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体が動かなくなっても… 中2になった葉月さん 高校進学で新たな悩み 壁乗り越えた先輩に勇気もらう

旭川市の渡邊葉月さん。突然病に倒れ、体が動かなくなっても前向きに発信する姿が共感を呼んできました。今、中学2年生。新たな壁にぶつかる葉月さんを、勇気づける出会いがありました。

旭川市に住む渡邊葉月さん(13)。8歳の時、脊髄にできた腫瘍が原因で突然倒れ、首から下が動かなくなりました。

背骨を支える筋力が衰えたことで、側弯症を発症。症状が進行すると、消化器の病気や呼吸困難を引き起こすこともあるため、定期的にレントゲン検査を受けています。

医師:「去年と比べたら今年の方が、若干姿勢が良さそうです」。
母・千香子さん:「うれしい」。
父・政宏さん:「そんなことある?良かった」。
医師:「骨もだんだん大人の骨になってくると、周りの支えがしっかりしてくるので、それで変形が目立たなくなってくることもある」。
葉月さん:「『良くなっている』って言われて、びっくりした。でも、うれしかったすごい。悪くなっていると思っていたから。良かった、一安心」。
父・政宏さん:「良くなってほしいなって思っているけれど、今までそんなこと何もなかったから本当にうれしい、良くなって」。

小学2年生の時に倒れてからは、特別支援学校に通っていた葉月さん。「みんなと一緒に学びたい」と、中学校からは近所の学校に通っています。

葉月さん:「最近は友達も教室にいるから友達とも話せるし、それが一番楽しい」。

たんの吸引など医療的ケアが常に必要なため、学校では看護師が2人体制で対応。2年生になってからは体調を大きく崩すこともなく、ほぼ毎日登校できています。

所属は特別支援学級ですが、最近、理科や社会など通常学級で授業を受ける時間も増えてきました。

先月、新たな出会いも。

葉月さん:「しゃべれるか不安。ちゃんと質問に対してしゃべれるかなとか。でもやっぱり楽しみ。めっちゃ楽しみ」。

SNSを通じて知り合った女性が、この日、初めて会いに来てくれることになったのです。

今村柚月さん:「こんにちは、今村です。よろしくお願いします」。

名寄市の今村柚月さん(22)。生まれつき両腕がないなど、重い障害とともに生きてきました。

高校卒業後、名寄市役所に就職。職場で同僚に助けてもらうこともありますが、他の人と同じように働いています。

絵を描くのが好きな葉月さんの希望で、互いの似顔絵を描きながら、おしゃべり。

葉月さん:「前髪見せて。あー、かわいい」。
柚月さん:「もう、前髪いってるんだよ。私まだ顔だよ」。

初対面の2人ですが、共感し合う場面も。

柚月さん:「かわいそうと思われたくないっていうのが、一番なので。障害持っていても、『いや、楽しいんですけど!』みたいな。そういうのは結構あったりします」。
葉月さん:「楽しさを見せつけて」。
柚月さん:「そうそうそう。『めっちゃテンション高いからね、うちらね』とか『めっちゃコミュ力あるしね』とか」。

葉月さんは、人生の先輩でもある柚月さんに聞いてみたいことがありました。

葉月さん:「高校進学の話とか結構出てきている。行くなら(学校が)受け入れる準備が必要だから、それもすぐできるわけじゃないから早めに決めちゃってくださいって」。

母・千香子さん:「バリアフリーの学校じゃないと、やっぱりちょっと厳しいという言葉が出てきちゃう。(柚月さんが)高校進学の時にいろんな話し合いがあったような話をしていて、それがちょっと聞きたかった」。

柚月さん:「自分は普通の子と同じだっていう考えでいたので、養護学校っていうのも言われたけど、そんなに頭にはなかったというか。本当になくて」。

柚月さんは小学校も中学校も近所の学校に通い、その後、受験して地元の普通高校に進学しました。娘の希望を叶えるため、母親は学校での支援方法などについて名寄市や高校と話し合いを重ねたと言います。

柚月さんの母・多美子さん:「こういう体だから諦めるというのは、ちょっと違うかなと思ってずっときたので、『普通高校でやってみたい』って言うのであれば、それをどうにかしてあげられるんだったらっていう気持ちかな」。

柚月さん:「試験に受からなければ何も話が進まないので、勉強一択。勉強しかしなかったです」。

葉月さんの母・千香子さん:「(娘は)壊滅的なのが、美術、技術、体育とか。その辺はどうにも壊滅的ですよね。だから柚月ちゃんもそうだったと思うんですけれど、他のところでランクを上げていかなきゃいけない。だから、すごい頑張ったんだろうなというのがそれだけで分かる」。
葉月さん:「すごいと思う」

柚月さんの母・多美子さん:「体育とかは成績の付けようがないので、レポートみたいなのを出して評価を付けた」。
柚月さん:「それと先生の面談とレポート」。

葉月さんも、多くの同級生と一緒に学べる普通高校への進学を希望しています。ただ、人工呼吸器をつけた医療的ケア児が公立の普通高校に進んだケースは、道内でまだ1例しかありません。

母・千香子さん:「葉月と柚月ちゃんの前にもそういう人がたくさんいて、かなわなかったことがたくさんあったのが、ここで柚月ちゃん変えたじゃないですか。葉月も今それに共感して頑張ろうと思っている。きっと2人がこうやって発信したり、頑張っている姿を見せてくれることで絶対変わっていくと思う」。

重い障害とともに生き、壁を乗り越えてきた2人。互いの存在が、これから前に進む力になります。

柚月さん:「みんな絶対一人では生きていなくて、誰かしら手伝ったり、手伝ってもらったりしていると思うので、それとそんな変わらないよって。ただ、手伝ってもらっているのが多いだけだよっていう感じはするので。もっと変えていかなきゃな。私も発信していかなきゃなとは思います」。

葉月さん:「柚月ちゃんみたいにずっとハイテンションでいて、元気で、どんなことにも負けずにいこうかなと思いました」。

 

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