「銃奪われた7年」北海道砂川市のハンターあす最高裁弁論 ”猟銃所持免許取り消し処分”の撤回求め
2026年 2月26日 19:19 掲載
猟銃所持の免許を取り消された砂川市のハンターの男性が処分の撤回を求めている裁判で、あす(27日)最高裁で弁論が行われます。
猟銃を失ってから7年、男性が語る思いは。
■北海道猟友会砂川支部長 池上治男さん:
「大変な時間だったさ。/なんでこんな目に遭わなきゃいけないのか」
砂川市のハンター、池上治男さん76歳。
■池上さん:
「あっという間に春がきて、夏がきて秋がきて、あっという間だよ一年は。もう何年もヒグマとの一年だったな」
池上さんは2018年、市の依頼を受けてクマを駆除しました。
しかしその2ヶ月後、建物側へ発砲したとして道公安委員会から銃を持つ許可を取り消され、道にこの処分の撤回を求めています。
この訴えについて札幌地裁は
ヒグマの背後には高さおよそ8メートルの土手があり、おおむね草木で覆われていたこと、
その場にいた警察官は池上さんがライフル銃を発射する可能性を認識しながらも、制止や警告をしていないことなどから「猟銃所持の許可を取り消したことは著しく妥当性を欠き、裁量を濫用・逸脱している」として道公安委員会の処分は違法とする判決を下しました。
しかし、その後道公安委員会は
「草地に覆われた斜面は跳弾が発生する危険性が増大する」、
臨場した警察官について「発射を要請したり容認した事実はない」などとして控訴しました。
札幌高裁は「銃砲所持許可を取り消す旨の判断が、裁量権の逸脱・濫用に該当するとは言えない」として道公安委員会の判断を支持。池上さんの訴えは退けられました。
敗訴を受け池上さんは最高裁に上告しています。
■池上さんを弁護する中村憲昭弁護士:
「高裁判決は我々からしたらひどい判決ですね。行政の強い依頼があって、その中で行われた有害鳥獣駆除。それもヒグマに対する有害鳥獣駆除です。その公益性が十分判断されていないというのが我々のポイントです」
■池上さん:
「今回の高裁の判決の通りになったら、これはもう誰も出来なくなるから。もう一切駆除なんてできない」
高裁判決の翌月、北海道猟友会ではある動きが・・・。
■北海道猟友会・堀江篤会長:
「正義感で出動して万が一間違って銃がなくなる、処罰されることは大変ですから、考えた上で出動してくださいと」
北海道猟友会は池上さんが下された高裁の判決を受けて、「ハンターの発砲の責任を警察や自治体が負わない場合は支部の判断で自治体からのクマ駆除要請を拒否することを認める」と全道71支部に通知しました。
このような状況をよそに、深刻さを増すクマ被害。
去年「今年の漢字」に選ばれたのは「熊」でした。
砂川市でも住宅地での出没や農作物への被害が相次ぎ、去年の目撃件数は過去最多の221件。
池上さんはそのすべてに出動し、箱わなの確認や現場での指揮を取っています。
■前田愛奈記者:
「男性はクマに住宅の敷地内で襲われました。この砂利の上で襲われたということです」
さらに道南の福島町では新聞配達中の52歳の男性がクマに襲われ死亡するなど、道内各地で人身被害にまで発展する事態に。
免許の取り消しから7年。
池上さんは冬場も毎日欠かさず見回り調査に出ています。
■池上さん:
「エゾシカがこれだけ増えているということは山のヒグマが食べられるようなものまで全部食べている、食べ尽くしちゃうからね」
「シカの移動経路をよく熟知しておくと、シカのあとをやっぱりヒグマが追うからね」
目安となるのはシカの存在です。シカが安心して滞在しているということは、そのエリアにはクマはいないということ。
変化を逃さないよう毎日記録しています。
■池上さん:
「上砂川町に来ています。同じ場所にシカがかなりいます」
「ここは一番はじめにヒグマを捕獲した場所だからね、砂川で」
見回りの合間には住民らを訪ねてまわります。
■関尾農園・関尾守人さん:
「味見しているやつは今年も必ず餌場にして入ってくるのは間違いない」
リンゴやトマトを栽培しているという農家の関尾守人さんは、去年、収穫間際のリンゴのうちおよそ7割がクマに食べられてしまう被害に遭ったといいます。
■関尾さん:
「この人にはお世話になっているんです」
■池上さん:
「(被害が)何とか収まってくれればいいんだけど」
■関尾さん:
「何とか鉄砲取り返してくれるように裁判でも頑張ってください」
あす(27日)迎える最高裁での弁論の場。
いま池上さんが抱く思いは。
■池上さん:
「高裁の判決のようなものがまかり通ってしまえば、全ての人たちに影響を与える。市民にも農家だけでなくて一般の人にもあなた方にもみんなに影響を与えることがあるから真剣にこの問題についてやらなきゃいけない。腹を据えてやっている。この状況っていうのは許されない。何としても最高裁で結論を出してもらいたい」
【スタジオ】
あす(27日)は最高裁での弁論です。
北海道道公安委員会による猟銃所持許可の取り消し処分について裁量の逸脱・濫用があったかどうかが争点です。
池上さんの弁護団はこれまでの主張に加え、公益活動であることが十分に考慮されていないこと。当初道公安委員会は「建物に向かって撃った」と指摘した点が高裁では「跳弾で人に当たる可能性」と理由がすり替わっている点を訴えていきたいとしています。
北海道側は、「個別の訴訟中案件について取材対応及びコメントは
致しかねます。」としています。
最高裁で口頭弁論が開かれるのは異例で、
これまでの判決が見直される可能性もあります。
弁論はあす(27日)の午後3時から行われる予定です。



























