札幌市で導入検討「フッ化物洗口」慎重論も 専門家は「飲んでも危険性なし」市は「実施希望の家庭だけに」
2024年 5月 2日 18:48 掲載
フッ素入りの液体で歯をすすぐ「フッ化物洗口」。こどもの虫歯を防ぐため、道内では9割の自治体が取り入れていて、札幌市の小学校でも導入が検討されています。
子どもの虫歯対策として注目されている「フッ化物洗口」。永久歯が生える頃にフッ素が入った液体で定期的に歯をすすぐことで虫歯になりにくくするもので、小学校などで浸透してきています。札幌市の小学校では導入されていませんでしたが、今年度から段階的に一部の学校で導入されることが決まりました。
札幌市保健福祉局秋野憲一部長)
「札幌市においても子供たちの歯の健康を守る、守るために洗口を導入すべきだという御意見が多く寄せられるようになりまして、検討を進めてきたという経緯になります。」
小学生で虫歯がある児童は、札幌市はおよそ4割で全国の政令指定都市の中では2番目に多くなっています。北広島市では、10年前に平均2.1本だった虫歯の本数が、「フッ化物洗口」の導入後、0.6本にまで減りました。
大森歯科)
「ちょうど奥歯が出てくる時に、このフッ化物、歯の質を強くすることによって、全体のかみ合わせも含めて構築されていく。そこは学校も含めて何か教育の中でこうやっていくというのが一番大事かなと思っています。」
「フッ化物洗口」で使う液体の量は1回10ccで、1週間に1回の頻度が推奨されています。
本吉智彦記者)
「体験してみます。ニオイはありません」
液を含んだら歯をすすぐように30秒間、口を動かします。
本吉智彦記者)
「けっこう長くて、あごが疲れます。歯がつるつるした感じがします」
一方、導入に慎重な声もあります。
「集団フッ素洗口」問題を考える市民の会片桐葉子代表)
「リスクもあります。元々フッ素っていうのは毒物ですっていうことを知る場がないっていうこと自体が私は問題だと思っています。」
毒性をもつフッ素。口ですすぐことでカラダへの影響はないのでしょうか。
北海道医療大学千葉逸朗歯学博士)
「フッ化物洗口に用いるのは非常に濃度が低いので、その全部の量を飲んだとしても、急性中毒量よりはるかに少ない量になりますので危険性はありません。」
誤って1回分の液体を飲み込んでしまっても、健康に被害が及ぶことはないといいます。
札幌市保健福祉局秋野憲一部長)
「薬剤を使うということに対して心配をされるという方がいらっしゃるということは重々私どもも承知をしておりますので、あくまでも実施を希望されるご家庭の子どもたちに行うということにしております。」
札幌市は今年の秋をめどにモデル校として複数の小学校でフッ化物洗口を導入し検証を行う予定です。
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