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科捜研の女 #3【再】

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追跡・倶知安町の無許可森林伐採問題 内部資料から浮かび上がった開発計画の全容とは

羊蹄山の麓にある倶知安町巽地区。ここは元々、木々が生い茂る森林でしたが、現在は、羊蹄山に向かって道が切り開かれ、大規模な建設工事が進められているのがわかります。おととしから始まったという工事。道が今月に入り現地を確認したところ、無許可で3.9ヘクタールもの森林伐採が行われていたことが発覚したことから、道は事業者である札幌の不動産会社A社に森林法に基づく工事の停止を勧告しました。

■現場近くに住む人「夜中の3時か4時ぐらいにあのへんがパーっと明るくなるから何やっているのかとみんな不安がっていた。夜中に(資材を)全部運び込んでこっそりやっているのさ。(Q工事でどのような心配が?)一番は水。林を伐採すると水が流れる。そうしたら下の方で農地も流される、それが一番心配」「(Qどういう人が工事している?)話しかけても日本語通じない。中国人なのかなと思うんですけど日本人ではない」

無許可だったことが発覚した巽地区の工事現場
無許可だったことが発覚した巽地区の工事現場

これはHTBが入手した2月に現場の事務所で撮影された画像。ホワイトボードに書かれた現場の図面には、工事車両の位置やスケジュールなどが書き込まれているほか、「中国」という文字がいくつも確認できます。現場に出入りしていた工事関係者は、これまで関わった現場とは雰囲気が違ったと話します。

■工事関係者「最初入ったときは既に木が倒され、その状態が普段自分たちがやるような仕事の段取りじゃなく、普通にチェーンソーを使って切るとかじゃなくて重機で(木が)倒されている状況。オーナーさん(A社代表)方が見に来るとやっぱりみんなピリピリするような状況があったんで。異常ですよやっぱりそれは。(A社代表が)いないときはもう本当に『大丈夫なの』と思うぐらいやっぱり段取りが悪い状況だし。経験不足の人が結構いたんじゃないかな」

工事現場にあった図
工事現場にあった図 "中国"の文字が複数確認できる

現場の看板には建築主としてリー氏という中国系の人物が記載され、HTBの取材ではこの人物が中国・広東省深セン市に住む男性であることがわかっています。この人物について道の担当者は、本当の建築主か確認できず接触もできていないと話します。

パウダースノーを求め多くの外国人観光客が訪れる倶知安町。人気の花園地区ではなく、これまで開発と無縁だった巽地区でどのような計画が進められようとしていたのでしょうか。2020年ごろからこの辺りの土地一体を買い占めていたのが、札幌の不動産会社A社。今回の建築主であるリー氏もA社が開発する土地を購入しています。これは2022年12月にYouTube上に公開された映像。巽地区で計画されていた「陽雪ノ華」というリゾート別荘のPR動画です。35万平方メートルの敷地に200棟の豪華別荘とスキー練習場、レストランなどを建てる壮大な計画。
A社の代表は中国から日本にやってきたとみられる男性で、自身のSNSで自らの会社のプロジェクトをアピールしていました。

「チーム一同、そして大切なパートナーの皆様とともに休日用別荘「陽雪ノ華」をオープンできることを大変うれしく思っています」

当時、A社とともにこの計画を進めた人物によりますと、2023年には新千歳空港の国際線ターミナルにおよそ1億円をかけて大々的に広告を展開したといいます。その後この計画は頓挫しますが、A社は新たに大阪にある複数の中国系の会社と組み開発プロジェクトを進めたとみられています。

■波方真如 倶知安町議「ファイブスターホテルなどと書かれて、実際これがどこまで本気で建てようとしてたとかそういうのはわからないがこういった計画もあった。向かい側には分譲地の絵が書かれている」

こちらも計画通りには進まなかったものの、今回問題となっている場所で建設工事を開始。道によりますと住宅2棟を建てると話していたということですが、A社の代表をよく知る人物は住宅ではないと話します。

■A社代表を知る人物「今回、建設しているのはゲストクラブスペースです。海外の有名歌手や女優を呼んでビジネス展開をしようとしていました」

町によりますと、森林法以外にも建築基準法や都市計画法など4つの違反が確認されています。なぜ、違反行為を行ったのか。HTBは先週A社に質問状を送りましたが、期限までに回答は届かず、ホームページも閲覧できなくなってしまいました。我々は札幌市内にあるA社代表の自宅を直撃しましたが、応答はありませんでした。

一連の問題について鈴木知事は「毅然と対応していく必要がある」とした一方、このように話しました。

■鈴木知事「指導権限、工事の停止とかを法律の権限を越えて知事がその事例ごとに判断するということはなかなか現実的な対応ではない、逆に訴えられます」

地元の倶知安町はきのう道に対し、厳正な指導や再発防止などを求めて要請を行いました。

■倶知安町議会 作井繁樹議長「悪意を持った確信犯的な方々が今後も増えてくるでしょうから、そうした方々に断固、我々も覚悟を示していくことが必要だと思っていますので、ありとあらゆることをやっていきたい」

伐採された3.9ヘクタールもの天然林。A社は道に復旧計画書を提出し植林作業を進めていて、今後、道が状況が是正されたと判断した場合、工事が再開される可能性があります。

●依田アナウンサー
先ほど、不動産会社A社からHTBが送った質問状の回答が届きました。
「当社は倶知安町における無許可建築ならびに無許可林地開発問題について当事者として関与しているものではありません。本件問題が発生した不動産の仲介を行った立場にすぎず、開発行為の主体ではございません。本件問題が発生した土地の所有者として行政機関と折衝し、同機関の指示にしたがって適切に復旧行為等を滞りなく行っております。」
今回の問題の当事者ではなく無許可伐採などの質問には答えられないという回答でした。本来なら地域説明会などを開き地元の理解を得てから進められる開発行為。法令を無視して木々を伐採してしまうのは許されるものではありません。HTBは引き続き無許可伐採の問題を取り上げていきます。

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