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知床沖観光船事故裁判、桂田被告へ乗客家族が直接質問 事故の真相究明を願う家族の思い

知床沖の観光船沈没事故で、運航会社社長の桂田精一被告の刑事裁判。きょう(4日)乗客家族が直接桂田被告に被告人質問をしました。事故の真相究明を願う家族の思いとは。

息子の優さんを亡くした父親)
「最後の最後には潔く自分の責任を認めてほしい」。

2度と悲惨な事故を起こしてほしくない、そして犠牲となった家族のために…。きょう(4日)遺族らは法廷で直接、桂田被告と向き合いました。

誰にでも優しい性格だったという乗客の1人・優さん。あの日、優さんは週末の休みを利用し千葉県から旅行で知床を訪れていました。

優さんは知床の大自然を楽しもうと観光船「KAZUI」に乗船しましたが、沈没事故に巻き込まれ、翌日、知床半島先端付近で発見されました。

優さんの両親が「潔く責任を認めてほしい」と願う相手がいます。

桂田精一社長)
「桂田さん!桂田さん!家族に説明しないんですか?」「しますよ!」。

運航会社「知床遊覧船」の社長、桂田精一被告62歳。起訴状などによりますと、悪天候が予想される中、運航管理者などでありながら運航の中止を指示せず、観光船「KAZUI」を沈没させ、乗客乗員26人を死亡させた業務上過失致死の罪に問われています。

きのう(4日)行われた検察からの被告人質問。事故当日の出航をめぐる判断について桂田被告は「記憶にありません」「覚えていません」などを繰り返していました。

息子の優さんを亡くした父親)
「あれだけの大事件が起きた日のことなのに覚えていないというのは、私には信じられないですね。どれだけいい加減な気持ちで仕事をしていたかがよく分かりました」。

事故に巻き込まれた乗客全員のために

優さんの父親は被害者参加制度を使って桂田被告に直接質問する被告人質問に参加することを決めました。

息子の優さんを亡くした父親)
「(桂田被告が)安全を軽視していた姿勢ですね。裁判官に伝わればいい」「息子だけじゃないんですけども、乗客の方全員なんですけども、無念を晴らしてあげたいというその一念です」。

高橋海斗記者)
「桂田被告が釧路地裁に入りました。被告人質問最終日の今日は乗客家族が直接、桂田被告と対峙します」。

乗客家族として、はじめに質問したのは優さんの父親でした。

優さんの父親)
「運航管理者として特に重要だと思うことを被告の言葉で簡単にお願いします」。

桂田被告)
「一番大切なことはお客様を喜ばせて、かつ安全に戻って来ることです」。

優さんの父親)
「海を知らない、船を知らないのに安全統括管理者を自分が適任だと思った理由はなんですか」。

桂田被告)
「運輸局と話している中、できると思いました」。

事故後に見つかった優さんのデジタルカメラについて、父親は。

優さんの父親)
「2年半経って私の息子のデジカメが見つかりました。そこには乗船する乗客が多く映っていました。このニュースを見てどう思いましたか」。

桂田被告)
「心が痛くなりました」。

優さんの父親)
「4時間後には26名が荒れた冷たい海で苦しくて恐怖で無念で、それを想像したことはありますか」。

桂田被告)
「はい夢に出てきました」。

優さんの父親)
「会見で『海が荒れるようであれば引き返す条件付き運航』と何度も発言していました。予定通りの知床岬コースの案内で、見つかった息子の写真からも条件付きの案内がなかったのは明らか。あなたはどう考えているのですか?」

桂田被告)
「説明…実際には実施されていまして…ということでございました」。

優さんの父親)
「条件付き運航はしていいんですか?」。

桂田被告)
「その辺は・・・はい申し訳ないです」。

きょう(4日)の被告人質問には行方不明者の家族も出廷しました。

息子が行方不明 小柳宝大さんの父親)
「戦いに臨む気持ちで来ていますから」。

小柳宝大さん。赴任先のカンボジアから一時帰国した旅行中に沈没事故に巻き込まれ、いまも行方不明のままとなっています。

海から戻らない息子のためにもと、きょう(4日)も「KAZUI」の船内で見つかったダウンジャケットを身につけてきました。
息子が行方不明 小柳宝大さんの父親)
「待ちに待った被告人質問。これで桂田が一つでも真実を述べてほしいと思う争点のひとつは出航判断。これでやっぱり、なぜ出航したのか真意を問いたい」、「(息子)と一緒に戦っていきます」。

宝大さんの父親は被告人質問で桂田被告にこう語りかけました。

息子が行方不明 小柳宝大さんの父親)
「よく見てください」、「このダウンジャケットは息子が船の中にあったリュックに入れていたものです」。

桂田被告は静かにうなずきました。

息子が行方不明 小柳宝大さんの父親)
「乗客家族の説明会の前に奥さんに「大きな事件が起きたら収まる」などメッセージを送ってその後に土下座しているんですよね」。

桂田被告)
「全部言い訳にしか聞こえないかもしれませんが、マスコミがうちの敷地内やベランダに入ってきたりして、妻を安心させるために…」。

息子が行方不明 小柳宝大さんの父親)
「冗談じゃないですよ!奥さんのためってこっちは、私たち家族は、命を亡くしているんですよ!」

息子が行方不明 小柳宝大さんの父親)
「乗客の安全、安心より金儲けを優先させる思考だからあの日、出航判断をしたのではないですか?」。


桂田被告)
「そのようなことをしたつもりはないですが、私の行動や言動でそのように思わせたのなら大変申し訳ございません。お詫び申し上げます」。

きょう(4日)の裁判終えて、乗客の家族は

息子が行方不明 小柳宝大さんの父親)

「条件付き運航というのが合点がいかなかった。最近も「記憶にない」とかいっぱいあったからですね。問いかけに「申し訳ございません」とはっきり言ったから。そういう部分では良かったかなと」。

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