョクマムはベトナム料理で使われる小魚を原材料とした調味料。)
はちみつを使うことで砂糖よりもコクのある甘味が引き立ち
ぶりに味が絡みやすくなります。
彩りを添えるための赤タマネギ、アジアンテイストな料理には欠かせないパクチーもご用意ください。
まず、ブリのしたごしらえをします。
食べやすいように一口大に削ぎ切りします。包丁を斜めにねかせて斜めに切ります。
塩とコショウで下味をつけます。ここで、きょうは米粉を使います。
まずは表面にサラッと... 裏側にも米粉をつけていきます。
つぎに、揚げ衣を作ります。割合は米粉2に対して水が1です。
米粉を使うことで、お米独特のもっちり感が味わえるんだそうです。
ブリを揚げる前に合わせ調味料を作っておきます。
まず、はちみつ。このはちみつがこれから出てくる他の調味料と相性が良い。
コクのある甘味でぶりに味が絡みやすいんです。
つづいて、お酢です。酸味が食欲を引き立ててくれます。
ごま油、こちらは香りづけです。
つぎにニョクマム。
ニョクマムとは魚を発酵させてつくるお醤油なんですが、
ベトナム料理などでよく使われます。とても旨味があるのでぶりとの相性がいいんです。
最後に小口切りにした鷹の爪を入れます。
フライパンに揚げ油を180℃くらいの中温に熱してぶりを揚げていきます。
軽く米粉を振ったブリに衣をつけて...きょうは米油を使っているんですが、
加熱した時にとてもいい香りがするのとカリッと揚がるんです。
米油がなければ、他のお好みのオイルで大丈夫です。
油の量はブリの1/3くらいの深さで大丈夫です。
ぶりを削ぎ切りにしているのですぐに火が通ります。
表面ががりがりっとして揚がってきました。
米粉を使うことで、お米独特のもっちりとした感じも味わえる。
非常に衣には向いているんじゃないかなと思います。
最初に薄く米粉をまぶしてから衣をつけているので、
衣が剥がれにくくて、油の中でも加熱している時に跳ねにくいんです。
いい色がついてきたら油から出します。
一切れで2分くらい揚げるとしっかり中まで火が通っています。
盛り付けです。
まず、レタスを食べやすい大きさにちぎって皿に盛ります。
パクチーは、ちぎると香りがよく出てきます。
そして揚げたてのぶり。先ほど合わせたニョクマムのたれの中に全部入れます。
味を絡めてレタスの上にのせます。残ったたれもたっぷりとかけて...出来上がりです!
米粉を使うことでカリッと仕上がったブリに、
ニョクマムのたれと香りたつパクチーがアジアの風を感じさせる...
坂下先生、渾身のひと品です!