「競技の魅力伝えられる選手になりたい」 旭川から世界へ…レスリング日本一の女子中学生(14)
2025年 6月26日 18:10 掲載
■森唯菜アナウンサー:
「旭川にやってきました。ここに日本でイチバンのレスリングの選手がいるということです。ここで今練習中ということで、見に行ってきます」「こちらですかね・・・子どもたちが練習していますアップしていますね、きつそう、すでに」
「すごい構えから決まっていますね!」
森アナウンサーが注目した彼女がイチバン!!の実力の持ち主。
長谷部なあささん(14)です。
4歳からレスリングを始め、今では週に3回市内の体育館で練習に打ち込んでいます。
■長谷部なあささん:
Qいま何をしていた?
「いま、ウォーミングアップのマット運動していました」「息が上がる感じでいい感じにウォーミングアップ出来ている」
今年4月、長谷部さんは東京で行われた「ジュニアクイーンズカップ・レスリング選手権大会」に出場。
ペースをつかめず3対4と劣勢の中、チャンスを生かし相手選手の体を抱えて回転する技「ローリング」を残り時間1秒で決め、見事逆転勝利。
日本でイチバンに輝きました。
■長谷部さん:
「全国1位になれたので嬉しかったのと、アジア選手権に出るという目標で練習とかしてきたので、やっぱり嬉しい気持ちでした」
長谷部さんの持ち味は素早いタックル。
相手選手と距離をとり一瞬の隙をついて敵を倒します。
■旭川レスリングクラブ・寶諸将人コーチ:
「遠いところからスピードを生かして飛び込むタックルが得意。」
「練習もストイックなので自分で考えてしっかりできる子。(世界大会で活躍する)素質はあると思う。」
実際はどれほどの強さなのか・・・凄さを体験してもらいます。
■長谷部さん:
「構えは肩幅より広いくらい」
「ひざは曲げて、つま先より若干前に(出す)。
手は相手と組めるように前に(出す)。」
「これで動いたり、サイドステップしたり」
■森唯菜アナ:
「ずっとスクワットしているみたい」
「きつい・・・」
基本的な構えをおそわったところで・・・イチバンの実力者長谷部さんと空手歴18年!カウンター攻撃はお手の物。森アナが組み合います!!
■森唯菜アナ:
「あっ、待って怖い!」
「襲ってくる感じがすごい来る」
長谷部さんの迫力を受け、逆に笑いが出てしまう森アナ。
■森唯菜アナウンサー:
「組めない組めない永遠に組めない!」
身の危険を察知し、後を記者に託します。
そこで、日々体当たりで取材を行う体力自慢の記者が挑戦。
森アナに代わって、長谷部さんと向き合います。
■記者:
「うわっ!!」
「めちゃくちゃ速い!!一瞬でしたね」
長谷部さんのリング外の様子を探るべく、自宅にお邪魔しました。
■森唯菜アナウンサー:
「かわいいお部屋おぉ!すごい!!メダル!びっくりした!!」
「メダルがたくさん並んでいるお部屋っていうのはどうですか?」
■長谷部さん:
「1位とかのメダルがあると、次もこれから取りたいなと思うし逆に2位、3位もあったら悔しさを思い出したりするので、そういう面で(メダルを)飾りました」
たくさんのメダルを獲得してきましたがその中には悔しい思い出も。
■長谷部さん:
「(コロナ明けの)3年ぶりぐらいの全国大会で順調に決勝戦まで勝っていたけど、負けちゃって2連覇とりたいという気持ちが強かったので悔しかった」
全てが順風満帆だったわけではありません。長谷部さんは小学二年生の時、はじめて全国大会で優勝しましたが、そこからは思うような結果を残せていなかったといいます。そのため中学に入ってからは部活動で陸上も始め、中長距離を走るように。空いた時間は自宅などで自主トレ。
常にレスリングに必要な体作りをしています。
■森唯菜アナ:
「こんな太いロープ初めて見たんですけど、どうやって使うんですか?」
■長谷部さん
「これは登ったりします」
■森唯菜アナ:
「登る!?」
「いつもどういう風に使うか見せてもらえますか?」
「あっ・・!!すごい。笑顔で!登って降りて!!」
レスリングをはじめるきっかけとなったのは姉のりあなさんの存在です。
■(姉の)長谷部りあなさん:
「ちょこちょこ私が(レスリングを)やっているのを見に来たりするから、それで『やろうかな』ってなったんじゃないかって思う」
■(姉の)長谷部りあなさん
Qお姉さんに憧れて?
「憧れてはいないよね?」
■長谷部なあささん:
「多分、そのころ何でも真似していたと思うので」
今はレスリングを引退しましたが、一番の理解者であることはかわりません。身近な場所から努力を見てきた家族。
彼女のすごさと優勝したことの喜びを人一倍強く感じています。
■(姉の)長谷部りあなさん:
「逆転みたいな感じで、なあさの強い気持ちを見れたからすごく嬉しかったし、すごさを感じましたね」
■(母の)長谷部麻未さん:
「諦めないで続けてこられて、すごい努力して頑張っているなと思う」「できることは親としてサポートしていきたい」
母の車で練習に向かう途中、家族への感謝の思いがこみ上げます。
■長谷部なあささん:
「試合とか一番に喜んでくれたり・・・そういうところを感謝したい」「自分くらい喜んでくれる人ってあんまりいないと思うので、それほど親身になってくれるところがやっぱり嬉しかった」
最後に、今後の目標を聞きました。
■長谷部なあささん:
「いまレスリングが全国的に有名なスポーツではないので少しでも人気になれるように、自分がしっかりレスリングの魅力を伝えられるように、まずは自分が魅力的な選手になれるようになりたいです」
【スタジオ】
長谷部さんは来月6日キルギスで行われるアジア選手権に日本代表として挑戦する予定です。